切れ味非凡、アドマイヤムーン産駒アルキメデス

■土曜京都5Rの新馬戦(芝2000m)は、好位追走の▲アルキメデスが危なげなく抜け出し、単勝1.5倍の圧倒的人気に応えました。
http://www.youtube.com/watch?v=F886O8UKqWA

先週はアドマイヤムーン産駒が好調で、このほか萩S(OP)をスノードンが勝ち、くるみ賞(500万下)ではレオアクティヴが2着となりました。10月に入ってからわずか1勝と、勝ち上がりのペースがやや鈍っていましたが、月末になんとか帳尻を合わせました。

アルキメデスもスノードンも直線が平坦な京都コースでの勝利。ローカルと京都の芝では連対率42.9%と強いものの、直線に坂のある東京、中山、阪神の芝では連対率22.2%と落ちます。まだサンプルは少ないものの、現時点では直線が平坦となっているコースのほうが持ち味を活かしやすい、という傾向は見て取れます。

アルキメデスは調教で好時計をマークしたため、ガチガチの1番人気でした。母アーキオロジーは「Seeking the Gold×Storm Cat」とパワーが前面に出た配合で、Sky Mesa(米G1馬で種牡馬としても成功)の半妹でもあります。本馬の半兄アストロロジー(父アグネスタキオン)にはユニコーンS(G3・ダ1600m)の予想で◎を打ったほどです。切れ味勝負になったときにどうなのか、ペースが上がった場合は距離が長いのではないか、という懸念があったのですが、杞憂に終わりました。ラスト2ハロンは11秒0-11秒3。アドマイヤムーン産駒の切れ味はやはり非凡です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102619/

現時点では母方に Mr.Prospector を持つアドマイヤムーン産駒は連対率31.8%、持たない場合は35.7%と、さほど大きな違いはありません。母方に Seeking the Gold を持つアドマイヤムーン産駒には、ほかにレッドアーヴィングなどがいます。9月の札幌新馬戦(芝1800m)を大物感あふれるレースぶりで快勝した馬です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106100/

レッドアーヴィングもアルキメデスも、母がパワー型のアメリカ血統で構成されています。この部分が父の柔らかさに一本芯を通す働きをし、大物感の源泉となっているのかもしれません。

■土曜東京5Rの新馬戦(芝1400m)は、△トーホウジュリア(1番人気)がマイペースで逃げ切りました。
http://www.youtube.com/watch?v=dSYF8284Duk

新種牡馬メイショウボーラーは健闘しています。デビュー前の下馬評からすると現時点の7勝は文句なしの好成績で、この日、東京競馬場で2レース組まれた新馬戦はいずれもメイショウボーラー産駒が制しました。同産駒は総じて仕上がりが早く、逃げてしぶといですね。メイショウボーラーの現役時代の姿がこの特長と重なります。1番人気で強いというのも特筆できます。

約2ヵ月前、メイショウボーラー産駒のヴィンテージイヤーが勝った際の回顧で、「種牡馬としては7:3ぐらいでダート向きかなという気がします」と記しました。現時点では芝連対率13.3%、ダート連対率25.9%という成績なので、やはりダートのほうが信頼できます。芝では緩急が要求される1600~1800mには向かず、かといって1200m向きの快速タイプでもないので、いまのところ1400mに良績が集中しています。今回の勝利で6戦3勝となりました。

芝だったので評価を下げてしましましたが、拙速な判断であったと悔やまれます。サンデー系のアグネスタキオンを母の父に持ち、Halo 4×4ですからダートオンリーという配合ではありません。そして、Storm Cat とマルゼンスキーのニックスを持ち、自身は Nijinsky≒Storm Bird≒The Minstrel 4・5×4・5。芝で走るメイショウボーラー産駒のひとつのパターンとなってもおかしくない好配合です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009103643/

2代父タイキシャトルは Nijinsky と相性がよく、父メイショウボーラーは Nijinsky≒Storm Bird 4×3ですから、このあたりを刺激する配合は芝向きダート向きを問わず悪くないでしょう。

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      血 統 屋 http://www.miesque.com/
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