【新潟記念・オマケの消去法】

視聴率のオバケが突然の引退を表明した。

タレントの島田紳助。「クイズ!ヘキサゴン!」・「行列のできる法律相談所」・「人生が変わる1分間の深イイ話」・「開運!なんでも鑑定団」などなどテレビ視聴率上位の番組を持っていた。

「ちわ~!処暑を過ぎたってぇのに暑いっすね」

平成の低視聴率男、競馬とジャイアンツ戦以外はほとんどテレビを見ないというアフター競馬評論家の鬼野谷があらわれた。

「スポシン(スポーツ新聞のこと)一面トップっすよ。シンスケの引退。テレビは大変っすよね。視聴率があるっすから」

といいながら、話しは競馬の視聴率におよんだ。

鬼野谷のリサーチによると、日本ダービーでの瞬間視聴率がもっとも高かったのは、H4年、超特急ミホノブルボンが逃げ切った第59回日本ダービーで、関東地区で35.4%を記録した。関東圏で約500万世帯がテレビ観戦した計算になる。

日本ダービー最初の放映がシンザンの勝ったS39年で、この時の平均視聴率は、フジテレビとNHKを合計して19.0%。テレビが普及途上であったことを考慮するとまずまずの数字だ。

その後、日本ダービーの視聴率はうなぎ登りに上がり、S44年、1番人気のタカツバキが発馬直後に落馬して、6番人気のダイシンボルガードが勝ったときには合計平均視聴率33.1%を記録した。

「それがね、今年のダービーはなんとフジ7.6%っすよ。同じ日曜日の笑点の3分の1、マルモのおきての半分っすよ。あのディープインパクトが勝ったときだって、フジにNHKを足しても12.5%ですからね。お偉いさんは、決まって趣味の多様化・分散化が原因って言うけど、違う!っす」

「でも、巨人戦だってサッカーにやられて低迷してるっていうけどなぁ~」

「去年のケンタッキーダービー、見てないんすか。雨にもかかわらずチャーチルダウンズ競馬場に15万人も押しかけ、NBCの競馬テレビ中継が過去20年で最高の視聴率10.3%を叩きだしたんすよ。アメフト、バスケ、べースボールとそれこそ趣味の多様化・分散化の権化のアメリカでですよ」

「なんで視聴率が上がったんだい」

「情っすよ。魂を揺さぶるようなドラマっすよ。4回もチャンピオントレーナーになった名伯楽プレッチャー調教師が、それまでに計24頭でケンタッキーダービーに挑戦したけどいずれも失敗。やっとこさ、10年をかけて去年制覇。ここっすよ。なでしこジャパンみたいなもんすよ。苦節何十年!、に洋の東西もないんす」

「?……。で、今週の新潟記念は?」

「重賞を6歳、挑戦27回目でやっと手に入れた苦労人父ステイゴールドを彷彿とさせる6歳馬シャイニーブラウンす。やっかいな繋靭帯炎からの二度にわたる長期休養からの復活。これはドラマ!っすよ」

「ゲートを出ない癖があるけど大丈夫かい。それに、前走条件戦だぞ」

新潟記念で前走準オープンの1600万クラス戦に出走していた馬は、グレード制開始のS59年以降[2-7-7-50]

このうち、(a)前走10着以下大敗×(b)芝5回以上走って0~1勝×(c)2走とも掲示板外の6着以下×(d)4走内に芝の条件戦で10着以下大敗あるハンデ50㎏以上×(e)前走新潟(H8・12年は中山)で5番人気以下で連対外は5㎏以上の斤量軽減馬を除き×(f)2走とも1馬身未満の接戦×(g)左回り芝(H12年までは右回り)ゼロ勝×(h)4走内に1000万クラス戦56㎏以下で敗退歴×(i)2000m戦を15回以上走って0~2勝×(j)前走3馬身以上快勝除くハンデ55㎏以上×(k)3走とも連対外かつ2000m戦ゼロ勝、(l)2走とも10頭立て以下の少頭数戦×(m)3走内に条件戦軽量52㎏以下で連対外×、以上の13項目クリア馬は[2-7-2-0]

「どう、このデータ。55頭をバッサリ切り捨てちゃいましたよ。『ケイバが変わる3分間の深イイ話』っすよ。それとも、『行列のできる馬券相談所』、『開運!馬券鑑定団』っすかね。派手に本を出そうっかな、重版まちがいなしっすよね」

「馬券を当ててから言ってくれよ。それに、このシャイニーブラウン生き残りデータ、同じく前走1600万出走のエオリアンハープにも該当するぞ。夏女、7~9月期[3-1-1-0]、新潟芝[3-1-0-0-]、斤量2㎏減。こっちじゃないのか」

「うるシャイニー」

「なでしこジャパンの監督といい勝負だな」

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