「母の父サンデーサイレンス」で成功する種牡馬
昨年3月19日のエントリー「母の父にサンデーサイレンスを持つと」で、主だった非サンデー種牡馬の、サンデー牝馬との相性を検証しました。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/03/post-f831.html
それから10ヵ月、2010年の競馬が終了し、ちょうどいい機会なので最新のデータを掲載したいと思います。母の父にサンデーサイレンスを持つ場合、持たない場合に比べて1走あたりの獲得賞金額がどれくらい上昇するか、という比較です。
母の父SS以外 母の父SS 上昇率
ジャングルポケット 154万円 340万円 221%
キングカメハメハ 179万円 271万円 151%
サクラバクシンオー 164万円 224万円 137%
タニノギムレット 161万円 220万円 137%
クロフネ 147万円 200万円 136%
フレンチデピュティ 170万円 218万円 128%
シンボリクリスエス 158万円 156万円 99%
※金額は1走あたりの獲得賞金額
母の父にサンデーサイレンスを持つ場合と、持たない場合の差が最も大きかったのはジャングルポケット。昨年3月時点でも最も差が大きかったのですが、上昇率は「201%」から「221%」へとさらに大きくなりました。ジャガーメイルやアプリコットフィズの活躍が寄与しました。
「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」は、母の父がサンデーではないジャングルポケット産駒に比べて2.21倍も賞金を稼ぐというわけです。
1走あたりの獲得賞金額「340万円」は凄いですね。ちなみに、サンデーサイレンス産駒は「333万円」なので、それよりも稼いでいることになります。「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」はサンデーサイレンス産駒よりも1走あたりの稼ぎが大きく、しかもセリの値段は手頃。ニックスといえるでしょう。
「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」は、ジャングルポケットほどではありませんが上昇率が高いですね。ローズキングダム、トゥザグローリーが牽引しました。じつは初年度の「キンカメ×SS」は期待ほど走らず、この組み合わせに懐疑的だった時期もあったのですが、ここにきてグングン成績が上がってきています。3歳にもベルシャザール(ホープフルS)という楽しいな馬が出てきました。
「サクラバクシンオー×サンデーサイレンス」はグランプリボス(朝日杯フューチュリティS)が代表格。芝新馬戦に抜群に強く(連対率48.6%!)、距離の融通性があります。
表に掲げた7頭のなかで異彩を放っているのはシンボリクリスエス。なんと、母の父にサンデーサイレンスを持つ馬は、持たない馬に比べて成績が落ちます。ブルードメアサイアーとして傑出した能力を持つサンデーサイレンスは、父シンボリクリスエスとの組み合わせでサクセスブロッケンを出したものの、全体的にはあまりうまくいっていません。
明けましておめでとうございます。
今年も楽しく読ませて頂きます。
シンクリ産は難しいですね。私の様な零細一口ですと、シンクリ産はまだまだ値段的にも結構しますからね。母父サンデーならなおさらです。個人的にはミスプロなんか相性いいかと。
ただこういうタイプの種牡馬は忘れた頃に一発あるから油断できないですね。
投稿: キスラー | 2011年1月 3日 (月) 16:04
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
「シンクリ産は難しいですね」というご意見には同意します。つかみどころがなく歯がゆいタイプが多いのですが、しかし能力のきらめきが見える瞬間も多々あり、評価が難しいタイプです。Sadler's Wells とか Storm Cat とか、日本向きではない海外の名種牡馬の子のような、そんなイメージがあります。この馬向きの馬場を持つ他の国で種付けをしたら、ひょっとしたら大成功するのではないかとふと思ったりもします。それがどこなのかは分かりませんが……。
投稿: 栗山求 | 2011年1月 3日 (月) 22:55