2011年12月

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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

血統データ

2011年7月23日 (土)

芝1800~2000mのハンデ戦に強い Roberto 系

今週の注目は日曜日の函館記念(G3・芝2000m)。ハンデ重賞なので力通りにはなかなか決まらないレースです。

函館記念と条件が近い“芝1800~2000mのハンデ戦”という条件で、どの種牡馬が好成績を挙げているのか、「TARGET frontier JV」で調べてみました。05年以降、最少レース機会数は20、という設定です。

               連対率   単勝回収率
1位 タニノギムレット   34.8%  165%
2位 シンボリクリスエス  21.7%  106%
3位 マーベラスサンデー  21.4%  112%
4位 アドマイヤベガ    20.5%   95%
5位 スペシャルウィーク  20.2%  212%
6位 グラスワンダー    20.0%  112%
7位 チーフベアハート   20.0%   62%
8位 パラダイスクリーク  19.6%  270%
9位 ペンタイア      19.4%  131%
10位 ジェネラス      17.9%  109%

見てのとおりタニノギムレットが断然。この種の統計は、特定の馬が繰り返し活躍することがあるため、サンプルが少ないと正確な傾向が出てきません。タニノギムレット産駒は46走してこの成績ですから素晴らしいとしか言いようがないですね。

かつてサンデーサイレンス産駒はハンデ戦で振るいませんでした。実力以上の評価をされて重い斤量を背負わされるから……なのかもしれません。これと似ているのがアグネスタキオン産駒。ハンデ戦ではやや評価を下げたい種牡馬です。

1位のタニノギムレットは Roberto 系ですが、よく見ると、2位シンボリクリスエス、6位グラスワンダーも同系です。種牡馬ランキングではサンデーサイレンス系に歯が立たない Roberto 系が、こと芝中距離のハンデ戦に限れば躍動しています。

Roberto は現役時代、鮮やかに勝って鮮やかに負けるというタイプで、ハマれば圧倒的に強いものの、そうでない場合はからっきし、というムラ馬でした。そうした特徴は多かれ少なかれ子孫に伝わっているでしょう。大敗後、ハンデが軽くなったところで大駆けする、というパターンが決まりやすいのかもしれません。

函館記念に出走するタニノギムレット産駒はダイワジャンヌ1頭。ただし、同馬はハンデ戦に過去6回出走し、一度も掲示板に載っていません。この馬自身はハンデ戦に向いたタイプではないようです。

2011年5月 7日 (土)

東京芝1600mに強い種牡馬

ダノンシャンティが勝った昨年のNHKマイルC(G1・芝1600m)は1分31秒4のレコードでした。道中のラップは以下のとおり。

12.1-10.4-10.9-11.4-11.5-11.5-11.6-12.0

ペースに緩みがなく、またラストまでほとんど落ちることなく、ハイペースのままゴールになだれ込みました。馬に負荷が掛かりづらい高速馬場なので、少々ハイペースで行ってもバテないのでしょう。

マイル戦では瞬発力が大事、とは昔から聞き慣れた文句です。しかし、馬場コンディションが良くなると、必然的に道中の平均ラップが上がり、短距離戦のような緩みのない競馬になっていきます。その究極のレースが昨年のNHKマイルCです。起伏の少ない高速ラップが平均的に刻まれるわけですから、ここで問われるのは瞬発力ではなくスピードの持続力です。馬場が改修された03年以降、東京芝1600mで30走以上した種牡馬を連対率順に並べると、以下のようになります。

1位 シンボリクリスエス   30.8%
2位 キングカメハメハ    28.3%
3位 サンデーサイレンス   22.2%
4位 フジキセキ       22.0%
5位 ゴールドアリュール   21.9%

スーパーサイアーのサンデーサイレンスは別として、残りの4頭はいずれもダートにも高い適性を見せている種牡馬です。1位シンボリクリスエスはサクセスブロッケンの父で、「Roberto 系×Seattle Slew 系」という典型的な持続力タイプの種牡馬。2位キングカメハメハも芝・ダート兼用タイプです。4位フジキセキは連対率ベースで見ると芝よりもダートが上回っており、ダート王カネヒキリの父としても知られています。5位ゴールドアリュールはエスポワールシチー、スマートファルコン、オーロマイスターの父で、最近はダート種牡馬のイメージしかありません。

高速化しているのにダートOKの種牡馬が台頭しているのは矛盾するじゃないか、と思われるかもしれませんが、前述のとおり高速化したマイル戦は速いラップが平均的に刻まれ、瞬発力よりも持続力がモノをいいます。芝・ダート兼用型の種牡馬は総じて持続力に秀でています。高速馬場のマイル戦でシンボリクリスエスやキングカメハメハの子が強いのはこうした理由です。

ディープインパクトは完全に芝向きの種牡馬です。サンデー系らしい伸びやかな瞬発力が持ち味なので、長い直線は歓迎ではあるものの、高速ラップが平均的に刻まれるマイル戦は向いていないような気もします。対応するには母方の血のサポートが必要ですね。本質的にはもう少し長い距離で緩急のある競馬が合っているでしょう。

2011年4月 9日 (土)

春の雨は穴馬券の宝庫

春は雨が降りやすいので道悪を得意とする種牡馬の出番です。昨年も雨が降るたびにオペラハウス祭りやキングカメハメハ祭りといった現象が起きました。じっさい、この2頭は渋った馬場を得意としています。馬場状態別の連対率は以下のとおり。

