マンハッタンカフェ整理整頓(3)
マンハッタンカフェの母サトルチェンジは、現役時代にイギリスとアイルランドで走り、3歳春にオークストライアルS(英LR・11f106yds)で3着となりました。芝向きの中距離タイプです。
ビワハイジの叔母に当たる良血で、世界的にひとつの潮流を成しているドイツ牝系に属しています。父は Ribot 系の Law Society。Northern Dancer や Mr.Prospector といった主流血脈は含まれていません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a000334/
“非主流血脈で構成されていること”はマンハッタンカフェの大きなアドバンテージです。傍流の血だけですでに高い能力を獲得しているわけですから、そこに主流血脈の活力を新たに上積みできるのは有利です。
■Caerleon
前出のビワハイジは、現役時代に阪神3歳牝馬S(G1)など3つの重賞を制した名牝で、繁殖牝馬としてもブエナビスタ、アドマイヤジャパン、アドマイヤオーラといった活躍馬を送り出しています。
ビワハイジはマンハッタンカフェの“いとこ”にあたります。この偉大な名牝が Caerleon を父に持つことは記憶に留めておくべきでしょう。マンハッタンカフェが Caerleon と抜群の相性を示していることは偶然とは思えません。
たとえば、ブエナビスタとレッドディザイアは配合構成がそっくりです。3代以内にサンデーサイレンス、Caerleon、Santa Luciana が共通しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006103319/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102929/
┌ サンデーサイレンス
┌○┘
ブエナビスタ ―――┤ ┌ Caerleon
└○┤
└○┐
└ Santa Luciana
┌ サンデーサイレンス
┌○┤
レッドディザイア ―┤ └○┐
│ └ Santa Luciana
│ ┌ Caerleon
└○┘
ジョーカプチーノ、ガルボ、マッハヴェロシティ、レッドアゲートなどがこのパターンに当てはまります。レッドアゲートは母の父がスキャンで、その母が Caerleon の全妹です。
■Nijinsky+Mr.Prospector
マンハッタンカフェと Nijinsky は基本的に相性が良好です。ただ、母方に Nijinsky があれば無条件に走るわけではなく、2つのパターンに分類できます。
A)Caerleon(その父 Nijinsky)を持つもの
B)Mr.Prospector を併せ持つもの
Aパターンについては上で説明したとおりです。Bパターンからは、イコピコ、サンディエゴシチー、マンハッタンスカイ、レッドアゲート、メイショウレガーロなどが出ています(レッドアゲートはAB両パターンに該当)。重賞ではまだ連対がありませんがエーシンモアオバーなどもそうです。
欲をいえばヨーロッパのスタミナ血統を同時に入れたいところです。Mr.Prospector と Nijinsky を直接組み合わせると、ジェイドロバリーやスキャンといった軽いスピードタイプが出来上がります。要するにこういう血を母方に入れるわけですから重みが足りません。イコピコはトニービン、マンハッタンスカイは Ribot 系の Go for Gin、レッドアゲートはシーホーク、メイショウレガーロは Ribot 系の Hoist the Flag を5×5で持っています。重厚な血をワンポイントでも入れておかないと重賞クラスまでなかなか上がってこれません。
続きは明日。
マンカフェシリーズ、非常にパターンが細分されていて解りやすいです。サンデーの中ではどちらかと言うと奥手で長距離血統のマンカフェには、種馬としてこれからももっと活躍して子孫を残して欲しいです。ですから牝馬に大物が出てますが、牡馬も大物出て欲しいもんですね。
投稿: Bucchi | 2010年7月 7日 (水) 22:07
いつもお読みいただきありがとうございます。
レッドディザイアの牡馬版、といった馬が早く現れて欲しいですね。贅沢な注文ですが、物足りないのはそこだけです。
投稿: 栗山求 | 2010年7月 8日 (木) 00:22