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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年5月

2011年5月22日 (日)

日曜日に東京競馬場でイベント

土曜日の東京芝コースは時計が速かったですね。前が止まらず、インコースが有利。ゆったりとした流れで後方待機から外に進路を取ると届きません。オークスもまず速くはならないでしょう。馬群をどう捌くかが重要となってきます。

横山典弘騎手が4勝と大爆発。惚れ惚れするライディングでした。オークスはどれに乗ってたっけと出馬表を見たところ、なんと騎乗馬なし。京都に遠征していました。メインの東海Sではランフォルセに騎乗。外枠ですがちょっと怖くなってきました。落馬事故から復帰後どうもリズムが悪かったのですが、ようやく横山騎手らしいカミソリのような切れ味が戻ってきました。じゃあ来週のダービーは? と思って調べたところ、こちらも騎乗馬なし。もったいないですね~。いまの横山典弘騎手はデットーリ騎手にも負けないと思うのですが。

さて、日曜日の10時55分から、東京競馬場のセンターコートで行われる「オープン型レーシングセミナー」に出演します。また、14時30分ごろから16時30分ごろまで、同所で「リアルタイム情報ステーション」に出演します。後者には辻三蔵さん、河田貴一さんも出演されます。よろしかったらお立ち寄りください。

5月20日にOPENした「血統屋」。まだ出来たばかりだというのに非常に多くの方々に電子書籍をご購入いただき、正直びっくりしています。ありがとうございました。心から御礼申し上げます。
http://www.miesque.com/

2011年5月21日 (土)

オークスは実績馬有利

東京競馬場の芝は、昔と比べてクッションが良くなり、速い時計が出るようになっています。言い方を換えればイージーな馬場になっているので、走っていてもあまりスタミナを消耗しません。ですから、距離に不安のある馬でも2400mをこなすケースが増えました。

一方、桜花賞は、06年暮れに完了した馬場改修工事により、昔と比べて底力とスタミナを要するレースとなりました。スタート地点が移動し、直線が長くなった影響でマギレが少なくなりました。

つまり、2400mのオークスはスタミナの重要性が薄れ、1600mの桜花賞はスタミナが重んじられるようになったため、それぞれのレースをこなすための適性が近くなり、その結果、桜花賞とオークスで連続好走するケースが増えました。

     桜花賞        オークス
 07年 ①ダイワスカーレット 不出走
     ②ウオッカ      不出走(ダービー①)
 08年 ①レジネッタ     ③
     ②エフティマイア   ②
 09年 ①ブエナビスタ    ①
     ②レッドディザイア  ②
 10年 ①アパパネ      ①
     ②オウケンサクラ   ⑤

07年以降の桜花賞で連対した馬は、必ずどちらかはオークス(とダービー)で連対しています。09年は桜花賞の1、2着馬がそのままオークスでも1、2着となりました。両方消えたことはありません。

その伝でいくと、今年のオークスは、マルセリーナとホエールキャプチャの少なくともどちらかは連対することになります。近年の出走馬の大半は「2400mはベストじゃないけどこなせる」タイプなので、そうした馬同士の戦いになれば、結局、地力に勝る実績馬が強いというわけです。

かつてオークスといえば未知の長距離砲を探し出して大穴を狙うレースでした。80年代は二桁人気の伏兵が4頭も勝ちました(ケイキロク、ノアノハコブネ、コスモドリーム、ライトカラー)。85年のノアノハコブネなどはじつに28頭中21番人気。良馬場にもかかわらず最後の3ハロンが39秒8(13秒5-13秒1-13秒2)という壮絶なレースで、先に行った馬はヘロヘロのヨレヨレ。脚が上がったところを後方待機のノアノハコブネが突き抜けました。騎手は音無秀孝。昨年のリーディングトレーナーです。
http://www.youtube.com/watch?v=jGnJ2ITFrRQ

最近は血統的なロマンを羽ばたかせる余地はほとんどなく、桜花賞で好走した実績馬から手堅く獲るレースとなっています。今年はスローペースが予想されるので決め手のある馬が有利でしょう。穴が突っ込んでくるとしたら距離ロスなくインコースを回れる好位差しでしょうか。

2011年5月20日 (金)