          良・稍重   重・不良
オペラハウス    15.9%  21.7%
キングカメハメハ  20.5%  22.5%

どちらも馬場が悪化するにしたがって連対率が上昇します。とくにオペラハウスの伸び率は素晴らしいですね。

金曜日のお昼ごろから土曜日にかけて、阪神地方にはしっかりと雨が降りました。土曜日は道悪確実でしょう。阪神芝にオペラハウス産駒が出走しているかどうかチェックしてみると、第10Rの大阪-ハンブルクC(OP・芝2500m)にブラストダッシュが出ていました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005100139/

この馬は500万下を勝ち上がったときに、不良馬場で後続を6馬身引き離しました。道悪は鬼です。問題はこのメンバー相手に能力が通用するかどうか。ハンデ戦ですから勝ち負けになってもおかしくないと思います。

日曜日の午後、桜花賞のころには馬場コンディションもだいぶ回復しているでしょう。ただし、パンパンの良馬場は望めません。ヨーロッパ由来の重厚なスタミナや、アメリカ由来のパワーを備えた馬は人気薄でも怖いですね。

2011年3月26日 (土)

今週は阪神芝1800mで3つの3歳重賞

皐月賞を見据えたふたつの重賞が、同一週に同コースで行われるというのは記憶にありません。土曜阪神11RのスプリングS(芝1800m)は、G2の馬齢重量戦で、3着以内に皐月賞出走権が与えられます。日曜阪神12Rの毎日杯(芝1800m)は、G3の別定戦。

競馬場と距離が同じといっても、それ以外の条件を考えると実績馬はスプリングSに出てくるでしょう。毎日杯を選ぶと、場合によっては負担重量が増え、得られる賞金が減り、本番の優先出走権もありません(2着までに入ればだいたい出られますが)。

ただ、だからといって、スプリングS組のほうが皐月賞で好走するかといえば、そうは限らないと思います。この時期の3歳馬は1戦ごとに力量の変動がありますし、今年の皐月賞は東京競馬場で行われますから、左回りで順当に能力を発揮できるかどうかはわかりません。

一方、桜花賞を見据えたフラワーC(G3・芝1800m)は、中山から阪神に場所を移したことで、桜花賞と条件が近くなりました。ここをステップに本番に挑んだ馬は例年よりも信頼できるでしょう。といってもレーヴディソールの牙城を崩すのは並大抵ではありませんが……。

阪神芝1800mの種牡馬別連対率を、06年12月の馬場改修後の成績から並べてみます(最少レース機会数=10)。

1位 ハーツクライ    50.0%
2位 ディープインパクト 27.3%
3位 ロージズインメイ  25.0%
4位 ゼンノロブロイ   23.5%
5位 マンハッタンカフェ 22.4%
6位 ステイゴールド   22.1%
7位 グラスワンダー   21.7%
8位 キングカメハメハ  21.6%
9位 フレンチデピュティ 21.6%
10位 フジキセキ     21.3%

以上、ご参考までに。

2011年3月19日 (土)

芝1200mの王者サクラバクシンオー

「TARGET frontier JV」はデータを調べるのに最強のツールでしょう。いじっているといくら時間があっても足りません。自分なりの切り口で自由に条件を設定できるのがいいですね。ごく単純なものでは「距離別の種牡馬ランキング」。これは距離適性の面から種牡馬のキャラクターをあぶりだすことができます。

たとえば芝1200m。

昨年の種牡馬別の賞金シェアは以下のとおりです。

1位 サクラバクシンオー    13.9%
2位 キングカメハメハ      3.1%
3位 クロフネ          2.9%
4位 フジキセキ         2.9%
5位 スウェプトオーヴァーボード 2.8%

次は勝利数。

1位 サクラバクシンオー     53勝
2位 キングカメハメハ      18勝
3位 スウェプトオーヴァーボード 16勝
4位 ファルブラヴ        12勝
5位 クロフネ          11勝

予想どおりではありますが、いずれもサクラバクシンオーが断然トップ。この分野を尋常でない割合で完全に支配しています。他のどの距離を調べてみてもこのような独占は見られません。サンデーサイレンス系はこの分野ではイマイチですね。

土曜日のファルコンS(G3・阪神芝1200m)。ここには2頭のサクラバクシンオー産駒が出走してきました。勝てば同産駒は平地重賞30勝目となります。

2011年1月28日 (金)

トウショウボーイ系最後の競走馬

川崎記念の前日、川崎10Rガーネットフラワー賞を、牡3歳のスベスベヨークン(父マイネルスマイル)が勝ちました。2歳時はホッカイドウ競馬で走り、今年から川崎で出走。これが12戦目にして初めての勝利です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101195/

父マイネルスマイル、という種牡馬はまったく耳馴染みがありません。サクラロータリー産駒で、現役時代はJRAで4勝(うち障害1勝)。この成績でよく種牡馬になれたなぁと思い、JBISのデータベースで調べてみたところ、99年以降、毎年律儀に1頭ずつ種付けをしています。相手はすべてマイネポラリスという牝馬。つまり、マイネルスマイルはマイネポラリス以外の牝馬を知りません。スベスベヨークンもその交配によって生まれた1頭です。

マイネポラリス(f.1992.ダイナオリンピア)
  ピーチヨークン(c.2000.マイネルスマイル)
  ニコニコヨークン(c.2002.マイネルスマイル)
  ウキウキヨークン(c.2003.マイネルスマイル)
  ワクワクヨークン(c.2004.マイネルスマイル)
  ドキドキヨークン(c.2005.マイネルスマイル)
  プニプニヨークン(c.2007.マイネルスマイル)
  スベスベヨークン(c.2008.マイネルスマイル)
  名前未定(c.2009.マイネルスマイル)

