アラブの血を持つ2歳馬ゴーディー、本日大井で出走

15年前にJRAのアラブ系競走が廃止されたあと、馬資源の減少から地方競馬でも徐々に廃止するところが増え、現在ではアラブ系限定の競走は存在しません。

かつては、アングロアラブのトップクラスがサラブレッドを負かすことも珍しくありませんでした。中央競馬ではセイユウがセントライト記念に勝ち、南関東ではイナリトウザイ(東京盃)、ヨシノスカレー(報知グランプリC)、ホーエイヒロボーイ(報知グランプリC)、コスモノーブル(報知グランプリC)、トチノミネフジ(報知グランプリC)がサラブレッドを破って重賞を制覇しました。
http://ahonoora.web.fc2.com/seiyu.html
http://ahonoora.web.fc2.com/inari_touzai.html
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1982501096/

ですから、アラブ系競走が廃止されたといっても、サラブレッドと同等のレベルにあるトップクラスのアングロアラブを、生産者が見捨てたわけではありません。名牝クラスの馬はしっかり繁殖入りし、サラブレッドとの間に産駒を送り出しています。当ブログでもこの話題は一度取り上げました(09年12月9日のエントリー「アラブの名牝の子トライバルシンが新馬戦5着」)。
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2009/12/post-6670.html

本日、大井競馬9Rのくまたか特別(19時40分発走)に、ゴーディーという2歳馬が出走します。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008200010/

父は1世代16頭の産駒を残して乗馬に転身したプレシャスカフェ。この馬はCBC賞(G2)とシルクロードS(G3)を勝ったサラブレッドです。一方、母イケノエメラルドは、アラブダービー(笠松)、アラブ王冠(名古屋)、アラブギフ大賞典(笠松)など60戦27勝の成績を残したアングロアラブ。母の父コノミテイオーは楠賞全日本アラブ優駿(園田)の勝ち馬です。

母イケノエメラルドはスカレー4×3。スカレーは70年代から80年代にかけて活躍したアラブの名種牡馬ですが、種牡馬生活の前半はタガミホマレに、後半はスマノダイドウとキタノトウザイ(父スカレー、母イナリトウザイ)の二強体制に阻まれ、一度もリーディングサイアーの座に就けませんでした(78年から86年まで9年連続2~3位)。しかし、優れた資質を伝える種牡馬であることは間違いなく、全日本アラブ大賞典、アラブーダービー、アラブ王冠賞などを勝ったオオヒエイは「スカレー2×2」です。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1986501490/

アラブの血を持つ馬(「サラ系」に分類)は、地方競馬においてはさほど珍しい存在ではありません。くまたか特別の出走馬にはもう1頭、エースキッドという馬がアングロアラブの母を持っています。しかし、ゴーディーについて特筆したいのはその実力。1番人気に推された前走の準重賞ゴールドジュニアー(OP・ダ1400m)では、不利な大外枠からロケットスタートでハナに立ち、2着に逃げ粘りました。いずれ重賞に出走してくるでしょう。

今回はメンバー的に楽になるとはいえ、ダービー馬サニーブライアンの半弟で1戦1勝のリアリゼーション(父ファンタスティックライト)などは、明らかに格下ではありますが不気味な存在です。面白いレースになりそうです。

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