「血統屋」始めました

本日、「血統屋」というサイトを立ち上げました。
http://www.miesque.com/

その名が示すとおり、サラブレッドの血統について幅広く扱うサイトです。血統・配合に関する情報の発信や交換、ショッピングなど、多くの皆さまがお気軽に楽しめる場になればと願っております。

笠雄二郎氏の名著『日本サラブレッド配合史』(1984年)が『サラブレッド配合史』と名を変え、電子書籍版として新しくリリースされました。『日本サラブレッド配合史』はネットの古本市場で55000円の値がつくなどきわめて入手しづらい状況でしたが、『サラブレッド配合史』は「血統屋」サイトでお求めいただけます。ネット上で決済したあとダウンロードするという手順です。新たに書き下ろした「血統論」と併せて1700円です。「血統論」単体は500円です。両方ご購入されますと「血統論」がダブってしまいますので、お間違えのないようよろしくお願いいたします。

・「サラブレッド配合史」+「血統論」のセット=1700円
・「血統論」単体=500円
※「サラブレッド配合史」単体の販売はありません。

このほか、望田潤、桑原拓三(元競馬通信社社員で馬産地在住の配合マスター)、栗山求によるPOG企画(種牡馬別好配合馬リスト)も廉価で販売しております。現在、マンハッタンカフェとアグネスタキオン版をお求めいただけます。数日中にディープインパクト版が完成する予定です。当該種牡馬の2歳馬すべての5代血統表と、望田、桑原、栗山がそれぞれ評価した馬についての配合論評が掲載されています。

このほか、「web種牡馬辞典」などのデータ類もぜひご覧ください。これからさらにコンテンツ類を充実させていきたいと考えております。

血統・配合を通じて競馬を楽しむことを皆さまと共有することができれば幸いです。末永いおつきあいのほどよろしくお願い申し上げます。

本日「POG公開ドラフト」開催です

昨年大好評だった「POG公開ドラフト」が今年も開催されます。実施要項を「競馬王OFFICIAL BLOG」からコピーします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【日時】
5月20日(金)19時~(2時間程度を予定)
※開場は18時半です。

【場所】
東京都豊島区高田3-10-12
白夜書房本社ビルB1 BSホール

【出演者】
井内利彰
グラサン師匠
栗山求
美野真一
吉田竜作
横手礼一

【参加費】
無料

【スペシャル特典】
来場者全員に、締め切り直後に井内氏が取材した松田国英調教師インタビューをプレゼントします!!

【参加資格】
※『競馬王のPOG本 2011-2012』を持参、または、当日に会場でお買い求め頂ける方に限ります。
※急遽出演者が変更になる場合があります。ご了承下さい。

http://blog.keibaoh.com/

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

昨年は1位指名で競合したトーセンレーヴを抽選でグラサン師匠に持っていかれた際、「今年のPOGは終わりました……」と発言したのですが、残念ながらそのとおりの結果となってしまいました。2歳戦が終わった時点で今年はもうダメだと分かったので、持ち馬の成績をフォローする気にもならず、「もういいや」と投げ出してしまいました(笑)。おそらく会場では昨年の成績発表の時間があるはずです。自分の成績は分かりませんが相当悪いはず(ビリ?)なので針のむしろですなぁ……。

良い年もあれば悪い年もあるので、後ろを振り返ってばかりいても仕方ありません。今年は例年以上に気合を入れて馬を選びました。会場は高田馬場駅から歩いて2~3分ですので、お気軽にお立ち寄りください。

2011年5月19日 (木)

ダノンシャンティ種牡馬入り

先月、屈腱炎を発症したダノンシャンティが、現役続行を諦めて種牡馬入りすることが決まりました。繋養先は社台スタリオンステーション。同所には今年、すでに同じフジキセキ産駒のキンシャサノキセキがスタッドインしています。フジキセキ系の興隆は数年前までは想像しづらいところでしたが、このほかにもファイングレインが今春からフランスで種牡馬入りしており、今後の展開が楽しみな状況となってきました。

父フジキセキは今季体調を崩し、種付けを休んでいます。19歳という年齢はもう若くありません。累計3000頭以上に種付けしてきたアイアンホースも、いつかは役割を終える日が来ます。有能な息子たちが相次いで種牡馬入りしたのはいいタイミングかもしれません。

ダノンシャンティはその能力と配合を早くから評価してきました。共同通信杯、毎日杯、NHKマイルCと、予想はいずれも◎。NHKマイルCの予想文をあらためて掲載します。

