2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

« マンハッタンカフェ整理整頓(2) | メイン | マンハッタンカフェ整理整頓(4) »

2010年7月 7日 (水)

マンハッタンカフェ整理整頓(3)

マンハッタンカフェの母サトルチェンジは、現役時代にイギリスとアイルランドで走り、3歳春にオークストライアルS(英LR・11f106yds)で3着となりました。芝向きの中距離タイプです。

ビワハイジの叔母に当たる良血で、世界的にひとつの潮流を成しているドイツ牝系に属しています。父は Ribot 系の Law Society。Northern Dancer や Mr.Prospector といった主流血脈は含まれていません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a000334/

“非主流血脈で構成されていること”はマンハッタンカフェの大きなアドバンテージです。傍流の血だけですでに高い能力を獲得しているわけですから、そこに主流血脈の活力を新たに上積みできるのは有利です。

■Caerleon

前出のビワハイジは、現役時代に阪神3歳牝馬S(G1)など3つの重賞を制した名牝で、繁殖牝馬としてもブエナビスタ、アドマイヤジャパン、アドマイヤオーラといった活躍馬を送り出しています。

ビワハイジはマンハッタンカフェの“いとこ”にあたります。この偉大な名牝が Caerleon を父に持つことは記憶に留めておくべきでしょう。マンハッタンカフェが Caerleon と抜群の相性を示していることは偶然とは思えません。

たとえば、ブエナビスタとレッドディザイアは配合構成がそっくりです。3代以内にサンデーサイレンス、Caerleon、Santa Luciana が共通しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103319/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102929/

            ┌ サンデーサイレンス
          ┌○┘
ブエナビスタ ―――┤ ┌ Caerleon
          └○┤
            └○┐
              └ Santa Luciana

            ┌ サンデーサイレンス
          ┌○┤
レッドディザイア ―┤ └○┐
          │   └ Santa Luciana
          │ ┌ Caerleon
          └○┘

ジョーカプチーノ、ガルボ、マッハヴェロシティ、レッドアゲートなどがこのパターンに当てはまります。レッドアゲートは母の父がスキャンで、その母が Caerleon の全妹です。

■Nijinsky+Mr.Prospector

マンハッタンカフェと Nijinsky は基本的に相性が良好です。ただ、母方に Nijinsky があれば無条件に走るわけではなく、2つのパターンに分類できます。

A)Caerleon(その父 Nijinsky)を持つもの
B)Mr.Prospector を併せ持つもの

Aパターンについては上で説明したとおりです。Bパターンからは、イコピコ、サンディエゴシチー、マンハッタンスカイ、レッドアゲート、メイショウレガーロなどが出ています(レッドアゲートはAB両パターンに該当)。重賞ではまだ連対がありませんがエーシンモアオバーなどもそうです。

欲をいえばヨーロッパのスタミナ血統を同時に入れたいところです。Mr.Prospector と Nijinsky を直接組み合わせると、ジェイドロバリーやスキャンといった軽いスピードタイプが出来上がります。要するにこういう血を母方に入れるわけですから重みが足りません。イコピコはトニービン、マンハッタンスカイは Ribot 系の Go for Gin、レッドアゲートはシーホーク、メイショウレガーロは Ribot 系の Hoist the Flag を5×5で持っています。重厚な血をワンポイントでも入れておかないと重賞クラスまでなかなか上がってこれません。

続きは明日。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/427673/24640919

マンハッタンカフェ整理整頓(3)を参照しているブログ:

コメント

マンカフェシリーズ、非常にパターンが細分されていて解りやすいです。サンデーの中ではどちらかと言うと奥手で長距離血統のマンカフェには、種馬としてこれからももっと活躍して子孫を残して欲しいです。ですから牝馬に大物が出てますが、牡馬も大物出て欲しいもんですね。

いつもお読みいただきありがとうございます。

レッドディザイアの牡馬版、といった馬が早く現れて欲しいですね。贅沢な注文ですが、物足りないのはそこだけです。

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!