ディープインパクトの牝系をクロスさせてみると
3月26日のエントリーの続きです。
ディープインパクトの牝系は、もともとイギリス王室が所有していました。5代母の Hypericum は、当時の国王ジョージ六世の愛馬として英1000ギニーを快勝。現女王が所有した3代母の Highclere は、英1000ギニーと仏オークスを勝ったあと、キングジョージ六世&クイーンエリザベスSで屈強な古馬を相手に2着と健闘しました。イギリスが誇る最高級の名血です。
ディープインパクトの2代母 Burghclere は、Nashwan(英二冠馬)の母 Height of Fashion と4分の3同血の関係にあります。この牝系の活力はいまだに衰えていません。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002100816/
http://www.pedigreequery.com/nashwan
ディープインパクトの血統表を見て、この牝系を強化したらおもしろいのではないか、と考えるのはごく自然な発想です。ディープインパクトを特別な存在たらしめた配合上のキーポイントは何かと考えたとき、この牝系をひとつの候補として見るのは当然でしょう。
「トラップファミリーの2008」はエルコンドルパサーを作った渡辺隆氏の配合馬です。詳しい説明は抜きでとにかく血統表を見ていただきたいと思います。また今年も『競馬王のPOG本』の取材でうかがう予定なので、この馬についてじっくりお話を聞いてこようと思います。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008105119/
「プラウドビューティーの2008」は山本英俊氏が所有し、角居勝彦厩舎に入るとのことです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102980/
「ペトラの2008」はミッキーペトラ(弥生賞2着)の半妹で、池江泰郎厩舎に入るとのことです。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008101017/
こうした配合は、たしかに冒険ではありますが、やってみる価値はあると思います。ただ、牝系のクロスは作ろうと思ってもそう簡単に作れないという難点があります。もう少し汎用性の高い配合パターンはないかと問われれば、「母系に Aureole を持つ配合」をお勧めします。Aureole は英愛リーディングサイアーに2回輝いた名種牡馬で、セントクレスピンや St.Paddy の父、Vaguely Noble の2代父です。そして、ディープインパクトの5代母 Hypericum と4分の3同血の関係にあります。代は遠くなりますがこの関係は悪くないと思います。
┌ Hyperion
Aureole ―┤
└○┐
└ Feola
┌ Hyperion
Hypericum ┤
└ Feola
この時期お忙しい中、コメントへのレス、ありがとうございます。
私も母トラップファミリーと母プラウドビューティーはTargetで
見て面白そうだなぁと思っていました。とくにトラップファミリーは
渡邊オーナーらしいと感じていたところです。
今年も栗山さんのPOG関係の執筆がある本は全て買います
ので、楽しみにインタビューやオススメ配合を待っています。
投稿: にいはら | 2010年3月31日 (水) 05:02
こちらこそありがとうございます。
トラップファミリーは「!!!」という配合ですよね。大ホームランか、あるいは三振か……。スリリングすぎます。馬のデキについてもよくうかがってこようと思います。
投稿: 栗山求 | 2010年3月31日 (水) 05:53