「◎ダノンシャンティは『フジキセキ×マークオブエスティーム』という組み合わせ。母シャンソネットはシングスピールやラーイの半妹にあたる良血。2代母グローリアスソングはカナダ年度代表馬、米最優秀古馬牝馬。『ヘイロー3×3』だけが目立つ単純な配合に見えがちだが、じつはそうではなく、アンガール≒エルバジェ4×4、ミランミル5×6など、重厚な血が全体をしっかり支えている。それ以外にもダンスインザダークなどに見られるブルースウォーズ=ブルーヘイズの全兄妹クロスを持つなど、底力を感じさせる緻密な配合構成で見どころがある。母の父マークオブエスティームから受け継いだ切れ味は非凡。前々走の共同通信杯は展開のアヤで2着に敗れたが、前走の毎日杯は上がり33秒4、左ムチ一発で楽々と差し切った。東京芝マイルはほぼベスト条件なのでしっかり結果を出すはず。」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007105709/

毎日杯のような超スローペースでも、NHKマイルCのような超ハイペースでも、パフォーマンスが変わらなかったというのは大きなセールスポイントです。瞬発力があり持続力もあります。要するに単純に能力が高いということですね。それに加えて、予想文に記したとおり配合に豊かな奥行きがあり、しかも名牝 Glorious Song の孫ですから、種牡馬としても高いポテンシャルを秘めている可能性があります。現役時代に松田国英厩舎に所属したキングカメハメハ、クロフネ、タニノギムレットがいずれも種牡馬として成功しているのは心強いジンクスです。社台グループが誇る良血牝馬群の手厚いバックアップがあれば、かなりの成功を収めたとしても不思議はありません。

★「ダノンシャンティ屈腱炎」(4月21日)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/04/post-88c5.html
★「ファイングレインがフランスで種牡馬入り」(2月10日)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/02/post-eb65.html

2011年5月18日 (水)

5月19日(木)に『馬券師倶楽部2』再放送

「栗山求(前編・後編)」です。放送スケジュールは以下のとおり。

  栗山求(前編)
   05/19(木) 22:30~23:00
  栗山求(後編)
   05/19(木) 22:30~23:00

CS放送の“MONDO TV”で視聴することができます。よろしかったらどうぞ。

折り合えば強いヴィジャイ

土曜東京9Rの夏木立賞(3歳500万下・芝2000m)は、後方のインに控えたヴィジャイが直線で突き抜けました。
http://www.youtube.com/watch?v=F0bdwzNwWGc

昨年のPOGで高い人気を誇った馬です。ここまで苦労したのは周知のとおり折り合い面に弱点があったから。今回は1番枠からの発走で前に壁を作ることができたせいか、引っ掛かるところがありませんでした。折り合いさえつけばこのクラスでは一枚上ということでしょう。

母オイスターチケットはテスコボーイ4×3。ここから生じるスピードを安定供給できることが繁殖牝馬としてコンスタントな好成績を挙げている要因ではないかと思います。一方で、テスコボーイの気性の難しさを強調するリスクも伴っており、半姉シェルズレイ(ローズS-2着、チューリップ賞-2着)と半兄ブラックシェル(NHKマイルC-2着、日本ダービー-3着)は、気性が穏やかなクロフネ産駒だったのでそうした面は顕在化しませんでしたが、サンデー系のディープインパクトを父に持つヴィジャイの場合、そうはいかなかったということかもしれません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103111/

母方にトニービンを持つディープインパクト産駒には、ほかにコティリオン、グルヴェイグ、サトノオー、サトノユリアなどがいます。40戦21連対で連対率は52.5%。凄い数字です。

今年の2歳馬に「ディープインパクト×トニービン」は10頭います。ラインナップは以下のとおり。

アグネスミネルバの2009
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105706/
ウェディングハニーの2009
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009101453/
クランモンタナ(母エアトゥーレ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105738/
グレースアドマイヤの2009
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106138/
ザグレース(母グレースランド)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106450/
シルキーグルーヴの2009
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009104507/
スプリットザナイトの2009
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106198/
スプリングチケットの2009
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105828/
ユーアーマイン(母ドリームインザサン)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009101821/
レディパステルの2009
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009101524/

