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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年7月 4日 (日)

オグリキャップ死す

自分とオグリキャップの個人的な関係を語れば、3歳時は“幻のダービー馬”と呼ばれていることに不快感を持っていました。本物のダービー馬サクラチヨノオーのファンだったからです。4歳以降はすでに競馬業界で働き始めていたので、日々の仕事に忙殺され競馬を楽しむどころではありませんでした。

オグリキャップに思い入れを持つ機会を失ったまま、あの時代をやり過ごしてしまったことがよかったのか悪かったのかわかりません。同世代の競馬好きはオグリキャップをきっかけに競馬にのめり込んだ方が多く、彼らが熱く“オグリキャップ体験”を語り合っている横で、自分はイマイチ話に乗りきれず、あの時代にとんでもない忘れ物をしてしまったのではないかと、その話題が出るたびに思ったものです。

ただ、オグリキャップの強さはもちろん認めていました。4歳秋のマイルCS→ジャパンCの連闘も凄いと思いましたが、いま振り返って最も強く印象に残っているのは5歳春の安田記念。休み明けをものともせず1分32秒4のレコードで楽勝したレースです。
http://www.youtube.com/watch?v=3CAKpRFNxH4

4歳秋の時点でオグリキャップの偶像化はほぼ完成しており、ハイセイコー以来ひさびさに1頭のサラブレッドが競馬の枠を超えてひとり歩きを始めていました。安田記念が自分のなかに強い印象をもたらしたのは、どんどん肥大化していく“オグリキャップ”という虚像に、実像がググッと近づいて一致するという、そのダイナミズムに心を動かされたからだろうと思います。「やっぱり強いなぁ……」と心底感心しました。

初年度産駒がデビューしたのはサンデーサイレンスと同じ94年。新聞や雑誌で日米種牡馬対決を煽る企画などもあったように記憶しています。片や歴史的大成功を収め、片や歴史的大失敗となりました。1600mを1分32秒4、2400mを2分22秒2で走破する能力の持ち主が、自身の資質をまったくといっていいほど伝えられなかったのは神秘的な印象すら受けます。

当時のレースを YouTube で見ると、映像の向こう側にある“熱度”に圧倒されます。それは言い換えれば“ピープルズホースが存在する時代の幸福感”であるような気がします。

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