圧巻です……。感動しました。初期の擬態語は心の様子を表すものでしたが、最近は質感を表すものに変化してきているので、09年の産駒もその方向でしょうか? 牡馬ばかり連続して生まれているのもユニークです。

馬主の鍵谷篤宏さんは、父マイネルスマイル、母マイネポラリスの一口出資者だったそうです。それらを引き取って子を作り、地方競馬で走らせているようです。持ち馬はこの両馬から誕生した産駒のみ。世の中にこんな方がいらっしゃるとは……と感心します。

マイネルスマイルはサクラロータリー産駒。その父はトウショウボーイ。鍵谷さんの保護によってマイネルスマイルが種牡馬生活を続けているうちに、ほかのトウショウボーイ系はほとんど断絶してしまいました。

トウショウボーイ産駒で重賞を2勝したセキテイリュウオーは、産駒のスピードリュウオー(セン7歳)、タツノクイン(牝5歳)、ファンシーベル(牝4歳)、ハートオブハート(牝3歳)がまだ現役ですが、すでに種牡馬生活を引退しており、09年生まれの2歳馬はいません。現在は荒木克己育成牧場(新ひだか町)で余生を送っています。

マイネルスマイルは09年生まれの2歳馬が1頭います。名前はまだ決まっていませんが、おそらくこれがトウショウボーイ系の最後の競走馬だと思います。09年は種付けしたものの受胎しなかったようで、10年は種付けを行っていない模様です。

2011年1月 4日 (火)

2010年の米リーディングサイアーは Giant's Causeway

『BloodHorse.com』の報道によると、2010年の米リーディングサイアーは Giant's Causeway(父 Storm Cat)で確定しました。Equineline 社の集計(対象は北米繋養の種牡馬で、集計範囲は北米に加えてヨーロッパ主要国、UAEを含む)によるものです。Giant's Causeway は2年連続の栄冠。
http://www.bloodhorse.com/horse-racing/thoroughbred-breeding/sire-lists/general

1位 Giant's Causeway(1997年生・by Storm Cat)     $8,806,163
           http://www.pedigreequery.com/giants+causeway
2位 Distorted Humor(1993年生・by フォーティナイナー)$8,719,841
           http://www.pedigreequery.com/distorted+humor
3位 Malibu Moon(1997年生・by A.P.Indy)       $8,558,872
           http://www.pedigreequery.com/malibu+moon
4位 Maria's Mon(1993年生・by Wavering Monarch)   $8,233,602
           http://www.pedigreequery.com/marias+mon
5位 Smart Strike(1992年生・by Mr.Prospector)    $8,067,233
           http://www.pedigreequery.com/smart+strike
6位 More Than Ready(1997年生・by Southern Halo)   $7,303,709
           http://www.pedigreequery.com/more+than+ready
7位 Elusive Quality(1993年生・by Gone West)     $7,172,267
           http://www.pedigreequery.com/elusive+quality
8位 Tale of the Cat(1994年生・by Storm Cat)     $6,959,865
           http://www.pedigreequery.com/tale+of+the+cat
9位 Lion Heart(2001年生・by Tale of the Cat)    $6,955,390
           http://www.pedigreequery.com/lion+heart2
10位 Speightstown(1998年生・by Gone West)      $6,791,937
           http://www.pedigreequery.com/speightstown

ベスト10の常連でリーディングサイアーの経験もある A.P.Indy が26位に急降下し、08、09年と好成績だった Tiznow も22位に落ちました。昨年は目覚ましい活躍をした種牡馬が見当たらず、上位拮抗の団子レースといった様相で、06年以来4年ぶりにリーディングサイアーの獲得賞金が1000万ドルの大台を割り込みました。1位 Giant's Causeway、2位 Distorted Humor、という順位は昨年と同じです。

Giant's Causeway については昨年11月18日のエントリー「Northern Dancer 没後20年(3)」で以下のように記しました。

「Storm Cat 系を背負って立つエースが Giant's Causeway であるのは衆目の一致するところでしょう。現役時代はアイルランドのエイダン・オブライエン厩舎に所属し、わずか2ヵ月半の間にG1を5連勝(セントジェームズパレスS→エクリプスS→サセックスS→英インターナショナルS→愛チャンピオンS)。“鉄の馬(アイアン・ホース)”の異名を取りました。種牡馬としてはヨーロッパと北米の双方でトップクラスの産駒を送り出しています。まだ13歳ですから少なくともあと数年は第一線で頑張れるでしょう。」

「Storm Cat は、パワーと仕上がりの早さは超一流ですが、日本の軽い芝にフィットするようなしなやかさと瞬発力を欠き、気ムラで信頼性が乏しいという欠点があります。早い話が日本向きの血とはいえません。サンデーサイレンスとの相性もイマイチでした(息子のスペシャルウィークやマンハッタンカフェとは相性良好)。

ただ、 Giant's Causeway はそのあたりのアクの強さが緩和されており、日本で走ったスズカコーズウェイとエイシンアポロンは芝の重賞を勝ちました。Storm Cat 系は今後、Giant's Causeway を通じて発展していくものと思われます。」
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/northern-danc-2.html

