現時点では予想以上の健闘、アドマイヤムーン
新種牡馬で現在2勝を挙げているアドマイヤムーンは、現役時代にジャパンC、ドバイデューティーフリー、宝塚記念などを制し、年度代表馬に輝いた名馬です。
その父エンドスウィープは、11歳で早世したため、日本でわずか3世代しか残せませんでした。アドマイヤムーンのほかにスイープトウショウ、ラインクラフト、フォーカルポイントなどの活躍馬を送り出し、産駒は重賞を計20勝しています(地方競馬は含まず)。後になってその死が惜しまれた最大の理由は、サンデーサイレンス牝馬と抜群の相性を示したからです。その代表格が桜花賞とNHKマイルCを制したラインクラフト、そしてこのアドマイヤムーンでした。
社台スタリオンステーションではなくダーレーに繋養されているため、繁殖牝馬は日高のものが主体です。社台スタリオンステーションに繋養されているトップクラスの種牡馬群に比べると、肌馬の質という面ではやや見劣りします。
初年度のアドマイヤムーン産駒のなかで、社台系の牧場が生産した馬は8頭しかいません。日曜函館5Rの新馬戦(芝1200m)を勝った△エクソプラネット(5番人気)はその1頭。やはり社台系の繁殖牝馬から誕生した馬は見どころがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=Tb6H7ZyUHKI
半姉に英G2を勝った Spinola、半兄に英G3を勝った Shot to Fame がいる良血。調教がもうひとつだったので狙いを下げましたが、実戦向きなのでしょう。母の父 Deposit Ticket は早熟のスピードタイプで、エンドスウィープとは近い世代で Mr.Prospector、Northern Dancer、Continue≒Allofthem が共通します。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106093/
エンドスウィープはアメリカで繋養されていた時代、初年度産駒の勝ち上がり頭数の世界記録(当時)を作ったように仕上がりの早さが特長のひとつ。Deposit Ticket とエンドスウィープに共通する仕上がりの早さやスピードといった個性が強調され、本馬に伝わっているのではないかと思います。Mr.Prospector などのアメリカ血統を強調した配合からは、エンドスウィープ的な、堅実に走るスピードタイプが多く出てきそうです。
┌ Mr.Prospector
┌○┤
│ └○┐
エンドスウィープ ―┤ └ Continue(≒Allofthem)
│ ┌ Northern Dancer
│ ┌○┘
└○┘
┌ Northern Dancer
┌○┤
│ └○┐
Deposit Ticket ――┤ └ Allofthem(≒Continue)
│ ┌ Mr.Prospector
└○┘
アドマイヤムーン産駒はここまで5頭出走して〔2・0・1・2〕。シーズン開幕前はちょっと苦戦するかも……と思っていたのですが、現時点では予想以上に頑張っています。
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