片野治雄のファミリーナンバー予想

<宝塚記念展望>

2010年・春のG1シリーズもいよいよオーラス。1番人気馬が期待に応えるケースが目立ったシーズンでしたが、G1馬5頭が顔を揃える今回の宝塚記念は果たしてどのような結果となるのでしょうか? 出走メンバーから検証してみたいと思います。

  昨年は本誌7月号において宝塚記念の展望をしましたが、その時に言った「阪神2,200mの特性」が今年も重要なカギになると思っています。05年の勝ち馬スイープトウショウは強烈な決め手を持ちながらも折り合い面に不安があり、惜敗続きの競走馬でしたが、宝塚記念では抜群の手応えで4コーナーを回るとゼンノロブロイやハーツクライを完封しての圧勝劇を見せつけました。これだけの末脚を炸裂させる事ができたのは、スタートしてから1コーナーまでの距離が長い=隊列が形成されてから1コーナーを迎える事ができるので、スムーズに折り合い、ロスなく勝負所まで脚を溜められた事の証明でしょう。その証拠として同様の特性を持つ京都2,400mで施行される京都大賞典は圧勝しながらも、最初の直線が短いエリザベス女王杯では思うように能力を発揮できているとは言えない内容でした。

近年の宝塚記念でもこの特性を持つコースに合うタイプの激走が目につきます。イメージとしては「2,000mのG3・G2戦」「東京2,500mのG2戦」、そして「京都2,400mのG2戦」が当てはまるのですが、あくまでこれらは「目安」。勝ち馬全てが宝塚で好走できるとは思っていません。ただ、小倉記念で圧倒的なパフォーマンスを見せていた昨年のドリームジャーニーや、日経新春杯を5馬身差で制したシルクフェイマスなどはやはり適性が高いと判断できましたし、左右の回りこそ違えど好走馬が続出する金鯱賞はやはりコース特性の合うレースである証拠なのでしょう。

今年の出走馬で僕が注目しているのがメイショウベルーガ[3-d]とジャガーメイル[1-w]、そしてスマートギア[19]の3頭です。今年の日経新春杯を3馬身差で勝ったメイショウの適性は文句ナシですが、昨秋から使い詰めのローテとここ2走が3,000m級の長距離戦だっただけに疲労の蓄積が気になります。天皇賞馬ジャガーメイルは当該レースでの勝ち鞍こそありませんが(AR共和国杯2着)、同系にはローゼンクロイツやブルーイレブン、ヴィータローザなどの金鯱賞好走馬たちや、メイショウカイドウ・ロサードなどの小倉記念勝ち馬などローカル2,000m巧者がズラリと顔を揃えます。またスマートギアの[19]にもインティライミやサンバレンティンなど当該レースに実績ある競走馬が多くスマートギア自身、準オープン2着→京都大賞典2着という離れ業を成し遂げ当該コースに高い適性を見せました。昨年の宝塚は8着に敗れましたが、コンスタントに33秒台の上がりを使える今なら展開一つで大物喰いをしても不思議ではないと思います。

最終結論は、また明日発表したいと思います。