昨年は、クラシック直前に無念のリタイアとなった Eskendereya が稼ぎ頭でした。同馬はすでに引退し、今年から種付けを開始します。昨年4月29日のエントリー「ケンタッキーダービー大本命馬 Eskendereya が出走回避」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/04/eskendereya-421.html

2011年1月 3日 (月)

「母の父サンデーサイレンス」で成功する種牡馬

昨年3月19日のエントリー「母の父にサンデーサイレンスを持つと」で、主だった非サンデー種牡馬の、サンデー牝馬との相性を検証しました。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/03/post-f831.html

それから10ヵ月、2010年の競馬が終了し、ちょうどいい機会なので最新のデータを掲載したいと思います。母の父にサンデーサイレンスを持つ場合、持たない場合に比べて1走あたりの獲得賞金額がどれくらい上昇するか、という比較です。

          母の父SS以外 母の父SS   上昇率
ジャングルポケット  154万円  340万円  221%
キングカメハメハ   179万円  271万円  151%
サクラバクシンオー  164万円  224万円  137%
タニノギムレット   161万円  220万円  137%
クロフネ       147万円  200万円  136%
フレンチデピュティ  170万円  218万円  128%
シンボリクリスエス  158万円  156万円   99%
              ※金額は1走あたりの獲得賞金額

母の父にサンデーサイレンスを持つ場合と、持たない場合の差が最も大きかったのはジャングルポケット。昨年3月時点でも最も差が大きかったのですが、上昇率は「201%」から「221%」へとさらに大きくなりました。ジャガーメイルやアプリコットフィズの活躍が寄与しました。

「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」は、母の父がサンデーではないジャングルポケット産駒に比べて2.21倍も賞金を稼ぐというわけです。

1走あたりの獲得賞金額「340万円」は凄いですね。ちなみに、サンデーサイレンス産駒は「333万円」なので、それよりも稼いでいることになります。「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」はサンデーサイレンス産駒よりも1走あたりの稼ぎが大きく、しかもセリの値段は手頃。ニックスといえるでしょう。

「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」は、ジャングルポケットほどではありませんが上昇率が高いですね。ローズキングダム、トゥザグローリーが牽引しました。じつは初年度の「キンカメ×SS」は期待ほど走らず、この組み合わせに懐疑的だった時期もあったのですが、ここにきてグングン成績が上がってきています。3歳にもベルシャザール(ホープフルS)という楽しいな馬が出てきました。

「サクラバクシンオー×サンデーサイレンス」はグランプリボス(朝日杯フューチュリティS)が代表格。芝新馬戦に抜群に強く(連対率48.6%!)、距離の融通性があります。

表に掲げた7頭のなかで異彩を放っているのはシンボリクリスエス。なんと、母の父にサンデーサイレンスを持つ馬は、持たない馬に比べて成績が落ちます。ブルードメアサイアーとして傑出した能力を持つサンデーサイレンスは、父シンボリクリスエスとの組み合わせでサクセスブロッケンを出したものの、全体的にはあまりうまくいっていません。

2010年12月12日 (日)

中日新聞杯はトゥザグローリー

向正面でペースが落ちたときにスッと位置取りを上げたデムーロ騎手が上手かったですね。ラスト3ハロンのラップが11秒5-11秒3-11秒1という上がりの勝負。スローで逃げた△コスモファントム(6番人気)が2着に粘り、◎トゥザグローリー(1番人気)が上がり33秒6で完勝しました。先週の鳴尾記念に続き3歳馬が1~3着を独占。キングカメハメハ産駒はジャパンCのローズキングダム、鳴尾記念のルーラーシップに続き3週連続重賞制覇です。
http://www.youtube.com/watch?v=SE2t6qURAyU

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は◎△で馬単2600円、◎△○で3連単14000円的中。予想文を転載します。

「◎トゥザグリーリーは「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」という組み合わせ。母トゥザヴィクトリーはエリザベス女王杯(G1)を勝ち、ドバイワールドC(G1)でも2着となった名牝。スケールの大きさを感じさせる血統で、来年はG1戦線の常連となるはず。2000mならこのメンバー相手でも力は上。本質的に小回り向きではないが能力の高さでねじ伏せるだろう。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103265/

トゥザグローリーの良さは、勝負どころで手が動いても、直線でしっかりとした伸びを見せるところ。4コーナーで好位に付けていれば安心して見ていられます。

「本質的に小回り向きではないが」という部分は、芝コースにおける「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」の全般的な性質です。「キンカメ×サンデー」の芝連対率は22.4%と、「キンカメ×非サンデー」の20.5%を上回っているのですが、小倉、中京、札幌という小回りのローカルコースでは逆に数値が下がります。小倉では「キンカメ×非サンデー」が21.9%であるのに対し、「キンカメ×サンデー」は12.9%しかありません。この配合は、母の父サンデーから受け継いだと思われる確かな末脚が武器ですから、基本的に直線の長いコースで伸び伸びと走るのが合っています。

そうしたデータは承知の上で、あえてトゥザグローリーに◎を打ったのは、この馬の素質の高さが一枚抜けていると考えたから。過剰と思えるほど代々 Hyperion を入れてきた牝系なので、成長力に関しては太鼓判を押せます。予想文に記したとおり、来年はG1戦線の常連となるでしょう。

2010年12月 4日 (土)

2歳戦の芝→ダート替わりは宝の山!

