逆転の発想、マカニビスティー大井移籍
その手があったか!と思いました。ダートの未勝利戦、500万下を圧勝した3歳牡馬マカニビスティー(父ゼンノロブロイ)が、この時期としては異例の大井移籍に踏み切りました。
中央所属のダート強豪は、3歳6月のユニコーンSが来るまで、言葉は悪いですが店ざらし状態です。OP特別はあっても重賞がひとつもありません。OP特別の数も少ないと思います。3歳1~6月のダートOP特別は、現在、ヒヤシンスS、伏竜S、端午S、昇竜Sの4つ。08年まで2回京都開催に組まれていたバイオレットSは廃止となり、ますます使えるレースが減りました。
クラシック前にダートの高額賞金レースをいくつも作ると、そこで賞金を稼いだダート馬が、芝のクラシックに出てきて出走枠を占めることになりかねません。そうした事態をJRAは恐れているのでしょう。
ダートの強豪は、出走できるレースがないために、意味もなく休養したり、芝のレースに出たりして、肩身の狭い思いをしています。マカニビスティー自身、前走は芝のアーリントンCに出走しました(10着)。そうした状況を眺めるうちに陣営の誰かが閃いたのでしょう。――いっそ地方へ移籍してしまえ!
その昔、“アラブの魔女”といわれたイナリトウザイが、3歳春に中央から大井へ移籍し、見事アラブダービーを制覇したことがありました。これとやや状況が似ています。
マカニビスティーを管理する矢作芳人調教師は、大井競馬の矢作和人元調教師(昨年5月に引退)のご子息です。また、馬主の備前島敏子さんは、大井競馬に何頭かの馬を預けています。そうしたコネクションから話が進んだものと推測します。
4月21日に行われる三冠の第一弾・羽田盃(ダ1800m)は1着賞金4000万円。6月2日の三冠第二弾・東京ダービー(ダ2000m)は4500万円。これは魅力的です。大井の馬場に慣れておけば、7月14日のジャパンダートダービー(ダ2000m・5000万円)も有利でしょう。ひょっとしたら羽田盃の前にトライアルの京浜盃(3月18日・ダ1700m・2500万円)を使うかもしれません。
昔は、いったん中央から地方へ移籍すると、再転入は認められませんでしたが、現在は地方で2勝を挙げれば戻ってこられます。マカニビスティーにとってはたやすいことでしょう。1月5日のエントリーで採り上げたように配合的に高く評価している馬です。活躍を期待したいですね。
コメント