引退調教師のキツイ一発にそろそろ警戒しよう
この時期になると、新規開業調教師のニュースが大きく取り上げられますが、馬券戦略的見地で捉えた場合、大事なのは開業する方ではなくて、引退する調教師の方。なぜならこの時期、不思議と引退する調教師が強烈な穴をあけることがままあるからです。
近年の有名どころで言うと、2019年の柴田政人調教師の例があります。柴田厩舎は前年(2018年)未勝利。手駒が変わるわけではありませんから、普通に考えれば年が明けても苦戦は免れられぬところ。
ところが年が明けて、迎えた1月19日にウイニングメイビー(1番人気)で待望の勝利を掴みます。この勝利で、“引退の良い餞になった。良かったね…”と誰もが思いました(実際マスコミにもこの勝利が取り上げられていたと思います)。ところが、ここで終わりではなかったのです。そこから約1ヶ月。いよいよ来週に引退が差し迫った2月16日に“事件”は起こります。
その日の東京4Rの新馬戦に登場してきたチバタリアンは、新馬戦でもっとも大事である要素の“調教面”がサッパリ。血統面他でもこれといった見どころがあるわけではなく、世間の評価は皆無に等しいもの。実際、16頭立ての16番人気で、単勝オッズは118.7倍でしたから、餞別代わりで単勝馬券を買っている人も殆どいなかったのではないでしょうか。
ところが、チバタリアンは、そんな世間の低評価をあざ笑うかのように4角12番手から最速の上がりをマークして勝利をもぎとってみせたのです。「柴田政人厩舎、もう一発あったんかい!」と私を含む引退調教師マニアがみなズッコケたのは言うまでもありません。
今年はそんなことにならないよう、引退調教師には1月から狙いを定め、2月末まで、どんな人気薄であろうが、どんだけ調教で走ってなかろうが、少なくとも餞別の単勝馬券だけは買っておこうと心に刻むのであります。
そんなわけで、以下が2021年2月一杯で引退する調教師の皆様です。長い間、本当にお疲れ様でした。最後に、私にキツ~イ一発をお恵み下さいませ。(※勝利数は1月5日終了時点)
角居勝彦 761勝
石坂正 686勝
松田国英 633勝
西浦勝一 454勝
田所秀孝 367勝
湯窪幸雄 267勝
西橋豊治 213勝
星野忍 130勝