George Washington 唯一の産駒がデビュー勝ち
栄光と悲劇のジェットコースター、それが George Washington(父デインヒル)です。生涯の軌跡を簡単にたどると以下のようになります。
G1を3勝した Grandera の半弟として誕生
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英2000ギニーなどG1を4勝
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種牡馬入り
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受胎率が悪く現役復帰
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レース中に骨折安楽死
4歳時にいったん種牡馬入りした際、数十頭の繁殖牝馬と交配し、受胎したのはたった1頭でした。そのときにできた Date With Destiny という牝駒が忘れ形見となりました。
この Date With Destiny はデキがよかったようで、先日、イギリスのニューベリー競馬場で見事デビュー戦を飾りました。血統的にはジェルミナル(フェアリーS)の叔母にあたります。George Washington は軽快なスピードタイプなので、重厚な Rainbow Quest が母の父に入るのは好感が持てます。
http://www.pedigreequery.com/date+with+destiny5
生涯に産駒をたった1頭しか残せなかった種牡馬というのは記憶にありません。2頭ならスズカシンプウがいます。同馬は父シーホーク、母ヒガシジョオー(67年の東京大賞典で南関東三冠馬ヒカルタカイを破って優勝)という良血で、現役時代に日経新春杯と小倉記念を制覇。種牡馬となったあと早世したため、たった2頭しか産駒がいませんでした。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1975102738/
しかし、そのうちの1頭カツノコバンは北関東公営で重賞を勝ちまくり、89年春に中央へ移籍。緒戦の阪神大賞典(G2)では11頭中10番人気ながら2着。次走の天皇賞・春(G1)は5番人気に推され有力馬の1頭と見なされたものの、道中で骨折して予後不良となりました。勝ったのは同じ公営出身のイナリワン。武豊騎手が騎乗して5馬身差の圧勝でした。このレースではカツノコバンの馬券を買っていたのでよく覚えています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1984104143/
父スズカシンプウに騎乗したのも、息子のカツノコバンを管理したのも松田博資調教師。いつか師にインタビューする機会があれば、この親子について聞いてみたいものです。
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