11月に東京競馬場で開催された「オープン型レーシングセミナー」。私は4つのテーマについてそれぞれ20分ほど講演したのですが、そのうちのひとつ、「2歳戦の芝→ダート替わりは宝の山!」は師走競馬を念頭に置いたものでした。

シーズン開始当初の2歳戦は芝のレースがほとんどです。6月から9月までは芝とダートはおよそ“4対1”ぐらいの割合。それが10、11月になると“2対1”となり、12月は“1対1”。年末が近づくにつれてダートの割合が増えていきます。したがって、必然的に“芝を使ってきた馬がダートに転じるケース”が増えます。ここが馬券の買いどころ。初ダートは如実に適性が表れるので、芝の凡走から一変するシーンがしばしば見られるからです。

ダート適性を決定する最大の要素は血統。前出のセミナーではゴールドアリュール、クロフネ、アグネスタキオンの3頭を推奨しました。「2歳戦の芝→ダート替わり」という条件に3頭の種牡馬の子が出てきた場合、単勝回収率、複勝回収率の双方で、回収率はいずれも100%を超えます。より精度を高める絞り込みについてもお話ししたのですが、長くなるのでここでは割愛します。

土曜日のレースにこの条件に合致する馬が出走しています。中山2R・2歳未勝利戦(ダ1800m)のアイティクイーン。東京芝1400mの新馬戦で6着と敗れたあと、2戦目に選んだのがこのレースです。
http://db.netkeiba.com/horse/2008105654/

ゴールドアリュール産駒は、2歳のダート替わり1800m戦で連対率37.5%、単勝回収率241%、複勝回収率147%。中山コースに限ると連対率50.0%、単勝回収率410%、複勝回収率220%。この条件は最も得意とするところです。鞍上が横山典弘騎手にスイッチして勝負気配も伝わってきます。

期待値の高いところに賭け続けてプラスを狙うというやり方は、馬を相手にするというよりも、むしろ確率を相手にするものです。魚がいないところにむやみに網を打っても空振りするばかり。魚がやってくるポイントにあらかじめ定置網を張っておき、粘り強く待ち続け、魚影を感じたら引き揚げるというのがこのやり方です。むろん、馬券において百発百中などありえません。アイティクイーンが来るという保証もどこにもありません。長い目で見てプラスになればいいという期待値を根拠とした賭け方です。馬券はあくまでも自己責任でお願いします。

2010年11月20日 (土)

東京スポーツ杯2歳Sの展望……ではないですが

ここ5年間にメイショウサムソン、ナカヤマフェスタ、ローズキングダムといった大物が連対しているように、素質重視で買いたいレース。器を見抜く眼が問われますね。キャリアよりも素質優先ですから、新馬戦を勝ったばかりの馬でも即連対できます。

予想めいたことを書くと有料予想を出したところに迷惑が掛かるので、血統を見て気がついたことを2つほど。

■トーセンケイトゥー、リフトザウイングスという有力馬2頭を送り出すハーツクライは、秋口までの快進撃がウソのように、1ヵ月以上も勝ち星に見放されています(現在27連敗)。この急ブレーキは予想できませんでした。

10月7日のエントリー「ハーツクライとサンデーを比べてみると」のなかで、「ディープインパクトの子に比べて頭数が3分の2程度なので、この先、数の上では抜かれる可能性があるものの、アベレージでは優位を保つのではないでしょうか」と記しました。いまや数だけでなく、かつては上回っていた勝率、連対率、複勝率においてもディープインパクトに後れをとっています(それでもなお優秀な数字ではありますが)。

おもしろいのはいまだに左回りの芝で勝ち星がないこと。直線コースを除いた新潟では4戦未勝利。東京では10戦未勝利。2着も1回だけです。

土曜東京4R(芝1600m)には、某POGで指名したダノンハローが出走します。新馬戦で2着したときはすぐにでも勝ち上がれると思ったのですが、その後は9着、5着。今回は目先を変えて関東に遠征してきて、鞍上もスミヨン騎手にスイッチ。全体で27連敗中、左回りで14連敗中ですが、確率的にそろそろ勝ってもいいような……。

■フェイトフルウォーは「ステイゴールド×メジロマックイーン」。この組み合わせは過去にドリームジャーニーを含めて4頭がデビューし、すべて新馬戦を勝ち上がっています。

ステイゴールド産駒は晩成の傾向が見られ、新馬戦ではむしろ買いづらいタイプ。それで初戦からこれだけ走るのですからニックスといえます。

過去、新馬戦に出走した「母の父メジロマックイーン」は62頭おり、そのうち勝ち上がったのは5頭しかいないのですが、うち4頭がステイゴールド産駒。この組み合わせの優秀さが分かります。

この4頭にはもうひとつ、“2代母の父が Northern Dancer の息子”という共通点があります(つまり Northern Dancer 5×4)。父がメジロマックイーンで母の父が Northern Dancer の息子、という配合の繁殖牝馬がいたら、とりあえずステイゴールドを付けておけば走りそうな気がします。

2010年10月26日 (火)

ディープインパクト産駒、土日で4勝(1)

10月22日のエントリー(ディープインパクト産駒、今週10頭出走)に記したように、今週はうまくいけば3~4頭は勝てそうな情勢でした。期待どおりしっかり勝てるというのはいいですね。

土曜日
 東京2R 未勝利戦  芝1400m フジハヤブサ    9着
 東京4R 新馬戦   芝1800m エアジョイント   5着
 東京9R いちょうS 芝1600m ヒラボクインパクト 取消
 京都3R 未勝利戦  芝2000m スマートロビン   2着
 京都5R 新馬戦   芝1600m ドナウブルー    1着

