【アイビスサマーダッシュ・オマケの消去法】

「顔、真っ赤っかじゃないか。熱中症?」

「いやぁ、ゴルフ焼けっすよ。グアム焼けってとこっす」

 社員旅行でグアムに行ってきたというアフター競馬評論家の鬼野谷。まるで赤鬼そのものだが、震災に原発に節電…今どき社員旅行で海外なんて絶滅危惧種じゃないのか。その鬼野谷のゴルフ、ダボダボの状態で、叩きに叩いて100オーバー、連戦連敗でブービー賞、スコアも真っ赤っかだったらしい。

「でも、ジッピーチッピーよりはマシっすよ」

「なんだい、そのグッピーみたいの…グアムの熱帯魚か

「馬っす。サラブレッド」

 走っても走っても勝てない、まるでハルウララのような馬がアメリカにいた。100連敗で引退することになるジッピーチッピーという馬。その馬が86連敗中のとき、ついに矛先を対人間に向けてきた。

2000817日。直線40ヤード(37メートル)、相手は大リーグのボルティモア・オリオールズ傘下の3Aでセンターを守る俊足ホセ・ヘレーラ選手。球場に1万人近くを集めて世紀の対決?が行われた。

結果は、半馬身差でヘレーラ選手の勝ち。人にも負けたサラブレッドなんてそうはいない。「ウオーミングアップが足りなかった」と敗因を語るジッピーの調教師。ゴルフで「クラブがあわなくてね」と言い訳ばかりの鬼野谷といい勝負だ。

50メートルくらいだったら人間でも勝てるんっすね」

「今週は100メートル走に匹敵する直線1000メートル。予想はどうなんだい」

「マリリンで決まりっすよ」

「どこの女優だい? 人間は出てないぞ。まだ時差ボケしてるんじゃないだろうな」

アイアムマリリン! 5歳の牝馬ですよ」

「失敬! 夏は牝馬ってよく言われるけど…そういえば高校のときソフトボール部の女子って妙に夏になると張り切っていたよなぁ~」

「そこなんすよ。今週の重賞、空耳でアイブスサマーって聞こないっすか。ブスの夏、デブの夏っすよ」

アイビスサマーダッシュは、体重490㎏以上のデブ牝馬が活躍しているという。

当日の馬体重が490㎏以上の大型牝馬は[6-2-0-7]。このうち、(a)前走芝のレース斤量55㎏以下で6着以下あるいは前2走内に芝のレース斤量54㎏以下で10着以下は×(b)3走内に1800m以上の中長距離使用歴ある馬は×(c)斤量56㎏以上は×、以上の3項目をクリアしていた馬は[6-2-0-0]

冬2月開催になったG3シルクロードS(京都芝1200)で馬体重が490㎏以上あった馬は[0-0-0-7]、H13年494㎏のテネシーガールが3番人気9着・H21年498㎏のウエシタンダンサーが2番人気15着と人気馬も敗れており、短距離戦では、牝馬は冬場より夏場に活躍する傾向にある。

海外でも同じで、今年2月、オーストラリアの夏、直線1000mのG1ライトニングSを勝ったブラックキャヴィアという馬(デビュー9連勝の豪州130年ぶりタイ記録)も大きな牝馬だった。

「そういえば、ソフト部の女子って、冬は‘こたつにミカン’が定番でちっとも動かなかったよなぁ~。あれって、夏場に向けて脂肪を溜めてんのかね」

「そうっすよ。ソ太ブっす」 

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