2024年4月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
くりやま もとむ Profile
大学在学中に競馬通信社入社。退社後、フリーライターとなり『競馬王』他で連載を抱える。緻密な血統分析に定評があり、とくに2・3歳戦ではその分析をもとにした予想で、無類の強さを発揮している。現在、週末予想と回顧コラムを「web競馬王」で公開中。渡邊隆オーナーの血統哲学を愛し、オーナーが所有したエルコンドルパサーの熱狂的ファンでもある。
栗山求 Official Website
http://www.miesque.com/

« 世紀の女傑対決、お流れに | メイン | 母の父にサンデーサイレンスを持つと »

2010年3月18日 (木)

ラストタイクーンと Mill Reef クロス

今週はスプリングS、若葉S、フラワーCが行われます。これが終われば本番の勢力図はほぼ明らかになります。馬場状態にもよりますが、現時点では大きな波乱はないのでは、と考えています。

スプリングSのローズキングダムとフラワーCのサンテミリオンは、配合構成がよく似ています。近い世代に、サンデーサイレンス、ラストタイクーン、Mr.Prospector、Mill Reef が共通しています。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007103404/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007102958/

            ┌ Mr.Prospector
          ┌○┘
        ┌○┤ ┌ラストタイクーン┐ ┌ Mill Reef
        │ └○┘        └○┘
ローズキングダム┤ ┌サンデーサイレンス
        │ │   ┌ Mill Reef
        └○┤ ┌○┘
          └○┘

          ┌サンデーサイレンス
          │   ┌ Mr.Prospector
        ┌○┤ ┌○┘
        │ └○┘
サンテミリオン―┤ ┌ラストタイクーン┐ ┌ Mill Reef
        │ │        └○┘
        │ │   ┌ Mill Reef
        └○┤ ┌○┘
          └○┘

ラストタイクーンは、キングカメハメハの母の父になったことで、このところまた存在感が増しているような気がします。芝向きのマイラーで小回りコースが得意、というタイプです。
http://www.pedigreequery.com/last+tycoon

現役時代はヨーロッパで走り、スプリンター(それも良績は5fのみ)として活躍していたのですが、何を思ったか3歳秋にブリーダーズCマイル(芝8f)に挑戦し、まったくの人気薄ながら鮮やかに抜け出して勝ってしまいました。サンタアニタの小回りコースを器用にこなした姿が印象的でした。
http://www.youtube.com/watch?v=mMmZbFmYmDY

キングカメハメハのレースでいちばん好きなのはNHKマイルCです。マイルにおけるあのスピードは「ラストタイクーンっぽい」と感じたものです。ただ、種牡馬となって産駒が出てみると、東京コースに強く、ダートを苦にしないので、Kingmambo 的な要素も色濃くうかがえます。

ラストタイクーンは、La Troienne 牝系を凝縮した Sex Appeal を父方に持つにもかかわらず、ダートがまるっきり下手なので、母方から受け継いだものが多いのではないかと推察されます。したがって、母の父 Mill Reef を強調した配合は悪くないでしょう。Adlerflug(独ダービー、ドイツ賞)や Viva Pataca(香港年度代表馬、ドバイシーマクラシック-2着)、そして Alinghi(豪で4つのG1を含むGレース9勝の名牝)の母など、ラストタイクーンを含んだ Mill Reef クロス馬は、ここ数年活躍が目につきます。
http://www.pedigreequery.com/adlerflug2
http://www.pedigreequery.com/viva+pataca
http://www.pedigreequery.com/alinghi

ローズキングダムは Mill Reef 5×4、サンテミリオンは母が Mill Reef 3×3なので、このパターンに当てはまります。

サンデーサイレンスとラストタイクーンの組み合わせから誕生した最高傑作は、父フジキセキの豪州産馬 Sun Classique(ドバイシーマクラシックなどG1を4勝)。同馬は Mill Reef クロスこそ持っていませんが、その母 Milan Mill のクロス(5×5)を持っています。やはりラストタイクーンに関しては、Mill Reef 近辺の血を強化するのが有効なテクニックのひとつではないかと思います。
http://www.pedigreequery.com/sun+classique

ローズキングダムとサンテミリオンは、Sun Classique と配合が似ています(近い世代でサンデーとラストタイクーンが共通)。気の早い話ではありますが、洋芝適性はあるでしょうし、オールウェザーを苦にするタイプとも思えないので、来年はドバイに行ってほしいですね。今週の競馬だけでなくこの先どんな競走生活を送るのか興味深く見守りたいと思います。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/427673/23617566

ラストタイクーンと Mill Reef クロスを参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

競馬王 2011年11月号
『競馬王11月号』の特集は「この秋、WIN5を複数回当てる」。開始から既にWIN5を3回的中させている松代和也氏の「少点数に絞る極意」、Mr. WIN5の伊吹雅也氏が、気になる疑問を最強データとともに解析する「WIN5 今秋の狙い方」、穴馬選定に困った時のリーサルウェポン、棟広良隆氏&六本木一彦氏の「WIN5は『穴馬名鑑』に乗れ!」、オッズから勝ち馬を導き出す柏手重宝氏の「1億の波動(ワオ!)」、亀谷敬正氏&藤代三郎氏が上位人気の取捨を極める「迷い続ける馬券術」、夏競馬期間中WIN5を6戦3勝している秘訣を探る「赤木一騎の次なる作戦」など、この秋、一度ならず二度、三度とWIN5を的中させるための術が凝縮されています!! また「大穴の騎手心理」では、世界を股にかけるトップジョッキー・蛯名正義騎手をゲストにお迎えしました。その他、今井雅宏氏の「新指数・ハイラップ指数大解剖」や、久保和功氏の「京大式・推定3ハロン」など、盛り沢山の内容となっています!!