英ダービーは Pour Moi
欧州ギニー戦線では Galileo 旋風が吹き荒れ、とくに「Galileo×デインヒル」という組み合わせから3頭の勝ち馬が誕生しました。5月26日のエントリー「活躍馬が続出する『Galileo×デインヒル』」に記したとおりです。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/05/galileo-d5ba.html
6月4日の英ダービー(G1・芝12f10yds)、その翌日の仏ダービー(G1・芝2100m)が終わってみると、今度は Sadler's Wells と Darshaan の組み合わせが結果を出しました。今年のクラシック戦線はなぜか似たような配合が頑張る傾向が見られます。
英ダービーを最後方から差し切った Pour Moi(2番人気)はフランス調教馬。英ダービーをフランス調教馬が制するという例は、半世紀ほど前の50~60年代はそう珍しいことではなく、有名なところでは Sea Bird、Relko、ガルカドールなどがそうでした。ただ、このところは久しく絶えており、今回の勝利は76年のエンペリー以来じつに35年ぶりの快挙でした。手綱を取ったバルザローナ騎手は19歳の新鋭です。
http://www.youtube.com/watch?v=s2FAcL6iLMQ
父 Montjeu にとっては、Motivator(05年)、Authorized(07年)に続く3頭目の英ダービー馬。同じ Sadler's Wells 系のライバル Galileo は、マイルのギニー戦線でも成果を挙げていますが、Montjeu はほぼダービー専用。2400mでは安定して強い種牡馬です。すでに愛ダービー馬を3頭送り出しているので、これでイギリスとアイルランドを合わせて6頭目のダービー馬となります。
【英ダービー】
Motivator(05年)
Authorized(07年)
Pour Moi(11年)
【愛ダービー】
Hurricane Run(05年)
Frozen Fire(08年)
Fame and Glory(09年)
Sadler's Wells と Darshaan の組み合わせは定番のニックス。Sadler's Wells 産駒だけでも、High Chaparral、Islington、Milan、Ebadiyla、Yesterday、Greek Dance、Septimus など多くのG1馬が誕生しています。ですから、Pour Moi の配合を見た瞬間、まず最初に“またか”という感想が浮かんできました。
http://www.pedigreequery.com/pour+moi4
Montjeu は2400m向きの重厚なタイプなので、日本の馬場への適性はイマイチです。道悪が上手く、スピードと決め手を欠き、なかにはダートに活路を見出すものもいます。
惜しかったのは女王陛下の愛馬 Carlton House(1番人気)。この中間、脚部にアクシデントが発生し、ようやく出走に漕ぎつけたという状態。それで僅差の3着ですから強いと思います。ヴィクトワールピサと配合構成が似ているので好きなタイプです。このあとの巻き返しに期待です。
http://www.pedigreequery.com/carlton+house2
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102923/
――――――――――――――――――――
血 統 屋 http://www.miesque.com/
――――――――――――――――――――
コメント