2010香港国際競走
気がつけば暮れの香港国際競走には10年以上行ってません。観戦するとなれば10~11月から準備しなければならないのですが、その時期はちょうどG1まっただなか。なんとなく忙しくしているうちに時機を逸してしまい、毎年グリーンチャンネルでテレビ観戦しています。今年は阪神ジュベナイルフィリーズと同日の12月12日(日)に行われます。
最後に行ったのは98年。香港国際C(G2・芝1800m)をミッドナイトベットが勝った年です。14頭立ての12番人気とまったく人気がなく、プレスエリアで見ていたわれわれ日本人報道陣も「さすがに厳しいだろうなぁ~」という雰囲気だったのですが、なんと馬群から力強く突き抜けてレコード勝ち。その瞬間、みんな仕事を忘れて「ウォーーー!!」とガッツポーズしてました(笑)。周りが香港人ばかりで完全なアウェーですから妙な連帯感がありました。
でも、いまから考えるとのどかな時代ですね。当時に比べると個々のレースの格は上がり、出走メンバーの層も厚くなりました。今年の日本馬は、ジャガーメイル(香港ヴァーズ)とエーシンフォワード(香港マイル)の2頭が参戦します。
ジャガーメイルは3年連続の出走。過去2年はアルゼンチン共和国杯から香港、というローテーションでしたが、今年はジャパンCから中1週での参戦。キツいようにも映りますが、じつはジャングルポケット産駒は間隔を詰めてもへこたれないタイプです。レース間隔別の競走成績で最も数字がいいのが「連闘」。とくに芝の連闘は連対率35.7%という抜群の成績。私が調べたかぎり主要種牡馬の連闘成績のなかでは断然トップです。遠征慣れしている陣営ですし、ローテーションに関してそう神経質になる必要はないのでは、と思います。ここを勝つ力は十分あるでしょう。
エーシンフォワードは Paco Boy あたりに勝つのは相当骨だと思うのですが、向こうも勝ち味に遅いところがあるので、一発狙ってほしいですね。香港でG1を3勝したエイシンプレストンの記憶は、香港の競馬ファンの脳裏にいまだに焼き付いているのではないでしょうか。香港と相性のいい馬主さんなので期待したいところです。
今年の香港国際競走の目玉は香港スプリント(G1・芝1200m)でしょう。Sacred Kingdom、J J the Jet Plane、Rocket Man、Green Birdie、Ultra Fantasy など好メンバーが揃いました。これは見逃せません。
先日はお返事ありがとうございました。嬉しかったです♪
香港国際競走といえば、日本馬の3勝を今でも鮮明に覚えています。
エイシンプレストン、ステイゴールド、アグネスデジタル。
日本では「超一流」でなかっただけに、当時は単純に「香港競馬のレベルは低いんだな」と思ったものです。
血統に興味を持ってからは「強い」、「弱い」というより、馬場によって求められる要素が違うんだなと思うようになりました。
サドラーズウェルズは父系よりも母系に入った方が日本で走るというのには感心しました。
現地観戦、良いですね^^
アウェイの中で穴を開けたときの爽快感は日本人としてたまらなかったでしょうね。
考えただけで口元がにやけてきます(笑)。
ジャガーメイルは3度目の挑戦とのことで、ジャンポケの血統的にも面白そうですね。
間隔を詰めた方が良いというのはメモしておきます!
栗山さんに一つ質問があります。
これまで香港ヴァーズ、香港カップ、香港マイルで勝ったことのある日本馬ですが、香港スプリントでは5着にも入ったことがありません。
香港スプリント界は世界トップクラスとも聞きますが、なぜ短距離だけ突出して強いのか。
それと日本スプリント界のレベルが低いと言われるのはなぜか。
血統的に見ての見解を是非お伺いしたいです。
とても興味があるので、よろしくお願いします。
追伸
先日の栗山さんのお言葉に甘えてURLを載せさせて頂きました。
競馬ファンの思いを込めたブログですので、至らない点は多々ありますが、よろしくお願いします。
投稿: 春の歌 | 2010年12月 8日 (水) 16:03
香港は国土が狭いこともありサラブレッドの生産をしておりません。主にどこから輸入しているかというとオーストラリアです。オーストラリアは短距離戦のステータスが高く、このカテゴリーの競走馬のレベルはおそらく世界一でしょう。世界一の短距離王国から競走馬を輸入しているので、香港の短距離戦はレベルが高いのだと思います。
日本は中距離戦のステータスが高い国で、競走体系の頂点は2400mのダービー、ジャパンCです。ナカヤマフェスタが凱旋門賞で2着となったようにこのカテゴリーなら国際的にも太刀打ちできます。しかし、スプリント路線はステータスが高いとはいえず、生産界にも「強い短距離馬を作ろう!」というモチベーションは乏しいと思います。日本で圧倒的な勢力を誇るサンデー系は、フジキセキ産駒以外このカテゴリーをカバーしていません。選りすぐりの繁殖牝馬はサンデー系と交配され、そのサンデー系種牡馬たちは中距離向きですから、強い短距離馬は期待できません。社台グループがオーストラリアから一流の快速種牡馬を何頭か輸入すれば状況は変わるかもしれません。
ブログ拝見しました。濃い内容のものを毎日更新されており素晴らしいと思いました。ときどき覗かせてもらいます。
※投稿者の「春の歌」という部分をクリックするとサイトに飛びます。念のための補足説明です。
投稿: 栗山求 | 2010年12月 9日 (木) 01:53