秋華賞で狙えるタイプ、狙えないタイプ
秋華賞は珍しいことに“良馬場以外で行われたことがないG1”です。創設された96年以降、すべて良馬場で開催されており、稍重すらありません。
関西地方では金曜日から雨が降り出し、予報によれば土曜日のお昼ごろにかけてかなりの雨量となるようです。ただ、昔と違って最近は馬場回復のスピードが速いので、なんだかんだで最終的には良馬場となるような気がします。とはいえ、パンパンの良馬場ではないでしょうし、前が残りやすいのか差しが決まりやすいのか、内伸びなのか外伸びなのかなど、直前までレースの傾向が把握できません。このあたりの見極めが今年は大変です。
京都芝2000mは内回りコースです。直線が短く、ゴチャゴチャした競馬になりやすいので、荒れるときは荒れます。加えて、秋華賞はフルゲート18頭ですから、乗っているジョッキーにとっても難易度が高いレースです。
00年以降のデータを見ると、京都芝2000mにおける逃げ馬の連対率は28.6%なので、外回りコースで行われる他のレース(外1400m、外1600m、1800、2200、2400m)に比べると好成績です。小回りコースだけに先に行った馬が有利、というわけです。
ただし、クラス別でみると話が違ってきます。OP特別と重賞に限ると、逃げ馬の連対率は17.3%に下がります。下級条件と違ってペースがキツくなるので、逃げ馬が残れなくなります。
秋華賞でもこの傾向は生きており、過去15回のなかで連対を果たした逃げ馬は00年のヤマカツスズラン(2着)のみ。このときは1000m通過が60秒8というレース史上2番目のスローペースでした。平均すると59秒1ぐらいのペースで展開するレースなので、差し馬が有利です。
今年は短距離戦で揉まれてきたメモリアルイヤーが行くので、少なくとも平均ペースでは流れるでしょう。大逃げという形になると2番手の出方がレースを作ることになるのですが、2番手候補のピュアブリーゼは切れ味勝負では分が悪いので、じっくり溜めていくということはなく、付かず離れずで追いかけるのではないかと思います。こうなるとやはり差し有利でしょうか。
小回りコースに実績があり、ハイペース耐性のある馬。こういうタイプが狙い目です。血統的には Roberto、ノーザンテースト、トニービン、Nijinsky、Deputy Minister あたりがいいですね。直線の長いコースでの実績を鵜呑みにするのは危険です。00年以降、10番人気以下で勝ったティコティコタックとブラックエンブレムは、ともに小回り巧者でした。前者はそれまでに挙げた3勝が中京、小倉、小倉。後者は春にフラワーC(G3・中山芝1800m)を勝っていました。穴を開けるのはこういうタイプです。
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