ハブルバブルとブサック血統(後)
ブリーダーズCターフ(米G1・芝12f)2連覇、キングジョージ六世&クイーンエリザベスS(英G1・芝12f)など4つのG1を制したコンデュイット(ビッグレッドファームで繋養中)は、昨日のエントリーで触れた Sadler's Wells と Darshaan のニックスを持つ近年の代表馬といえるでしょう。ハブルバブルの母ラヴアンドバブルズはこれと配合構成がよく似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a0106a6/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005190006/
┌ Riverman
┌○┤ ┌ Nureyev(≒Sadler's Wells)
│ └○┘
ラヴアンドバブルズ ―┤ ┌○┐ ┌ Abdos
└○┤ └○┘
│ ┌ Miswaki
└○┘
┌○┐ ┌ Abdos
┌○┤ └○┘
│ │ ┌ Miswaki
コンデュイット ―――┤ └○┘
│ ┌ Sadler's Wells(≒Nureyev)
└○┤ ┌ Riverman
│ ┌○┘
└○┘
要するに、欧州芝2000~2400mあたりに適性が感じられる底力とスタミナに優れた血統ですね。これとディープインパクトが掛け合わされて誕生したのがハブルバブルです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008104879/
母方に Riverman を持つディープインパクト産駒は、シーズン開幕前から高く評価してきました。Pocahontas≒River Lady が生じ、それらに含まれる Roman がディープインパクトの構成要素のひとつの核なので、好結果が期待できるのではないかと考えたからです。
また、一昨日のエントリーに記したとおり、Lyphard、Mr.Prospector、 “Northern Dancer & Special”を併せ持つディープインパクト産駒なので、トーセンラー、パッションダンスと配合構成が似ています。
Busted 4×5はあまり見かけないクロスです。Busted 自身は古馬になってキングジョージ六世&クイーンエリザベスS(芝12f)を制した晩成型のステイヤー。底力とスタミナの供給源として近年のイギリスでは有数のもので、長くいい脚を使うのが特長です。先週の中山記念を快勝したヴィクトワールピサにも Busted は含まれています。
http://www.pedigreequery.com/busted
ハブルバブル自身は、Busted に加えそれと構成が近い Alcoa という血が入るので、Busted≒Alcoa 4×5・5。昨日の Akarad の解説で同馬が Delleana≒Carissima 5・4×5を持つと記しましたが、要するにこれは Donatello の母と Pharis の母の関係です。それぞれが Donatello の孫にあたる Busted≒Alcoa のクロスはこれを強化することになるので好ましいですね。
予想ではハブルバブルを○としましたが、これは同じディープインパクト産駒のペルレンケッテが◎だったからです。坂路50秒5という時計には逆らえません。イレ込みやすい気性のようですが、こちらも母方にドイツ血統を持つ魅力的な配合馬なので、いずれ出てくるでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103309/
ディープインパクト産駒はアメリカ血統と相性が良く、そうした配合はコンスタントに走ります。ただ、リベルタス、トーセンラーといったクラシックディスタンス向きのトップクラスは、ヨーロッパの重厚なスタミナ血脈を兼備しています。ハブルバブルもこれに連なるパターンです。レースぶりを見るかぎり将来性豊かな逸材であることは間違いないでしょう。本質的には3歳夏を越してからのタイプかもしれませんが、長い直線が合っていると思われるので、オークスには向くはずです。次走は3月19日のフラワーC(G3・芝1800m)。アッサリ勝つようなら3歳牝馬の勢力図が大きく変動します。
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