豪州産の大器ランリョウオー
先週の競馬で最も印象に残ったレースは、重賞を除けば土曜東京10Rの湘南S(1600万下・芝1600m)です。好位を追走したランリョウオー(1番人気)は直線で前が壁になり、出しどころを探して馬群のなかでうろうろすること十数秒。ようやく残り1ハロンでバラけた瞬間、ケタ違いの瞬発力で抜け出してきました。イメージ的にはウオッカの安田記念に近いですね。
http://www.jra.go.jp/JRADB/asx/2011/05/201103050510h.asx
前走の紫野特別(1000万下・芝1800m)の勝ちっぷりを見れば、クラスがひとつふたつ違う馬であるのは明らかだったと思います。今回は多頭数の内枠を引き、馬群を捌いてこられるのかという課題があったのですが、能力水準が違っており楽々とクリアしました。
ランリョウオーはオーストラリア生まれの外国産馬。南半球で誕生したので北半球の馬よりも半年ほど生まれが遅く、現在4歳ではありますが実質的には3歳半です。父はオーストラリアの名種牡馬 Redoute's Choice。母はオーストラリアでG1を2勝した名牝 Hollow Bullet(ヴィクトリアオークス、アローフィールドスタッドS)。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007110121/
血統表を見ていただければ分かるように、母は日本ダービー馬タヤスツヨシの子です。同馬がシャトル種牡馬としてオーストラリアで供用された際、現地の交配によって誕生しました。
ランリョウオーには Redoute's Choice とサンデーサイレンスの組み合わせがありますが、いまのところ両者の関係は良好で、この組み合わせを持つ馬は連対率29.3%、単勝回収率154%と優秀です。
Redoute's Choice とサンデーサイレンスの関係については、3月8日のエントリー「サンデーと Redoute's Choice は好相性」で一度触れたことがあります。Halo と Sir Ivor のニックスの効果があるのではないかと思います。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/03/redoutes-choice-e493.html
社台グループは世界各地から大量の良血牝馬を輸入し、サンデー系種牡馬と交配させています。相性のいい血、そうでもない血、いろいろあると思いますが、Redoute's Choice はよさそうな感触がありますね。ランリョウオーは今年中に重賞を勝つ器でしょう。
いつも楽しく拝見させて頂いてます。
記事とは関係ないですがデュランダルの詳しい血統解説をお願いできますか?
投稿: ネオユニ大好き | 2011年6月10日 (金) 23:42
いつもお読みいただきありがとうございます。
デュランダルの母方は Hyperion を主体とした力強い構造です。母の父ノーザンテーストは Hyperion 4×3、2代母の父 Creme dela Creme は Hyperion 系、3代母の父 High Perch は Hyperion 3×3です。
5代母はアルゼンチンの歴史的名馬で、北米に移籍後も大活躍した Miss Grillo。3代母 Meadow Saffron は Meadow Court(キングジョージ6世&クイーンエリザベスS、愛ダービー)の半妹にあたります。
2代母の父 Creme dela Creme はスピードタイプで、この部分が素軽さを与えています。ちなみにその2代父はサンデーサイレンスとニックスの関係にある Heliopolis です。
デュランダル自身はスピードタイプでしたが、血統的には重厚でスタミナ的な要素もはらんでおり、配合次第ではそうした部分が引き出されるのか中距離タイプも出ています。Hyperion が多いので成長力の期待できる血統です。
投稿: 栗山求 | 2011年6月11日 (土) 13:09
解説ありがとうございます
POGや馬券予想の参考にさせて頂きます。
投稿: ネオユニ大好き | 2011年6月22日 (水) 11:10