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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年10月10日 (月)

毎日王冠はダークシャドウ

800m通過が48秒7ですから超スローペース。その結果、00年以降の毎日王冠(G2・芝1800m)では最も遅い1分46秒7という決着となりました。
http://www.youtube.com/watch?v=DkLb6O0Fca8

直線で前が壁になりながら上がり32秒7で追い込んだ◎ダークシャドウ(1番人気)、3歳で57キロを背負ってクビ差2着の○リアルインパクト(2番人気)は強いですね。堀厩舎は昨年のアリゼオに続いての連覇で、今年はワンツーフィニッシュです。

予想は◎○△で馬単1250円、3連単5660円的中。『netkeiba.com』の「No.1予想」に提供した予想文を転載します。

「◎ダークシャドウは『ダンスインザダーク×プライヴェートアカウント』という組み合わせで、2代母ユーセフィアがスピードタイプの名種牡馬グリーンデザートの全妹という良血。母方に速いアメリカ血統を入れ、ヘイロー≒サーアイヴァー3×4、ディナーパートナー≒バックパサー5×4というクロスを持っているため、ダンスインザダーク産駒にしては俊敏さがある。大阪杯のあとトモに違和感が出て休ませたが、前走のエプソムCはその影響を感じさせない楽勝。抜け出すときだけ本気を出してあとは流すという、力が二枚ぐらい違う勝ち方だった。天皇賞でも勝ち負けになる器だと思われるので、ここは普通に走れば結果がついてくるはず。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102929/

昨年5月、デビュー2戦目の500万下(芝2000m)の予想で◎を打ち、勝ったあとに『web競馬王』で配合を褒めたことがあるので、自分のなかでは気に入っている馬です。論旨は当時から変わっていません。予想文に「Dinner Partner≒Buckpasser 5×4」とありますが、ダンシングキイは Flaming Page≒Dinner Partner 2×3という特殊な凝縮を持つので、同時に「Flaming Page≒Buckpasser 4×4」でもあります。つまり、

         ┌ Tom Fool
Dinner Partner ―┤ ┌ Blue Larkspur
         └○┤ ┌ Man o'War
           └○┘

         ┌ Tom Fool
         │   ┌ Man o'War
Buckpasser ―――┤ ┌○┘
         └○┤ ┌ Blue Larkspur
           └○┘

であると同時に、

             ┌ Bull Dog
           ┌○┘
         ┌○┤ ┌ Blue Larkspur
Flaming Page ――┤ └○┘
         │ ┌ Menow
         └○┤
           └○┐ ┌ Man o'War
             └○┘

           ┌ Menow
         ┌○┤ ┌ Bull Dog
         │ └○┘
Buckpasser ―――┤   ┌ Man o'War
         │ ┌○┘
         └○┤ ┌ Blue Larkspur
           └○┘

でもあります。後者の相似な血のクロスはマルゼンスキー、ヤマニンスキー、ラシアンルーブルが2×2で持っており、「Nijinsky×Buckpasser」の成功の有力な根拠となっています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a0003bd/

ダンスインザークの配合については、昨年10月24日のエントリー「ダンスインザダークの配合的核心」でも解説しております。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/10/post-599e.html

Halo≒Sir Ivor については、昨年11月9、10日のエントリー「Halo≒Sir Ivor≒Drone(前・後)」をご参照ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/halosir-ivordro.html
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/11/halosir-ivord-1.html

ダンスインザダーク産駒ではありますが、2代母が快速 Green Desert の全妹で、なおかつアメリカ血統を積極的に絡めていることから、長距離タイプではありません。ダンスインザダーク産駒の中距離型としては最高傑作といえるでしょう。大阪杯(G2・芝2000m)でヒルノダムールと同じ斤量を背負いハナ差2着となっているので、天皇賞・秋(G1)でも互角の勝負に持ち込めると思います。

2着リアルインパクトは、パドックに出てきたときに、春に比べてずいぶん逞しくなったと感じました。筋肉が盛り上がってきましたね。結果的に仕掛けが早かったかもしれませんが、鞍上のゴーサインが出ると瞬時に反応し、後続を突き放しにかかったところが非凡です。ディープインパクト産駒のトビが大きいタイプには真似ができない芸当で、このあたりの爆発力は母方に濃厚に流れるアメリカ血統の影響でしょうか。