「栗山ノート」で取り上げた馬はゼロ。しかし、配合が気に入らなかったわけではありません。純粋に手が回らなかっただけです。来年のクラシックを賑わす馬が上記の10頭から生まれる可能性も十分あると思います。

2011年5月17日 (火)

グルヴェイグと4分の3同血のサトノユリア

■土曜京都4Rの未勝利戦(芝1800m)は、中団馬群を追走したサトノユリア(1番人気)が直線で鋭く伸びて差し切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=1JMxX5tTJ7k

“京都芝1800mのディープインパクト産駒”は、当ブログでもたびたび取り上げているように抜群の実績を挙げています。これまで37戦して18連対ですから連対率48.6%。ほぼ2回に1回連対しています。

サトノユリアについては、4月26日のエントリー「ディープインパクト×フレンチデピュティは走る」で取り上げています。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/04/post-659b.html

父がディープインパクトで、2代母がエアグルーヴですから、今週のオークスに出走するグルヴェイグと4分の3同血の関係にあります。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103211/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103099/

        ┌ ディープインパクト
サトノユリア ―┤
        └○┐
          └ エアグルーヴ

        ┌ ディープインパクト
グルヴェイグ ―┤
        └ エアグルーヴ

両者の違いは、サトノユリアが母の父にフレンチデピュティを持つ点。前出のエントリーでも述べたようにこのパターンは要注目です。

2011-2012年のPOGで1位指名したのはエネアド(牡・父ディープインパクト、母キュー)。母の父がフレンチデピュティですからサトノユリアと同じです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106444/

■土曜京都10Rの葵S(3歳OP・芝1200m)は、○ロードカナロア(1番人気)が2番手から抜け出しました。
http://www.youtube.com/watch?v=X3xw0ZLKU6M

安定した先行力と確実な末脚。派手さはないものの手堅い競馬スタイルで崩れません。調教では抜群に動くので気のいいタイプなのでしょう。先週水曜日の坂路ではラスト2ハロン11秒8-11秒9という出色のタイムをマークしました。叩き2戦目で絶好調でしたね。

半兄ロードバリオスは毎日杯(G3)5着馬で、2代母サラトガデューは米G1を2勝した名牝です。母方に Storm Cat を持つキングカメハメハ産駒は走っており、日曜新潟のゆきつばき賞(3歳500万下・芝1200m)を勝ったメイショウツガルもこのパターンです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103552/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101549/

Storm Cat は馬力型のスピード血統で、基本的に芝よりもダートに適性があるのですが、母方に Storm Cat を持つキングカメハメハ産駒はむしろ芝のほうが好成績。芝連対率27.3%は、キングカメハメハ産駒全体の芝連対率が20.4%であることを考えればかなり優秀です。

ヴィクトリアマイル(G1)を勝ったアパパネは、父がキングカメハメハで母の父が Deputy Minister 系。Storm Cat と Deputy Minister は同じ Northern Dancer 系で、パワータイプの似た者キャラ。キングカメハメハは芝・ダート兼用タイプでありながら、こういう血を取り込んで苦もなく芝向きの産駒を出せるのがおもしろいところです。

◎アフォード(4番人気)は4着。折り合いに専念するために後方のインに控えましたが、短距離戦でこの位置取りはさすがに厳しいですね。最後に差を詰めてきましたが時すでに遅しでした。8着に敗れた▲ツルマルレオン(2番人気)ともども今回は競馬をしていません。次走に期待です。

2011年5月16日 (月)

ヴィクトリアマイルはアパパネ

見ての通り名牝2頭によるガチンコの力勝負。素晴らしい競馬でした。
http://www.youtube.com/watch?v=-ur841hr_n0

逃げたオウケンサクラは暴走気味のハイペースでしたが、後続馬群は平均よりもやや速いぐらいのペース。こういう展開で後方に控えた場合、とくに内有利の馬場コンディションでは、勝負どころで差を詰めにかかって脚を使うと、ラスト1ハロンで意外に伸びなかったりするものです。○アパパネ(2番人気)と◎ブエナビスタ(1番人気)は堂々と大外に回し、突き抜けたのですから力が違いました。

