片野治雄のファミリーナンバー予想

<宝塚記念展望・2>

  今度は上位人気馬を血統面から検証してみたいと思います。まずブエナビスタ[16-c]ですが、同系のヒシミラクル・マンハッタンカフェなどと同様に「スタミナ勝負の我慢比べ」に強く、今回の舞台設定自体は向くと思います。ただ「前走のVマイル勝ちをどう見るか?」それが最大の焦点でしょう。施行時期こそ違いますが同じ東京1,600mのG1安田記念勝ち馬がことごとく馬券圏外になっている現状、それが気にかかります(2着馬のアベレージは高いのですが)。特にツルマルボーイやタイキブリザードなどは過去の宝塚記念での好走実績がありながらの凡走です。「彼らは高齢馬、ブエナは若いから」と言われればそれまでですが、連対を確保したのが20年前のオグリキャップまで遡ってしまうのも事実だけにブエナの評価は単穴(3番手)までとします。

近走の安定した実績と自在性ある脚質から2番人気に支持されているアーネストリー[3-n]。勝ち上がり率の高い牝系ですが、近年でG1級に上り詰めたのは08年・阪神JF2着のダノンベルベールぐらいで、むしろイメージとしてはヴァンクルタテヤマなどに代表される「G3レベルでは強い競馬をするが、G1では?」というタイプかと。アーネストリーがG1クラスに留まれるかどうかは今回のレース次第だと思います。

昨年の春秋グランプリを制覇したドリームジャーニー[8-c]。牝系的には底力に欠け、元来が馬体の小ささに悩まされるタイプだけに勢いを失いかけた今、高い評価はできません。ただ、調子の悪さを逆手にとり「直線だけの末脚勝負」で着拾いに徹されると厄介なので一応、押さえの評価をしておきます。

明日の天気・馬場状態はわかりませんが、とりあえず現状では

◎ ジャガーメイル [1-w]

○ アーネストリー [3-n]

▲ ブエナビスタ [16-c]

☆メイショウベルーガ[3-d]

△ スマートギア [19

△ イコピコ [22-d]

△ドリームジャーニー[8-c]

・・・という順位づけとしました。

今回の宝塚記念、イメージとしては2003年に近いと判断。出走馬のほとんどが2,200mを超える距離で実績を残している事からスタミナ比べになると想定し、中長距離で末脚の斬れるタイプを高めに評価しました。