母の父にサンデーサイレンスを持つと
父として偉大だったサンデーサイレンスは、母系に入っても偉大です。あらためて説明するまでもないでしょう。2007年からブルードメアサイアーランキングで首位を走り続けています。
では、主要な非サンデー系種牡馬が母の父にサンデーを持つ場合、そうでない場合に比べてどれくらい成績が向上するのか、1走あたりの賞金額で比較してみます。
母の父SS以外 母の父SS 上昇率
ジャングルポケット 160万円 323万円 201%
タニノギムレット 171万円 234万円 136%
クロフネ 144万円 196万円 136%
フレンチデピュティ 171万円 216万円 126%
キングカメハメハ 161万円 199万円 123%
シンボリクリスエス 147万円 156万円 106%
最も上昇率が高いのはジャングルポケット。母の父にサンデーを持つ場合、それ以外の配合と比べて、1走あたりの賞金額が倍以上跳ね上がることがわかります。他の種牡馬と比較してもダントツです。トールポピー、フサイチホウオー、トーセンキャプテン、アプリコットフィズ、ジャガーメイルなど活躍馬が目白押しなので、この数字はうなずけるところです。POGでも、じっさいに馬を買う場合でも、「ジャングルポケット×サンデー」は大きな戦力として期待できます。
タニノギムレットはウオッカ1頭の影響が大きすぎるので、もしこれがいないとすると、「母の父サンデー以外」の賞金は152万円となるので、上昇率は153%となります。これも高いですね。
キングカメハメハはここ数ヵ月、ローズキングダムを筆頭に母の父サンデーの活躍が目立ちます。昨年12月以降に限定すると、「母の父サンデー」の1走あたりの賞金額は303万円とジャンプアップ。ただ、それでもジャングルポケットには届きません。
逆に、シンボリクリスエスは上昇率が低く、母の父にサンデーを持っていても持っていなくてもほとんど変わりません。この馬は1走あたりの賞金額そのものが低いですね。
昨年夏に行われたセレクトセール2009(当歳馬&1歳馬)で、「ジャングルポケット×サンデー」は4頭落札され、その平均価格は2137万円でした。一方、シンボリクリスエス産駒は20頭落札され、その平均価格は4095万円でした。
つまり、「ジャングルポケット×サンデー」は1走あたり323万円も稼いでいるのにセレクトセールの平均落札価格は2137万円。一方、シンボリクリスエス産駒は1走あたり147万円しか稼いでいないのに平均落札価格は4095万円。どちらがいい買い物をしているのか一目瞭然です。
“ロジ”の冠名で知られる久米田正明氏は、持ち馬の連対率が50%を超えるという驚異的な成績を挙げているのですが、昨年の同セールで「ジャングルポケット×サンデー」を1頭、しっかり落札しています。馬選びのうまいオーナーはやはりひと味違います。
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