マンハッタンカフェ整理整頓(4)
■Northern Dancer(Nijinsky 以外)+Mr.Prospector
昨日のエントリーにこう記しました。
「“非主流血脈で構成されていること”はマンハッタンカフェの大きなアドバンテージです。傍流の血だけですでに高い能力を獲得しているわけですから、そこに主流血脈の活力を新たに上積みできるのは有利です。」
マンハッタンカフェ産駒は、“主流血脈を入れる”というごく単純な配合でもある程度うまくいきます。欧米豪で最も活発に枝葉を延ばしているサイアーラインは Northern Dancer と Mr.Prospector の両系。このふたつの血を同時に入れるのは効果的です。
Northern Dancer 系のなかでは Nijinsky との相性が良好。これは昨日「Nijinsky+Mr.Prospector」の項でご説明したとおりです。もちろん、それ以外の血がダメというわけではなく、ゲシュタルト、ハンソデバンド、メイショウクオリア、アントニオバローズ、ダイワバーバリアンといった馬たちは、非 Nijinsky の Northern Dancer と Mr.Prospector の組み合わせから誕生しています。
ゲシュタルト、ハンソデバンドは昨年の「栗山ノート」で推した馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007104975/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102537/
アントニオバローズ、ダイワバーバリアンはいずれも母の父が Kingmambo。この血は「Mr.Prospector×Nureyev(その父 Northern Dancer)」なのでセオリーに合致しており、しかも母は名牝 Miesque。こういうベタな良血は合います。「マンハッタンカフェ×Kingmambo」は今後も要チェックでしょう。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006104938/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100562/
■Sadler's Wells
レッドディザイア、ジョーカプチーノ、ゲシュタルトが当てはまります。G1馬が2頭に、G2馬が1頭ですから、他のパターンよりも大物感があるといえるでしょう。Sadler's Wells の底力が影響しているのだと思います。
マンハッタンカフェの2代母 Santa Luciana はドイツ血統です。ドイツ血統と Sadler's Wells の相性の良さについては、4月30日のエントリー「ドイツ血統と Sadler's Wells」で指摘しておりますのでご参照ください。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2010/04/sadlers-wells-a.html
ただ、Sadler's Wells は軽快なタイプではないので、この血が大きな顔で主張している配合は褒めづらいですね。レッドディザイアとジョーカプチーノは Caerleon を併せ持ち、後者にはさらにトウショウボーイとフォルティノが入ります。ゲシュタルトは Mr.Prospector 系のエンドスウィープを持ちます。素軽い血を主役に立てて、Sadler's Wells がサポートする……といった構造が理想です。この3頭のなかで Sadler's Wells を母の父に直接持つものは1頭もいません。いずれも3~4代目です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102929/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006100529/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007104975/
続きは明日。
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