レパードSはボレアス
日曜新潟11RのレパードS(G3・ダ1800m)は、中団追走のボレアスが差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=EI9xt6DrLH0
予想は◎〇で馬単1150円的中。『netkeiba.com』の「No.1プロ予想」に提供した予想を転載します。
「◎ボレアスは『ディープインパクト×フレンチデピュティ』という組み合わせ。2代母クロカミは府中牝馬S(G3)と京王杯オータムH(G3)を制した活躍馬だが、産駒は総じて芝向きの決め手に乏しく、ダート向きに出ている。母クロウキャニオンはその1頭で、兵庫ジュニアグランプリ(G3)で3着となった砂巧者。芝向きのディープインパクトの子ながらダート向きに出たのは母方の影響だと考えられる。母方のフレンチデピュティ、カーリアンはいずれもディープインパクトと相性良好。新潟ダート1800mは先に行った馬が有利だが、今回は逃げ先行馬がそろい、勝負どころで早めにレースが動くと思われるので、中団に控えるボレアスが不利を被ることはないだろう。前走のようにジワッとマクっていけば直線で突き抜けるはず。」
順当な勝利でした。ゴールを駆け抜けたあとの武豊騎手の笑顔が印象的でしたね。ああいう表情はG1を勝ったあとでもあまり見せたことがないような気がします。
ボレアスが初勝利を挙げた直後、昨年11月24日のエントリーで、以下のように記しました。
「京都2R未勝利戦(ダ1800m)のボレアスは、これまでにデビューしたディープインパクト産駒のなかで、最も父に似たレースぶりだったと思います。スタートで安めを売って、勝負どころで大外からマクり、直線で楽々と引き離す。まるっきり親父と同じだなぁ~と、レースを見ながら思わずニヤッとしてしまいました。勝負服まで同じです。」
大外をマクって突き抜けた今回のレースぶりは、やはりディープインパクトそっくりでした。2着以下とは能力が違っていましたね。
ディープインパクト産駒は総じて完成が遅い、ということは当ブログで再三指摘してきました。したがって、3歳夏あたりにひと皮むける馬も少なくないだろうと考えていたのですが、案の定というべきか、たとえば未勝利戦などを見ていると、デビュー当時頼りなかった馬がここにきてシャキッとして勝ち上がる、というシーンをたびたび目にします。先週終了時点で初年度産駒のJRA勝馬率はついに60%を超えました(128頭出走して77頭勝ち上がり=60.2%)。
この数値はきわめて優秀なもので、まだ多少勝ち馬が上積みされることを考えると、父サンデーサイレンスの通算成績(66.7%)とさほど変わらない水準です。11年の種牡馬ランキングベスト10のなかで、08年産の勝馬率がディープインパクトの次に高いのはマンハッタンカフェ。数値は44.8%です。ベスト10のうち5頭は30%台ですから、60%という数値がいかにずば抜けたものであるかご理解いただけると思います。
おそらくボレアスの成長力は父ディープインパクト譲りでしょう。グレープブランデーとの再戦が楽しみです。
ディープインパクト産駒のダートの勝利数は、芝のそれに比べて約10分の1なので、芝向きの種牡馬といえるでしょう。にもかかわらずダートの重賞勝ち馬を出すのですから立派の一語。弱点の少ない種牡馬です。重賞勝ち馬はこれで6頭目となりました。
今週、新潟の新馬戦(芝1600m)でデビューするエネアドという2歳馬は、ボレアスと配合構成がそっくりです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106444/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103136/
┌ ディープインパクト
エネアド ―┤ ┌ フレンチデピュティ
└○┤ ┌ Nijinsky
│ ┌〇┘
└○┘
┌ ディープインパクト
ボレアス ―┤ ┌ フレンチデピュティ
└○┤ ┌ Nijinsky
│ ┌〇┘
└○┘
ボレアスの母クロウキャニオンはダートを得意とし、兵庫ジュニアグランプリ(G3・ダ1400m)で3着となりました。一方、エネアドの母キューは芝12ハロンのロングアイランドH(米G2)の勝ち馬で、エネアドの半兄にはブレイクランアウト(共同通信杯)がいます。芝向きの切れ味も十分でしょう。