3歳馬が57キロを背負って毎日王冠で連対を果たしたのは98年のエルコンドルパサー以来13年ぶり。安田記念の結果がフロックでないことを証明しました。次走は天皇賞・秋ではなくマイルチャンピオンシップ(G1・芝1600m)になる模様です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103244/

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      血 統 屋 http://www.miesque.com/
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毎日王冠はダークシャドウを参照しているブログ:

コメント

ダークシャドウ強いの一言ですね。残り100位の加速は素人目にも凄かったです。
実はリアルインパクト出資者でしてスムーズなレースで押し切ったと思ったんですが…あの流れで差し切られたら仕方ありません。デビュー当初に比べたらだいぶ安定感が出てきた感じですね。マイルCSも期待したいと思います。

栗山先生。おはようございます。

ダークシャドウ...強かったですね!
今日の記事は、Flaming Page≒Buckpasserの相似クロスは、「Nijinsky×Buckpasser」の相性の良さを再確認させられました。


先生の代名詞 Halo≒Drone≒Sir Ivor も 何気に光っていましたね!


昨日、ダークシャドウの血統表を、眺めていると.....
クラレントとも似ているという事に気がつきました。

クラレントを、POGで指名しとくべきでした。反省です......orz

時計が早いから、締まったペースだから……でレースの質が決まるわけではないですからね。見応え十分の前哨戦だったと思います。

私自身はミッキー◎でしたので悶絶。あと一歩でした。馬も、私自身も。

今日は少しでも支援につながれば、と阪神競馬場のパークWINSで声援を送ります。
あの阪神大震災の時、支援して頂いた感謝の気持ちを、ちょこっとでもお返し出来れば……。

もちろん馬券も当てる気満々です。わははは。

栗山先生、こんにちは

リアルインパクトは57キロで、ここまでやれるとは正直驚きました。
マイルCSで、たぶん出走すると思うグランプリボスとの再戦に期待です。
毎日王冠での3歳馬の57キロ2着は、エルコンドルパサーがサイレンススズカに負けて無敗記録がストップしたあのレース以来なんですね。
最近、昔グリーンチャンネルで放送した「証言者」のエルコンドルパサー編をDVDでまた観て、当時僕が競馬に初めて関心を持ったころのことを思い出しました。オーナーの渡邊隆さんの配合の仕方によって、その後の世界の馬産にも影響を与えたんですね。

毎日王冠で現地にいましたが、ダークシャドウ普通に良い馬ですね。レースは強いの一言です!天皇賞で期待です。

>キスラー様

ほとんど勝っていた内容でしたね。岩田騎手はテン乗りだったので、特徴を把握した次はしっかり勝つ競馬ができるのではないでしょうか。京都コースはいかにも合いそうです。

>brokken 様

おはようございます。そうなんです、クラレントはダークシャドウにちょっと似ています。ただ、現3歳世代の悲惨な成績(新馬勝ちゼロ、2勝馬1頭のみ)を見ると、ダンスインザダーク産駒にはちょっと手が出しづらかったのも事実で……。

>ダンディ“ゲッツ”さっさん

前哨戦からこんな熱い戦いになるのですから、本番が楽しみですね。相手はさらに強化しますが、今年の毎日王冠組は期待できるのではないかと思います。

南部杯の売り上げの5%が寄付に回るというのは凄いですね。実現のために汗をかいた方々に拍手を送りたい気分です。

>ディープエックス様

おはようございます。グランプリボスはヨーロッパでああいう結果となりましたが、日本ではやはり強い馬だと思います。復帰緒戦のスワンSからしっかり結果を出してほしいですね。

サイレンススズカ、エルコンドルパサー、グラスワンダーが激突した毎日王冠は、観衆の入りや盛り上がりがまるでG1レースのようでした。いいメンバーが揃うと競馬はこんなに盛り上がるんだなと思った記憶があります。ご存知のとおりエルコンドルパサーは渡邊隆さんの頭脳から生み出された歴史的名馬です。この功績は不滅ですね。

>うまポーロ様

ダークシャドウはデビューが遅かった馬なので関係者のご苦労が多かったのではないかと思います。ここまで強いとそれも報われますね。

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