簡単に埋まらないクラスの差!? ユニコーンS分析

 こんばんは、ヒデです。4月の暮れから始まった東京開催もいよいよあと2週、3日を残すのみとなりました。この開催からは入場者数が6万人に引き上げられるなど競馬ファンにとってはうれしいニュースも多かった印象を受けます。

 そんな春の東京競馬場最後の重賞が3歳ダート馬にとっては重要なユニコーンS。7月に大井競馬場で行われる3歳JpnⅠジャパンダートダービーに繋がる重要な一戦となります。そのユニコーンSはどのような馬が有利な傾向となっているのでしょうか。早速見ていきましょう。それではよろしくお願いいたします。




< 目次 >

1.東京ダート1600mでも外枠はそこまで有利ではない!?



2.埋められない昇級組とオープン競走組の”差”



3.東京競馬場=米国血統であることは揺らぎません



4.該当馬


1.東京ダート1600mでも外枠はそこまで有利ではない!?

 2コーナーの奥ポケット地点からスタートして内側でも150mほど、外側では180mほとんど1Fを芝コースでレースをします。外のほうが芝を長く走れるため有利…なはずですが、この競走に関しては「圧倒的有利」というわけではありません。意外にも複勝率が一番高いのは1枠で【2- 2- 0- 5/9】で勝率22.2%、複勝率44.4%で単複の回収率100%超となっています。8枠も【1- 1- 1- 7/10】複勝率30%ですから、極端な枠がよいのかもしれません。特に昨年は1枠の7人気2.スマッシャーが1着、8枠の14人気15.サヴァが2着で馬連5万円の大波乱を演出しています。「外枠から」ではなく「極端な枠(1・8枠)から」と考えるのが良いでしょう。

 東京ダートもう一つの特徴は「直線が長い」ということです。直線距離501.6mは日本のダートコースで最大の長さを誇っており、先行争いが激しくなりやすい重賞では先行で粘る馬と差し馬の決着となりやすい特徴があります。それはこの競走でも健在で、狙うのであれば先行馬か差し馬。特に差し馬は前走で上り最速馬が1勝、2着2回と安定していますから、前走も上りを出している差し馬と狙いを絞るのが比較的容易となっています。先行馬と前走上り3位以内であれば脚質的に狙える範疇にあるでしょう。



2.埋められない昇級組とオープン競走組の”差”

 前走別に見てみると1勝クラスで戦った馬とオープンクラスで戦った馬では大きな差ができています。オープンクラス出走組は【5- 5- 1- 32/43】と全連対しているのに対して1勝クラス組は【0- 0- 4- 24/28】で3着が精一杯という成績でした。昨年も4人気に押された未勝利、1勝クラス連勝馬クリーンスレイトが5着に敗戦していたり、20年には2人気に押されていたレッチェバロックが9着に敗れたりと、高評価されていても期待を裏切る場合がほとんどとなっています。一方で前走オープン競走かつ4着以内の馬は【4- 4- 1- 18/27】で圧倒的な信頼感に。1着だと人気しやすいのですが、2~4着ですと平均7人気あたりまで落ちますから十分に”妙味あり”です。

 一方1勝クラスからの昇級組は好走条件が二つ。一つは「他場で0.5秒以上ちぎった馬」。昨年3人気3着のケイアイロベージは前走阪神で0.5秒差を付けての快勝、19年6人気3着のダンツキャッスルも京都競馬場で0.8秒付けて勝利していました。逆に1秒以上差を付けたケースでは「相手が弱い」ということもあったのか着内はありません。もう一つは東京競馬場の1勝クラスを差して勝利&上り2位以内という条件。このケースでは20年のケンシンコウが11人気3着と激走するなど人気の割には激走率が高く、例年1頭程度出走し【0- 0- 2- 2/4】と複勝率は50%、これらの条件の場合は3着付けで狙っていきたいところです。



3.東京競馬場=米国血統であることは揺らぎません

 東京競馬場のダートコースは米国系が本当に有利ですが、その傾向はこの競走でも変わりません。このような傾向になっているのは多くのアメリカ競馬場と同じく左回りであることが挙げられます。実際に昨年穴を開けた前述のスマッシャーとサヴァは共に米国系でした。抜けてオープン競走や交流重賞を勝利している馬に関してはその他の血統でもこなせますが(18年1着ルヴァンスレーヴ・シンボリクリスエス産駒、17年1着サンライズノヴァ・ゴールドアリュール産駒)、穴目の馬に関しては米国系が中心になりそうです。

 特に注目したいのは米国ミスプロ系と米国ナスルーラ系。米国系が強いにもかかわらず他のファクターで隠れてしまい適性の高い馬が人気薄になりがち。1や2で挙げた馬もほとんどが米国系でしたが、結果として人気薄の激走パターンとして紹介するに至っています。米国系で極端な枠に入っている等他の好走条件が揃っている場合は人気薄でも期待していきたい所でしょう。



4.該当馬

1.ハセドン

内枠◎ 前走オープン1着〇 差し〇 血統〇

 人気であればモーリス産駒でも大丈夫でしょう。前走は出遅れても巻き返して1着というのは、差し脚も先行力も十分といえます。モーリス産駒は内枠が得意なことに加えて中4週であればこなせる可能性は高そうです。今回は期待できます。

2.セキフウ

内枠〇 前走海外△ 間隔〇 先行〇 血統〇

 海外帰りはそこまで成績を残せていませんが、兵庫JrCSを勝った実力や東京競馬場を得意といしているヘニーヒューズ産駒であることなどからこの人気はむしろおいしいかもしれません。2走前にはサウジダービーで2着になるなど適性はありそうですから今回は人気薄の相手馬として期待したいところです。

11.ヴァルツァーシャル

6枠△ 前走〇 差し〇 血統〇

 現時点(土曜21時現在)で6人気と2で紹介したような「好走しながら人気になっていない」一頭と言えます。欲を言えばもう少し前につけてほしいところですが、三浦騎手との相性は悪くないはずで、期待できるでしょう。

14.ビヨンドザファザー

8枠〇 差し〇 前走〇 血統〇

 父の日に大穴を開けるファザー。というオカルトは置いておいて、2で紹介した「前走東京1勝クラス×後方から上がり1位」を唯一クリアしている馬です。内田騎手に乗り替わってしっかり追われれば前走以上に成績を残すこともあり得ないことがないでしょう。期待です。


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ユニコーンSは今後につながることが多いので今回の結果もかなり重要になっていくでしょう。

それでは!

ヒデ