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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年6月 3日 (金)

Dr.Fager と In Reality のニックス(2)

稀代の快速馬 Dr.Fager は、引退後に種牡馬として成功し、米リーディングサイアーにも輝きましたが、1976年に腸捻転のため12歳の若さで死亡しました。その影響をもっともよく伝えた種牡馬は、直系の子供たちではなく、この血を母の父に持つ Fappiano でした。
http://www.pedigreequery.com/fappiano

Fappiano は、父 Mr.Prospector がまだフロリダで種付けを行っていた時代の産駒です。Dr.Fager の調教師であったジョン・ネルド氏の生産所有馬で、じっさいに誕生した場所は Dr.Fager と同じタータンファームです。現役時代はメトロポリタンH(米G1・ダート8f)など17戦10勝の成績を残しました。

種牡馬となった Fappiano は、In Reality を含んだ繁殖牝馬との間に、Unbridled、Tappiano、Rubiano、Serape、Cahill Road、Speakerphone、Jeano など、次々と一流馬を送り出しました。明らかなニックスです。日本に輸入されて京成杯勝った外国産馬エーピージェットは、Tappiano の全弟なのでこのパターンに当てはまります。同馬は引退後、アメリカに買い戻されてニューヨーク州で種牡馬となり、同州のリーディングサイアーになるなど小規模ながら成功を収めました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1989108560/

Fappiano は13歳で死亡しました。寿命が短かった点は Dr.Fager と似ています。代表産駒はケンタッキーダービー(米G1・ダート10f)とブリーダーズCクラシック(米G1・ダート10f)を制した Unbridled。生産したのは Dr.Fager のタータンファームで、所有したのはジェンター家です。同家は、タータンファームが解散した際、まだ離乳したばかりだった Unbridled を買い取り、所有することになりました。同家は In Reality を生産したことで知られています。

Unbridled は前述のとおり Dr.Fager と In Reality のニックスを持ちます。そして、Dr.Fager の母 Aspidistra を4×4で持つという美しい配合です。
http://www.pedigreequery.com/unbridled

Unbridled は種牡馬としても成功しました。牡馬の代表産駒エンパイアメーカー(ベルモントS、ウッドメモリアルS、フロリダダービー)と、牝馬の代表産駒 Banshee Breeze(CCAオークスなどG1を5勝)は、いずれも母方に In Reality を持ち、父の Dr.Fager と In Reality のニックスを継続しています。(続く)
http://www.pedigreequery.com/empire+maker
http://www.pedigreequery.com/banshee+breeze

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      血 統 屋 http://www.miesque.com/
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コメント

昔の京都-阪神-東京-中山のプロモーションビデオの up
まだ済んでいません、申し訳ないです。


小生は、血統については、
人気馬を切る
穴馬を探す  ━━の材料に使用しています。
今回 記されている Unbridled ですが、
少々 クセが有る馬だと思っています。
直仔はもういませんので、
この馬の名前は血統表の二代目以降しか見ませんが、
この馬の血が入ると、どうも理由不明の「 ポカ 」が多い様な気がします。

例えば、ラヴェリータ( 父父が Unbridled )
今週1日(水)の第15回さきたま杯 で一番人気を裏切りました。
敗因は色々有るでしょうが、昨年2010年のJBCクラシックなんかでみせた「 訳の分からない大敗 」でした。

例えば、ダノンバラード( 母父が Unbridled )
皐月賞3着 ラジオNIKKEI杯二歳S優勝はクラシック候補としてはまずまずの成績ですが、
共同通信杯での大敗
それに京都二歳S3着( 先着馬の現状を鑑みれば、大敗の部類に入れても良いのでは )

思いつくままに二頭を挙げましたが、
如何でしょうか・・・?

かなりザックリとした決めつけであることは承知の上ですが、アメリカ血統は基本的に、自分の得意パターンに持ち込むと2~3割増しの強さを発揮する反面、そうならないと脆いという傾向があると思います。勝負に淡泊なところがありますね。

Unbridled にもそうした面はあると思います。精神的にやや難しいところもあるような……。勝つときは鮮やかですが、負けるときも鮮やかで、おっしゃるとおり惜敗よりは大敗が多いイメージです。馬券的に危ないと感じたときはスッパリ切り捨てて、ヒモにも残さないという買い方がいいような気がします。

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