ウオッカはアイルランドのギルタウンスタッドへ
今朝の『サンケイスポーツ』によれば、今年春からウオッカはアイルランドのギルタウンスタッドで繁殖生活を送るそうです。ここはアガ・カーン四世殿下が所有する名門牧場。数年間滞在し、産駒は日本で走らせるとのこと。
無責任な外野の意見を述べれば、日本のクラシックを狙うならサンデー系に優る種牡馬はいないでしょうし、ヨーロッパで種付けをするならヨーロッパで走らせたほうがいいような気もします。ただ、そうした短期的視点ではなく長期的視点でとらえれば、海外の超一流血統を取り込む意義は大きいと思います。また、サンデー系とブライアンズタイム系の相性は、芝で走らせる分には現状やや微妙なものがあるので、1代ヨーロッパの血を入れて、そのあとサンデー系を持ってくる、という選択も悪くないかもしれません。
ウオッカはこの現代にあって、Northern Dancer も Mr.Prospector もサンデーサイレンスも含んでいない貴重な血統です。それらの血を新たな活力として導入できるわけですから、何を付けても走ってしまう可能性すらあります。
日本の超一流牝馬が海外に渡った例といえば、ハギノトップレディ、タレンティドガール、マックスビューティ、ビリーヴなどが頭に浮かびます。海外での種牡馬選びは、どうしてもネームバリューに頼りがちになり、種牡馬の評価は変動が激しいので、なかなか難しいものがあります。ハギノトップレディがグランディを付けたら、その後グランディが輸入され、タレンティドガールがダンシングブレーヴを付けたら、その後ダンシングブレーヴが輸入されたことを思い出します。ビリーヴがキングマンボとの間にファリダットを出したのは稀な成功例です。
以前、ウオッカとダイワスカーレットの組み合わせ血統表を作ってみたところ、その配合のすばらしさに思わず笑ってしまったことがありました。どちらかが牡馬だったら……と残念に思ったものです。
ウオッカの母タニノシスターは、娘がダービーを勝った春にタニノギムレットと交配しました。翌08年に生まれたのは牝馬、つまりウオッカの全妹です。同年のセレクトセールでダーレーが1億500万円で落札し、今年の夏にデビュー予定です。
08年は不受胎、そして09年はまたもタニノギムレットと交配し、今度は受胎しました。もうじき生まれる子馬は牡か、牝か? もし牡なら将来種牡馬となってダイワスカーレットと交配してほしいものです。遠い未来の妄想ですが……。
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