イレギュラーが激走を生み出す!? 宝塚記念分析

 こんばんは、ヒデです。いよいよ春のJRAG1戦線も今週でひと区切り、春最後のG1競走となる宝塚記念が施行されます。伝統と格式のグランプリ、今年はどんな夢が成就するのでしょうか? 早速見ていきましょう。それでは本日もよろしくお願いいたします。


< 目次 >

1.2週しか開催しないイレギュラーが内枠有利を進行させる!!



2.前走で確認するのは脚質!?



3.重要になってくるのは母父米国の血!?



4.該当馬


1.2週しか開催しないイレギュラーが内枠有利を進行させる!!

 昨年と今年は京都競馬場改修工事で施行されておらず変則日程となっています。宝塚記念が行われる3回阪神開催は2週のみの開催で芝が綺麗な状態に。この影響でマーメイドSではここ2年4枠以内の先行馬が勝利、昨年の宝塚記念も2番枠に入ったユニコーンライオンが7人気2着に激走するなど穴馬の激走も内枠の先行馬が多くなってきました。

 外枠不利は顕著になってきており、18~20年までに施行されたマーメイドS・宝塚記念では双方7・8枠の外枠が単複の回収率100%超だったにもかかわらず、昨年の両重賞と今年のマーメイドSまでで外枠で馬券になった馬は1頭のみでした。反対に1・2枠の好走率は上がっており、データからも内枠有利と判定することができそうです。今年も狙うのは内枠でしょう。

 また、逃げ・先行馬の信頼度も同様に向上しており、2週のみの開催となっている21‐22年のマーメイドS宝塚記念ではいまのところ逃げ先行馬が全勝中。本来差し有利の宝塚記念でも同様な結果になっているのですから、かなり先行優位なバイアスが強いということがわかります。昨年の宝塚記念では4角4番手以内の馬しか掲示板すら確保できない超前残り馬場でした。それでも今年はパンサラッサとタイトルホルダーという2頭が逃げていく可能性が高いですから、中団有利になる可能性があります。昨年のように4角4番手以内ではなく4角8番手以内を狙っていくのが案外よいかもしれません。



 2.前走で確認するのは脚質!?

 前走で考えるとG1レースを連戦している馬が中心となっています。中でも安定感があるのは大阪杯からのローテ。同競走6着だったサトノクラウンが巻き返して1着になるなど期待できるローテと言えます。大阪杯でも先行できた馬は好走確率アップです。一方で近年苦戦しているのが前走天皇賞春組。20年にキセキとモズベッロが穴を開けたのが最後となっています。やはり前走天皇賞組も「先行」しているのが絶対条件。このことから前走の中心は先行ということが言えます。

 同様のことはG2・G3から出走してくる馬にも当てはまります。G2やG3から出走してきて馬券になったのは2頭。昨年のユニコーンライオンとノーブルマーズですが、両馬ともに逃げ先行馬です。やはり全体的に狙っていくのはG1で馬券圏内に入った馬か巻き返しならば前走逃げ先行馬となるでしょう。



3.重要になってくるのは母父米国の血!?

 父系で見るとかなり傾向がばらついて捉えにくい形になっています。それでも父系で若干見えてくるのは「父欧州系優位」であるということ。バゴ産駒のクロノジェネシスが2勝、Marju産駒のサトノクラウンが1勝、主流血統でも欧州志向であるキングカメハメハ産駒のミッキーロケットが勝利するなど、5勝中4勝は欧州志向の血統が勝利を挙げています。このことから父系は欧州系優位と言えます。サンデー系で見ても欧州の血が濃いことが求められており、リスグラシュー(父ハーツクライ、父母父トニービン)が勝利したり、アイルランド産であるウインドハーヘアの血を引くディープインパクト産駒や凱旋門賞馬出したリヴァーマン(Riverman)の血を引くディープブリランテ産駒の馬が3着に入るなど、米国系が強いよりも欧州系が強い馬を狙っていくのが良いでしょう。

 一方、母父系で見るとスピードを補完できる米国系が優勢になっています。これは特に欧州色の強い馬に当てはまる場合が多く、前述のクロノジェネシスは母父クロフネ系で米国ノーザンダンサー系、Marju産駒のサトノクラウンの母父Rossiniは母父米国ミスプロ系で好走していますが、同じく欧州ノーザンダンサー系であるハービンジャー産駒のブラストワンピースは母父キングカメハメハで16着と大敗しています。このことから日本の芝で父が実績を残していない場合は母父米国系がマストになりそうです。逆に日本の芝に適性のあるキンカメ系やスクリーンヒーロー産駒などは柔軟で、サンデー系でも欧州ノーザンダンサー系でも走っていますから、ロベルト系であるエピファネイア産駒の2頭はそこまでナーバスに考える必要はなさそうです。



4.該当馬

1.オーソリティ

1枠〇 先行〇 前走海外〇 血統〇

 今回このメンバーであまり人気にならなさそうですが、実力は十分。オルフェーヴル産駒で内枠短縮というのは絶好条件でもありますし、ローテ的にもここを狙ってきましたから期待は十分できそうです。血統的にもローテ的も期待十分です。

2.アフリカンゴールド

1枠〇 先行〇 前走先行〇 血統〇

 延長の内枠。これだけで穴候補としては十分です。ステイゴールドの母父(この馬にとっての父母父)はフランスのステイヤー血統でサンデー系が馬券になる条件の一つである「欧州の血が濃いこと」をクリア。昨年の冬から本格化した晩成傾向はG1でも爆発する可能性は十分です。期待できるでしょう。

7.デアリングタクト

4枠〇 差し△ 前走差し△ 血統〇

 前走は1年ぶりの復帰戦となりましたが内から粘って6着。不利な条件であったにもかかわらずこの健闘でしたから、今も実力が上位であったことがわかります。今回はその条件に加えて延長も入っていますから、今回こそ狙いどきでしょう。期待したいところです。

13.アリーヴォ

7枠△ 差し〇 前走GⅠ3着以内〇 血統〇

 外枠で推したいのはこの馬です。ドゥラメンテ産駒の牡馬は基本的に闘争心が高く内枠が向きませんのでむしろ外枠を欲していた馬です。前走も一気の差しではなく12‐10‐9-6とじわじわと上りながら最速の3Fタイムで3着。ドゥラメンテ産駒は延長も距離歓迎ですので、今回もかなり期待できるのではないでしょうか。


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放送ありがとうございました。一旦のサマーブレイクということになりそうですが、それならば放送の買い目も当たってほしいところです。はたして今年はどうでしょうか。

それでは!

ヒデ