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くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

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2010年3月19日 (金)

母の父にサンデーサイレンスを持つと

父として偉大だったサンデーサイレンスは、母系に入っても偉大です。あらためて説明するまでもないでしょう。2007年からブルードメアサイアーランキングで首位を走り続けています。

では、主要な非サンデー系種牡馬が母の父にサンデーを持つ場合、そうでない場合に比べてどれくらい成績が向上するのか、1走あたりの賞金額で比較してみます。

          母の父SS以外 母の父SS   上昇率
ジャングルポケット  160万円  323万円  201%
タニノギムレット   171万円  234万円  136%
クロフネ       144万円  196万円  136%
フレンチデピュティ  171万円  216万円  126%
キングカメハメハ   161万円  199万円  123%
シンボリクリスエス  147万円  156万円  106%

最も上昇率が高いのはジャングルポケット。母の父にサンデーを持つ場合、それ以外の配合と比べて、1走あたりの賞金額が倍以上跳ね上がることがわかります。他の種牡馬と比較してもダントツです。トールポピー、フサイチホウオー、トーセンキャプテン、アプリコットフィズ、ジャガーメイルなど活躍馬が目白押しなので、この数字はうなずけるところです。POGでも、じっさいに馬を買う場合でも、「ジャングルポケット×サンデー」は大きな戦力として期待できます。

タニノギムレットはウオッカ1頭の影響が大きすぎるので、もしこれがいないとすると、「母の父サンデー以外」の賞金は152万円となるので、上昇率は153%となります。これも高いですね。

キングカメハメハはここ数ヵ月、ローズキングダムを筆頭に母の父サンデーの活躍が目立ちます。昨年12月以降に限定すると、「母の父サンデー」の1走あたりの賞金額は303万円とジャンプアップ。ただ、それでもジャングルポケットには届きません。

逆に、シンボリクリスエスは上昇率が低く、母の父にサンデーを持っていても持っていなくてもほとんど変わりません。この馬は1走あたりの賞金額そのものが低いですね。

昨年夏に行われたセレクトセール2009(当歳馬&1歳馬)で、「ジャングルポケット×サンデー」は4頭落札され、その平均価格は2137万円でした。一方、シンボリクリスエス産駒は20頭落札され、その平均価格は4095万円でした。

つまり、「ジャングルポケット×サンデー」は1走あたり323万円も稼いでいるのにセレクトセールの平均落札価格は2137万円。一方、シンボリクリスエス産駒は1走あたり147万円しか稼いでいないのに平均落札価格は4095万円。どちらがいい買い物をしているのか一目瞭然です。

“ロジ”の冠名で知られる久米田正明氏は、持ち馬の連対率が50%を超えるという驚異的な成績を挙げているのですが、昨年の同セールで「ジャングルポケット×サンデー」を1頭、しっかり落札しています。馬選びのうまいオーナーはやはりひと味違います。

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