オルフェーヴル有馬記念へ
1970年に英三冠を達成した Nijinsky は、三冠目の英セントレジャーを勝ったあと、フランスの凱旋門賞に出走しました。当然のように大本命に推されたものの、伏兵 Sassafras の2着に敗れ、デビュー以来12戦目にして初の敗北を喫しました。
『新・世界の名馬』(原田俊治著・サラブレッド血統センター)に収められたニジンスキーの物語のなかで、同馬の馬主チャールズ・エンゲルハード氏は、「セントレジャーのあの距離がニジンスキーの精力を予想以上に奪いとってしまった」と、凱旋門賞の敗因について語っています。同馬は凱旋門賞のあとに出走したチャンピオンSでも Lorenzaccio の2着と敗れ、調子を戻すことなくターフを去りました。競馬史に残る偉大な名馬にしては少々寂しい幕切れだったといえるでしょう。
先日、菊花賞を勝ち史上7頭目の三冠馬となったオルフェーヴルは、ジャパンCを回避し、暮れの有馬記念に直行することが決定しました。
ジャパンC(G1)も使おうと思えば使えないことはないでしょう。出れば勝つ可能性もそれなりにあると思います。ただ、陣営も明言しているとおり、この馬の最大目標は来年秋の凱旋門賞(仏G1)です。三冠達成→ジャパンCというキツいローテーションによって、かつての Nijinsky のように調子を狂わせてしまったり、さらには闘志や活力を消耗して競走生命を縮めてしまっては元も子もありません。
池江泰寿調教師の父池江泰郎調教師が管理したディープインパクトは、7戦全勝で迎えた05年の有馬記念で、単勝1.3倍の1番人気に推されながらハーツクライの2着に敗れました。レース後、手綱を取った武豊騎手は「今日は飛ばなかった」と語りました。目に見えない菊花賞の反動があったのかもしれません。大きな目標を達成したあとのレースはとかく仕上げが難しいものです。
日本を代表するスーパーホースが、国名を冠したビッグレースをスキップすることに関しては批判があるかもしれませんが、馬のコンディションを第一に考えた末の結論だと思うので、わたしは支持します。今年の有馬記念は12月25日。例年とは盛り上がりが違うでしょう。楽しみです。
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オウケンブルースリ、スリーロールス、ビッグウィーク。ここ3年の菊花賞馬が翌年の春シーズンに不振か不出走なのは、菊花賞の疲れが原因と思ってました。
オルフェーヴルの特集テレビ番組が放送されるほどでしたから、やはり三冠馬はスター性があるなあ…だからこそJCを使わないで! とここ数日祈ってました(大げさかな?)。
有馬記念が本当に楽しみです。
また、エリザベス女王杯にスノーフェアリーが来日とのこと。
今年のG1の売上は前年比微増のレースがちょこちょこ増えて、ダービーの悪夢を払拭しつつあります。
レースもG1にふさわしい内容が続いてますので、ファンにアピールして競馬人気の復興に期待したい秋のハイシーズンとなりそうです。
秋天はダークシャドウを今のところ◎にしようかなあ、と思案中です。昨年のセントライトの時に血統を見て一目惚れ。当時から、来年の秋天に使えないかなあ…と思ってましたから、何だか夢のようです。
投稿: ダンディ“ゲッツ”さっさん | 2011年10月28日 (金) 07:44
古馬になってから3200mを走るのとは違い、3歳秋に3000mを走るのは馬にとって負担が大きく、ここでキチッと疲労を取って次戦に臨まないとあとあと響きます。身近で接していらっしゃる池江調教師が下された判断ですので間違いはないと思います。
天皇賞・秋は枠順、調教などを見たかぎりでは、うっすらと波瀾ムードが漂っているような……。馬券的におもしろいレースとなりそうなので予想に力が入ります^^
投稿: 栗山求 | 2011年10月28日 (金) 09:02