予想文にも記しましたがブエナビスタは体調面がイマイチでしたね。追い切りの動きは感心せず、せいぜい8分程度のデキに映りました。同じくドバイ帰りで体調が優れなかった昨年は、ヒカルアマランサスが相手だったので差し切れましたが、今年はそれよりも数段上のアパパネが相手。それでも勝つのではと思いましたが、残念ながら力が及びませんでした。本質的に中距離馬ですから、忙しいマイル戦ではどうしてもあの位置取りになってしまいます。そうなると相手が何であれ楽な競馬にはなりません。

一方のアパパネは、休み明けを一度叩いた今回は非常に良く見えました。絶対能力ではブエナビスタに見劣るものの、ベストのマイル戦、一度も負けたことのない東京コースでは“さすが”といえる強さです。豊富な筋肉量に支えられた身のこなしは俊敏で、鞍上のGOサインが出るとたちまちトップスピードに乗ることができます。抜け出すときの脚が速い、というやつですね。この反応の速さはブエナビスタにはないもので、今回も直線に入ってグンと加速したとき、追いかけるブエナビスタを一瞬引き離しました。三冠を獲るだけのものはあるとあらためて感心しました。

血統については昨年10月18日のエントリー「アパパネ、牝馬三冠達成」をご覧ください。もっとも、これは解説ではなく敗北宣言というべきものですが……。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/10/post-2950.html

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は○◎△で馬連230円、3連複620円的中。『netkeiba.com』リニューアル版と『ウマニティ』に提供した予想は連単系マルチに買い目を設定しているので馬単740円、3連単3620円的中。いずれもトリガミでした。

2011年5月15日 (日)

京王杯スプリングCはストロングリターン

先頭△シルポート(3番人気)、2番手◎ジョーカプチーノ(2番人気)とあっさりポジションが決まり、最初の4ハロンは46秒4と落ち着いた流れ。ラストは決め手勝負となり、○ストロングリターン(4番人気)が上がり33秒1の鬼脚でキッチリ先頭を捉えました。
http://www.youtube.com/watch?v=RSSSpfaaLPc

『ブラッドバイアス・血統馬券プロジェクト』に提供した予想は○△◎で3連複5990円的中。『netkeiba.com』リニューアル版に提供した予想(http://prev.www.netkeiba.com/ から「No.1予想」に進む)は3連単マルチの買い目を設定していたので37790円的中です。

理性で決めた本命馬はジョーカプチーノでしたが、心の本命馬はじつはストロングリターンでした。というのも、この馬はわたしのPOG指名馬だったからです。3月1日のエントリー「阪急杯はサンカルロ」にも記しました。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/03/post-fac5.html

半兄ダイワマックワンもそうでしたが気性的にかなり難しいタイプで、陣営は苦心の連続だったと思います。デビュー戦はサンカルロと一騎打ちの末2着(http://www.youtube.com/watch?v=qzzkx8t7oSc)。2戦目を勝ったとき、内田博幸騎手は「どこへ突っ込んで行くかわからない気の荒さがある」と評しました(http://www.youtube.com/watch?v=K4B2hSew14M)。ただ、エキセントリックな気性がそうさせるのか、若駒のころからラストの爆発力は際立っていました。主戦の内田騎手は今回、落馬事故の影響で残念ながら騎乗できなかったものの、これまで辛抱強く競馬を教えてきたと思います。

前走の難波S(1600万下・芝1800m)は、好位でしっかり折り合って抜け出すという、2歳時には考えられないようなスムーズな競馬で完勝。正直、この勝利を見たときは胸が熱くなりました。我慢に我慢を重ねてよくぞここまで……と、堀宣行調教師の手腕に感嘆するばかりです。

母方に Mr.Prospector を持つパターンはサンカルロやランフォルセと同じ。スピードタイプに出やすいですね。母コートアウトは Smartaire 4×3という洒落た牝馬クロスを持っています。母の父 Smart Strike はブレイクランアウトや Curlin(米年度代表馬)の父です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102934/

母がクロスで持っている Smartaire は、Heliopolis を含んでいます。Heliopolis はサンデーサイレンスとニックスの関係にあるので、コートアウトはサンデー系種牡馬と合うのではないかと考えられます。今年の2歳馬ウィケットキーパー(牝・国枝栄厩舎)はアグネスタキオン産駒。母が送り出す初めてのサンデー系産駒なので楽しめるのではないかと期待しています。『競馬王のPOG本 2011-2012』で指名したので走ってくれるといいのですが。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105795/

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!