日曜日
 東京2R 未勝利戦  芝1600m ナイスアゲイン   3着
 東京3R 未勝利戦  芝2000m サトノペガサス   1着
 東京5R 新馬戦   芝1400m リアルインパクト  1着
 京都5R 新馬戦   芝1800m ダノンバラード   1着
 京都5R 新馬戦   芝1800m フェアープライド  7着

夏ごろは明らかに期待先行で、7月から8月にかけてちょっと苦しい時期もありました。しかし、秋風が吹いたあたりからエンジンが掛かり、10月に入ってさらに加速しています。10月の成績は〔8・4・2・9〕。勝率34.8%、連対率52.2%、複勝率60.9%です。

夏のローカル短距離戦に向いたタイプではない、ということは常々言ってきたことですが、それよりも単純に、ここにきて期待馬が続々とデビューを迎えているということでしょう。1年で最もレベルが高いこの時期の新馬戦を、ディープインパクト産駒がどんどん勝ち上がっているわけですから、今後の重賞戦線は同産駒が中心となって展開していきそうな予感がします。もちろん、一方の雄ハーツクライも大物を揃えているので、これから来年春にかけて両産駒の大決戦となりそうですね。楽しみです。

初年度のサンデーサイレンス(94年)は、まったく同時期に18勝ですから、現在18勝のディープインパクトはこれにぴったり並びます。産駒数はディープのほうが多いので、サンデーサイレンスが記録した初年度産駒の勝利数記録「30勝」は、高い確率で更新できるのではないかと思います。

明日は勝ち上がった馬の血統を解説します。(続く)

2010年10月23日 (土)

京都芝1600mのキングカメハメハ

馬券検討に「TARGET frontier JV」を利用される方は多いのではないでしょうか? “血統”というファクターからさまざまな切り口を見つけるのは楽しいものです。

たとえば、土曜日の京都9R三年坂特別(芝1600m)。

上位人気に推されるであろうカネトシディオスの父はキングカメハメハですが、TARGETで調べてみると、同種牡馬が京都芝1600mであまり走っていないことが分かります。

京都芝コースにおけるキングカメハメハ産駒の距離別連対率を並べてみましょう。

芝1200 20.0%
芝1400 26.9%
芝1600  9.5%
芝1800 22.4%
芝2000 20.8%
芝2200 37.5%
芝2400 11.1%

サンプル数が少ない芝2400mを除けば、おおむね20%を超えているのですが、芝1600mだけが抉られた谷間のようにガクンと成績を落としています。これを見てしまうとカネトシディオスの評価を控えめにしたくなります。

しかし、ちょっと待った!

事はそう単純ではありません。周知のとおり、京都の芝コースには“内回り”と“外回り”があります。同距離のレースであっても内回りで行われたり外回りで行われたりするのですからややこしいですね。これらは別コースですからちゃんと区別しなければなりません。

“内回り芝1600m”は、2、3歳限定の新馬、未勝利、500万クラスで使用されます。“外回り芝1600m”は、それ以外の条件で使用され、上級条件や重賞はすべてこちらで行われます。

項目集計を「距離」にして解析すると、内回りと外回りが合算されてしまうので正確な数字は出てきません。両者をそれぞれ表示するには「コース」を選択する必要があります。すると、以下のような数字が出てきます。

芝1600内  6.8%
芝1600外 20.0%

外回りコースでは他の距離と同程度の成績を残しているのですが、内回りコースでは惨憺たる有様です。59戦して4連対ですから酷いですね。

芝1200、1400、2000mなど、他の内回りコースでは普通に走っているので、両者の成績の差を直線の長さに求めるのは危険です。なんだか分からないけど走らない、と現状では結論づけるしかありません。

三年坂特別は外回りで行われるので、カネトシディオスをコース適性の観点から評価下げするのは間違い、ということです。同じケースは新潟芝2000mでも発生します。この2つのコースは適性を調べる際に注意が必要です。

2010年10月 9日 (土)

得意条件のペルーサ

レースを見ていて、特定の血統が“最近よく来るなぁ”と気付くことは大事ではないかと思います。たとえば、この秋なら芝におけるゼンノロブロイ産駒。

同産駒は基本的に忙しい競馬に向いていないため、芝1200mでは用なしです。能力の高い2歳馬がこの距離に出走してきたとき以外は買えません。馬券で狙える対象は芝1400m以上です。

9月に入ってから、芝1400~1800mに出走したゼンノロブロイ産駒は19戦10連対。率に直すと52.5%。そのなかにはアニメイトバイオが勝ったローズS(G2・芝1800m)も含まれています。このレンジでは来まくってますね。8月3日のエントリー(夏は買えないゼンノロブロイ産駒)で「ゼンノロブロイ産駒は秋競馬が始まってからが買いです」と記しましたが、そのとおりの事態となっています。

この流れで注目されるのは毎日王冠に出走するペルーサ(父ゼンノロブロイ)。今回は芝1800mですから上記の条件に当てはまります。過去、このレースで連対した3歳馬は、ニッポーテイオー、オグリキャップ、エルコンドルパサーと歴史的名馬ばかり。ただ、この馬も相当な器ではないかと思うので、家賃が高いということはないでしょう。

