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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年5月26日 (木)

活躍馬が続出する「Galileo×デインヒル」

今年のギニー戦線は似たような血統ばかりが勝ちました。こういうのをシンクロニシティというのでしょうか。

・Frankel(英2000ギニー)
・Golden Lilac(仏1000ギニー)
・Roderic O'Connor(愛2000ギニー)

以上の3頭はすべて「Galileo×デインヒル」という組み合わせから誕生しています。

Frankel については5月1日のエントリー「衝撃! Frankel が英2000ギニーを6馬身差圧勝」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/05/frankel-0437.html

5月15日に行われた仏1000ギニー(G1・芝1600m)は、オリビエ・ペリエ騎乗の Golden Lilac が2番手から抜け出し、通算成績を4戦全勝としました。
http://www.youtube.com/watch?v=WkvHP7gvkpM

母は Grey Lilas。ムーランドロンシャン賞(仏G1・芝1600m)など3つの重賞を制した名牝で、仏1000ギニー2着、仏オークス3着とクラシックタイトルにはあと一歩届きませんでした。娘の Golden Lilac は同時期の母を超えています。
http://www.pedigreequery.com/golden+lilac

5月21日に行われた愛2000ギニー(G1・芝8f)は、前走の英2000ギニーで Frankel の11着と大敗した Roderic O'Connor が逃げ切り勝ち。昨年のクリテリウムインターナショナル(仏G1)を勝ち、デューハーストS(英G1)では Frankel の2着となった実力馬です。
http://www.youtube.com/watch?v=UbmZ-5KExiI

この勝利がエイダン・オブライエン調教師にとって何個目のクラシックタイトルであるかは分かりませんが、特別な意味を持った勝利であることは間違いありません。Roderic O'Connor の手綱を取ったのが17歳の息子ジョセフ・オブライエンだったからです。

2代母 Chalamont の半兄には、アスコットゴールドC(G1・芝20f)2連覇など長距離で無敵を誇った Gildoran がいます。スタミナ豊かな牝系であり、次走が英ダービーでも仏ダービーでも楽しみが大きいと思います。
http://www.pedigreequery.com/roderic+oconnor

それにしても“Galileo とデインヒル”の好相性は素晴らしいですね。Sadler's Wells には Galileo のほかに Montjeu という優れた後継種牡馬がいるのですが、最近は Galileo ばかりが目に付きます。Montjeu とデインヒルの組み合わせからはこれといった活躍馬は出ていません。「Galileo×デインヒル」で生じる Buckpasser クロスの効果が大きいのでしょう。

Galileo のアドバンテージはなんといっても歴史的名牝 Urban Sea の息子である点です。Galileo の兄弟には Sea the Stars、Black Sam Bellamy、My Typhoon などの活躍馬がいます。

Urban Sea はアメリカ血統(父 Miswaki)とドイツ血統(母 Allegretta)の融合により誕生しました。Buckpasser クロスはこのうちアメリカ血統を活かす配合パターンです。ピリッとしたところが出てくるのではないでしょうか。また、ヨーロッパ随一の主流血統でありそれぞれが強い個性を持つ Sadler's Wells とデインヒルを、異系のドイツ血統が緩衝剤として結び付ける役割を果たしているようにも見えます。Sadler's Wells とドイツ血統の好相性については、昨年4月30日のエントリー「ドイツ血統と Sadler's Wells」をご覧ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/04/sadlers-wells-a.html

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コメント

はじめまして。
とは申しましても、通信社時代から勉強させて頂いております。

Montjeuはスピードの取り込みが難しそうですが、
現在、英ダービー3番人気のRecitalは、
母がKalamounの母Khairunissa≒Prince Tajの4x3、
自身はゼダーンの5x5となかなか面白そうに思います。

それはともかく、3頭のダービー馬を見ますと、

Motivator(英ダービー)は三代母UncommittedがBusanda≒Better Self

Frozen Fire(愛ダービー)は母父母プレイメイトがBusanda≒Striking

Roman Emperor(AJCダービー)は、薄くなりますが、
母父父トライマイベスト経由で、Sex AppealがBusanda≒Mr.Busher
自身のBold Reason 4x5のBimelecで補強。

と、クロスさせるよりは確率は下がるでしょうが、
Busandaを母方で固定しているケースでは成功例があるようです。

Montjeuの相手も、ミスプロ + War Admiral + La Troienne、
若しくはナスキロラトロなのかなぁと。

はじめまして。競馬通信時代からお読みいただいているというだけで「はじめまして」とは思えません(笑)。

Recital はガネー賞(仏G1)を勝った Corre Caminos の全弟です。配合は小技が利いていて味わい深いものがあります。上品ですね。

La Troienne の偉大さは分かっているつもりでも、あらためて考えると凄いとしかいいようがありません。この牝系を育てたエドワード・ブラッドリーとオリン・ジェントリーに、世界のサラブレッドブリーダーは足を向けて寝られません。

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