マンハッタンカフェ整理整頓(5)
■母が Northern Dancer を複数持つ(4代以内)
Northern Dancer は依然として世界のメインストリームを形成する血です。したがって、「母が4代以内に Northern Dancer を複数持つ」ということは、“マンハッタンカフェは主流血統と相性がいい”という前回までの説明とリンクします。
レッドディザイア、ジョーカプチーノ、ゲシュタルト、ガルボ、ヒルノダムール、ココナッツパンチがこのパターンにあてはまります。レッドディザイアは母が Northern Dancer 3×3です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102929/
Northern Dancer 系は世界のあらゆる馬場に適応しています。芝でもダートでもオールウェザーでもお構いなし。この系統の美点はたくさんありますが、なかでも“筋力の強さ”はその最大のものではないでしょうか。これがベースとなってさまざまな系統が発展しています。
現役時代のマンハッタンカフェはヨーロッパの香り漂うステイヤーでした。体の線が綺麗で動きが柔らかく、切れ味勝負に強い反面、非力なところが見られました。こうした特徴は産駒にも伝わっているように思います。母方の Northern Dancer クロスによって筋肉を増強することは、産駒のパワー不足を補う上で有効です。マンハッタンカフェが基本的にアメリカ血統と好相性を示しているのは、こうした部分にも理由があるような気がします。アメリカ馬は一般的に、ガッチリとした馬格、豊富な筋肉を備えておりパワーがあります。
ヒルノダムールとガルボは配合構成がよく似ています。ヒルノダムールは、母シェアエレガンスが Nijinsky≒The Minstrel 2×3。ガルボは、母ヤマトダマシイが Nijinsky≒Far North 3×3。Far North と The Minstrel は全きょうだいなので構造はよく似ています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100727/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007101163/
両者ともこのような硬質な4分の3同血クロスを持つ上に、前者の母の父はラムタラ、後者の母の父はジェネラスと、これまた柔軟性に欠ける硬い血です。
マンハッタンカフェは、自身が柔らかすぎるので、交配相手の牝馬がこれぐらい硬くても問題ありません。むしろ、そのほうがいいような気がします。硬めのアメリカ血統が入らない産駒は、フニャフニャで頼りなく、大物感がありません。
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