問題は雨。予報によると土曜から日曜にかけてしっかり降るようです。毎日王冠が東京芝1800mで行われるようになってから、重~不良だったことは2回(85年、95年)あります。85年は7頭立ての5番人気ゴールドウェイが勝ち、95年は14頭立ての10番人気スガノオージが勝ちました。いずれも波瀾の決着となっています。降水量によっては思い切った穴狙いがいいのかもしれません。

なお、毎日王冠当日の東京競馬場では、翌日に行われる盛岡の南部杯(G1・ダ1600m)の前売り馬券が発売されます。BCクラシック(米G1・ダ10f)に出走を予定しているエスポワールシチーの壮行レースでもありますね。発売場所はフジビュースタンド1階・101投票所(府中本町と通じる西門寄りのところ)。最終レース終了後はかなり混むのでご注意を。

2010年10月 8日 (金)

ハーツクライとサンデーを比べてみると

先週のハーツクライ産駒は5頭出走して〔3・1・0・1〕。勝った馬は9、4、6番人気でした。人気薄でも平気で勝ってしまいます。いったい何なのでしょうね、これは。

札幌芝1500mの未勝利戦を勝ったインダクティ(9番人気)は、4コーナー手前で最後方の位置取り。それが直線で大外に持ち出すと、1頭だけ違う脚いろで差し切ってしまいました。周知のとおりこのコースは逃げ馬天国で先に行った馬が圧倒的に有利。こういう勝ち方はあまり記憶にありません。

9月の中山・阪神開催が終了した時点で13勝。とうとうディープインパクト(11勝)を抜いて新種牡馬の勝ち星ランキングでトップに立ちました。もちろん、ディープインパクトも素晴らしく優秀な成績で、新種牡馬としては過去最高レベルです(同時期の勝率、連対率、複勝率を比較すると05年のアグネスタキオンよりも上)。しかし、ハーツクライはさらにその上を行きます。

過去の新種牡馬で、ハーツクライと比較対象となるのは、もはやその父サンデーサイレンスのみ。9月の中山・阪神開催が終了した時点の成績を比べてみます(サンデーの成績は94年のもの)。

★サンデーサイレンス〔15・6・6・9〕(全36走)
  勝 率 41.7%
  連対率 58.3%
  複勝率 75.1%

★ハーツクライ〔13・8・3・12〕(全36走)
  勝 率 36.1%
  連対率 58.3%
  複勝率 66.7%

勝率と複勝率では負けているものの、連対率では並んでいます。サンデーサイレンスの初年度成績は空前絶後といっていいので、それに僅差で食い下がることがいかに凄いことかお分かりいただけると思います。サンデーサイレンスが種牡馬デビューしたころは、ライバルとなるサンデー系は存在しませんでした。当時よりもはるかに競争が激しい現在、これだけの成績を挙げているわけですから、能力は父とほとんど変わらないかそれ以上の可能性も考えられます。

サンデーサイレンス産駒がデビューした当時に感じたのは、ゴール前の迫力と強さです。まるで獰猛な肉食獣のように、前に馬がいるとダイナミックなフットワークで襲いかかって抜いてしまうので、これはケタが違うと舌を巻いたものです。ハーツクライ産駒を見ているとその姿がオーバーラップしますね。ゴール前の迫力がほかの馬とは違います。

「サンデーサイレンス×トニービン」ですから、東京や京都開催が苦手ということはないでしょう。ディープインパクトの子に比べて頭数が3分の2程度なので、この先、数の上では抜かれる可能性があるものの、アベレージでは優位を保つのではないでしょうか。

2010年9月18日 (土)

中山芝2200mで買える血、買えない血

長年馬券を買っている方ならお分かりだと思いますが、中山芝2200mはスタミナが必要です。中山コースではマイラーが芝2000mをカバーできても、芝2200mとなると苦しいですね。ちょうど東京芝2400mと芝2500mのようなもので、距離はたいして違わないけれど必要とされるスタミナには明確な違いがあります。

私が最初に中山芝2200m向きの血統として意識したのは Herbager でした。これはフランスのステイヤー血統で、かの地でリーディングサイアーとなり、のちにアメリカへ渡ってからも成功しました。

日本には70年代にシーホーク、コインドシルバーといった種牡馬が輸入されました。とくにシーホークは優秀で、日本ダービーを勝ったウイナーズサークルとアイネスフウジンのほか、天皇賞・春を勝ったモンテプリンスとモンテファストの兄弟など、多くの活躍馬を送り出しました。

これらの子は中山芝2200mの重賞でよく活躍しました。

80年 セントライト記念① モンテプリンス(父シーホーク)
83年 オールカマー②   ビンゴカンタ(父コインドシルバー)
86年 アメリカJCC①  スダホーク(父シーホーク)
    オールカマー①   ジュサブロー(父シーホーク)
       〃   ③   テツノカチドキ(父コインドシルバー)
    セントライト記念② アサヒエンペラー(父コインドシルバー)
88年 アメリカJCC②  キタノイチジョー(父シーホーク)

Herbager 系はスタミナ抜群です。その一方で瞬発力はイマイチ。もしモンテプリンスに切れ味があればダービーをはじめいくつもの大レースをモノにしていたでしょう。アサヒエンペラーなどもジリ脚でしたね。

中山芝2200mを得意とするのはこういう血です。切れ味よりも粘り合いのタフなレースに強いタイプです。

今年のセントライト記念に出走馬を送り込んだ父馬の、中山芝2200mの連対率を並べてみます。

Galileo       66.7%
キングカメハメハ  26.3%
マンハッタンカフェ 24.2%
シンボリクリスエス 25.0%
グラスワンダー   19.2%
サッカーボーイ   17.6%
ダンスインザダーク 14.6%
フレンチデピュティ 14.3%
アグネスタキオン  14.0%
ゼンノロブロイ   出走歴なし

