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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2011年2月23日 (水)

My Charmer が光るヒラボクインパクト

■日曜東京5Rの新馬戦(芝1800m)は、△カグニザント(2番人気)が5馬身差で逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=dnVJMjuV4sg

ネオユニヴァースの現3歳世代は、昨年6月のシーズン開幕から32連敗を喫しました。2歳夏のローカル戦が苦手であることを差し引いても酷い成績であり、前途多難を思わせたのですが、その後は順調に勝ち星を伸ばしています。一昨年のロジユニヴァースとアンライバルド、昨年のヴィクトワールピサほどの大物は見当らないものの、オールアズワン、ユニバーサルバンクがクラシック路線に乗っています。

カグニザントは、母インコグニートがシックスセンス(京都記念)の半姉です。底力はあるものの瞬発力に一抹の不安を感じさせる配合なので、この距離にありがちな切れ味比べになると弱みを見せる可能性も……と予想しました。先頭に立って自らレースを作ったのは正解だったと思います。最後の3ハロンは11秒7-11秒5-11秒4と尻上がりにラップを上げているので、相手がバテたわけではなく、自身がしっかり伸びています。決して展開に恵まれた勝利ではありません。内容は濃いですね。

母方に Danzig を持つネオユニヴァース産駒は、ロジユニヴァースとオールアズワンという重賞勝ち馬に加え、サンビーム、ダノンフェニックス、ベストリガーズ、本馬と、このところ活躍馬が目立っています。パワフルな配合なので、良馬場ながら雨の影響により馬場が荒れていたことはプラスでした。中山のほうが向いているかもしれません。皐月賞に間に合うようなら楽しみです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102580/

■東京9Rのセントポーリア賞(3歳500万下・芝1800m)は、ヒラボクインパクト(6番人気)が逃げ切り勝ち。
http://www.youtube.com/watch?v=BmGssldqAPY

母ドリームカムカムは短距離戦線で活躍した馬(シルクロードS-5着)で、「メジロライアン×ローモンド×ハードツービート」という組み合わせ。決め手に欠ける血統なので、息子のヒラボクインパクトはディープインパクト産駒であっても瞬発力勝負になるとどうかな……と感じさせます。日曜日の東京芝は前残りばかり。そして馬場が荒れていたのでパワーが活きるコンディションでもありました。この馬に向いていたと思います。薄いながらも Hypericum≒Aureole という重厚な4分の3同血クロス(6×6)を持っており、これは粘りを補強するものでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008100579/

2代母の父 Lomond は米三冠馬 Seattle Slew の半弟で、英2000ギニー(G1)の勝ち馬。その母 My Charmer は Striking=Busher 3×3という大胆な全きょうだいクロスを持っています。Striking も Busher も名牝 La Troienne の孫。
http://www.pedigreequery.com/my+charmer

       ┌○┐
       │ └○┐
My Charmer ―┤   └ Striking(=Busher)
       │ ┌○┐
       └○┘ └ Busher(=Striking)

ディープインパクトと La Troienne の関係は非常に良好で、同じように La Troienne 血脈の凝縮から成る Sex Appeal(Busanda≒Mr.Busher 2×3)も、ディープインパクトと抜群の相性を示しています。このパターンからはマルセリーナ、ターゲットマシンが出ました。
http://www.pedigreequery.com/sex+appeal

もし仮にヒラボクインパクトに My Charmer が無かったとしたら、強調点の見当たらない茫洋とした配合で、大成は覚束なかったと思います。ディープインパクト産駒は年明けから500万以上で7勝目。内訳は重賞1勝、OP特別2勝、500万特別4勝。もちろん世代トップです。とにかく層が厚いですね。

2番人気に推されたリヴェレンテ(父キングカメハメハ)は出遅れて後方からの競馬となり、大外へ持ち出したものの12着。騎乗したデムーロ騎手曰く「今日は精神的に不安定で、物見してばかりいました」(週刊競馬ブック)。ただ、デムーロ騎手もこの土日は、出遅れて後方追走から大外回しという騎乗が目立ち、とくに日曜日の後半はほとんどこのパターンでした。騎乗のリズムがイマイチだったような気がします。

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コメント

度々おじゃまします。

カグニザントは自分の参加しているPOGで指名していました。漸くにしてデビュー、勝ちっぷりも鮮やかだったので、クラシックに出走できるといいなぁと今後を期待しています。

国枝師、横山典弘騎手のコメントが意外に辛口だったのはシックスセンスの甥っ子なので、期待が大きいからだと良い方に解釈しております。

おめでとうございます。この馬は楽しみですね~。ぜひクラシックに間に合ってほしいところです。横山典弘騎手の場合、吹くとあんまりいいことがないような(笑)。ツンデレというか照れ屋なので、辛口のコメントのなかに期待の大きさが表れるタイプではないかと。ですからカグニザントはおもしろいんじゃないでしょうか。

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