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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年8月 1日 (月)

小倉記念はイタリアンレッド

小倉記念(G3・芝2000m)は通常、夏に8週間行われる小倉開催の3週目に組まれています。今年は地震による開催変更の影響で開幕週に移動しました(ただし施行時期は変わらず)。馬場がいいので先行有利、という心理がジョッキーたちにあったのか、前半5ハロン通過が57秒1という超ハイペース。これで先行勢が厳しくなり、差し馬の競馬となりました。
http://www.youtube.com/watch?v=sWcNAkvIja8

勝った△イタリアンレッド(4番人気)は七夕賞(G3)に続いて重賞連勝。前走から3キロ増の斤量は楽ではなかったと思いますが、過去5戦4勝の小倉実績と、上がり馬の勢いで克服してしまいました。ちなみに、前週の函館記念を制したキングトップガンも、目黒記念からの3キロ増をものともせず重賞連勝。この時期は勢い重視ですね。

イタリアンレッドはヴィクトワールピサと同じく Lorenzaccio を、ロジユニヴァースやユニバーサルバンクと同じく Lorenzaccio の息子 Ahonoora を持っています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103026/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102923/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103140/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103095/

父ネオユニヴァースは、その母ポインテッドパスの重厚さが影響しているのか、産駒をコンスタントに走らせる素軽さ、軽快なスピード、鋭さといったものに弱みを抱えています。その部分を補うために母方からスピード血脈を取り入れることは配合の最重要ポイントです。

Lorenzaccio-Ahonoora-Indian Ridge のラインは、ネオユニヴァースの鈍重さを解消させる血として有効なのでしょう。ちなみに、Lorenzaccio は名馬 Nijinsky が競走馬時代に先着を許した2頭のうちの1頭です(もう1頭は Sassafras)。

◎コスモファントム(3番人気)は14着。超ハイペースに巻き込まれて4コーナーでは手応えがありませんでした。ただ、似たような位置取りのリクエストソングが3着に粘っているので、ちょっと負けすぎかなという気もします。

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      血 統 屋 http://www.miesque.com/
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小倉記念はイタリアンレッドを参照しているブログ:

コメント

はじめまして、今までもブログ拝見はさせて頂いておりましたが、初めてコメントさせていただきます。


今回の小倉記念ですが、人気薄の母父トニービンが二頭複勝圏に入りました。これは、自分のイメージでは、平坦小回り中距離をグレイソブリン系が得意しているから、と考えているのですが、その点に関してどうお考えですか?もしくは、ハイペースに強いという点もあるのでしょうか?

お時間ございましたら、解説お願いいたします。

こちらこそはじめまして、今後ともよろしくお願いいたします。

周知のとおりトニービンは、父としては東京コースを得意としていました。長くいい脚を使えてなおかつ底力がある、という特長が東京コースで行われる大レースで威力を発揮したわけです。

一方、母の父としては“粘り”が前面に出ている印象があります。皐月賞や有馬記念といった中山の大レースで母の父トニービンが強いのはそのためでしょう。ペースが上がりやすい中長距離の大舞台を得意としており、たとえば東京コースでも、速い上がりにならないエプソムCのようなレースでは、母の父トニービンがしょっちゅう馬券に絡んでいる印象があります。

今回の小倉記念は超ハイペースだったので、そうしたトニービンの特長が活きたのではないか、と思います。

個人的には、トニービンを Grey Sovereign 系という観点から論じることには抵抗があります。Grey Sovereign は父系の4代前の一血脈に過ぎませんし、これがトニービンの個性に支配的な影響を与えているとは考えづらいところです。配合を見ると Gainsborough-Hyperion の強い影響下にあり、その方向からトニービンをとらえていくほうがわたしは合理的ではないかと思います。スパッと切れないけれど底力があり、ハイペース耐性があるという個性は、まさに Gainsborough-Hyperion 的なものです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1983109006/

解説ありがとうございます。

なるほど、そういうことでしたか。また勉強させていただきます。

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