トップの Galileo は出走歴が3回(2連対)しかないのでサンプル不足。ただ、得意としていることは確かでしょう。その下のキングカメハメハ、マンハッタンカフェ、シンボリクリスエスは胸を張れる成績です。グラスワンダーとサッカーボーイはまずまず。ダンスインザダーク、フレンチデピュティ、アグネスタキオンはイマイチです。とくにアグネスタキオンは全体の連対率が高い種牡馬なので落ち込みが目立ちます。

中山のスタミナ戦では、Sadler's Wells、Roberto、Ribot 系といった血が頼りになるので、それらを持った馬を重く見たいところです。前述の Galileo も Sadler's Wells 系です。

2010年8月 4日 (水)

夏のローカルはサクラバクシンオーとジャングルポケット

昨日のエントリーでは、主要種牡馬の“中央開催”と“ローカル”における連対率をご紹介しました。

種牡馬ランキング上位10頭中8頭は、中央開催の連対率がローカルを上回っています。中央開催のほうがローカルよりも高額賞金レースが多く組まれているので、「中央開催に強い」というセールスポイントは収得賞金の多さに直結します。

例外はサクラバクシンオーとジャングルポケット。

サクラバクシンオーは7、8月の連対率が20%を超えています。この2ヵ月間は単勝回収率107%。すでに13世代がデビューを果たし、出走回数が1000回を超えているにもかかわらず、依然としてプラスをキープしているのですから凄いですね。この条件でいかに強いかが分かります。

先週日曜日も、新潟メインのNST賞(OP・ダ1200m)をアウトクラトール(1番人気)が勝ち、小倉11R・筑紫特別(500万下・芝1200m)をエナジーハート(6番人気)が勝ちました。6月19日から始まった夏のローカルでは連対率26.9%(167戦45連対)。高齢でもなお衰えない活力は見事というほかありません。

ジャングルポケットは底力のある中長距離型の種牡馬ですが、一方でローカル向きの高い適性も備えており、タスカータソルテやバトルバニヤンのようなタイプもひとつのスタンダードです。とくに北海道シリーズで強く、長距離戦を得意としているので、函館・札幌の芝2600mではほとんど無敵です。この条件では連対率54.5%(11戦6連対)。今週のみなみ北海道S(OP・芝2600m)にはグラスゴッドの登録があります。同コースで行われた前走の北海Hで単勝万馬券を出した馬です。

函館芝1800mの強さもかなりのもの。先週もトーセンジョーダンが漁火S(準OP)を勝ち、テイラーバートンがかもめ島特別(1000万下)で2着となりました。連対率は40%(20戦8連対)。今週土曜日に組まれた湯浜特別(500万下)にメジロジョンの登録があります。函館開催は今週がラストウィークなので期待したいところです。

あとは小倉芝1800~2000m、新潟芝2200~2400mあたりが得意条件。先週は小倉芝2000mでの活躍が目立ち、小倉記念(G3)でバトルバニヤン(4番人気)が2着、高千穂特別(1000万下)でロザリオ(10番人気)が2着と気を吐きました。今週日曜日に組まれた日田特別(500万下)にラッキーポケットの登録があります。

2010年8月 3日 (火)

夏は買えないゼンノロブロイ産駒

春シーズンは飛ぶ鳥を落とす勢いだったゼンノロブロイ産駒。しかし最近、なんとなく活躍を眼にしていないような気がしたので、「TARGET frontier JV」で調べてみると、やはりローカルに入ってからの成績が落ち込んでいることが分かりました。とくに芝が不調です。6月19日以降、わずか1勝しかしていません。大物が夏休みに入って稼働していないことを考慮しても微妙な成績だと思います。

ゼンノロブロイ産駒の連対率を“中央開催”と“ローカル”に分けると、クッキリとした差異が認められます。

   中央開催:21.5%
   ローカル:11.8%

これほど適性に差のある種牡馬も稀です。参考として種牡馬ランキング1~10位(8月2日現在)の成績を示します。

1位 キングカメハメハ
   中央開催:22.2%
   ローカル:17.5%

2位 フジキセキ
   中央開催:18.9%
   ローカル:17.1%

3位 クロフネ
   中央開催:20.0%
   ローカル:16.0%

4位 マンハッタンカフェ
   中央開催:18.2%
   ローカル:18.0%

5位 シンボリクリスエス
   中央開催:19.3%
   ローカル:17.0%

6位 アグネスタキオン
   中央開催:22.5%
   ローカル:19.3%

7位 スペシャルウィーク
   中央開催:16.7%
   ローカル:16.2%

8位 サクラバクシンオー
   中央開催:16.5%
   ローカル:20.0%

9位 ジャングルポケット
   中央開催:16.4%
   ローカル:16.9%

10位 ネオユニヴァース
   中央開催:19.2%
   ローカル:13.5%

ゼンノロブロイの特異性をご理解いただけると思います。もちろん、まだ二世代目がデビューしたばかりなので、時間が経てば両者の数値はもう少し縮まってくるでしょう。

月別の連対率を見ると、8月は1年のなかで最も悪い10.7%。7月は二番目に悪い14.5%。この時期は買いづらいですね。ゼンノロブロイ産駒は秋競馬が始まってからが買いです。

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