流れる=短距離系が躍進!? 安田記念分析

 こんばんは、ヒデです。5月の1週目から始まった5週連続G1開催も今週が最終日。今年は「安田伊左衛門生誕150周年記念」として施行される安田記念がその大トリを務めます。毎年は18頭、前日最終オッズで一人気が4.5倍と大接戦のこの競走は果たしてどのような馬が有利な傾向にあるのでしょうか。早速見ていきましょう。それでは本日もよろしくお願いいたします。



< 目次 >



1.一気に外差しの傾向へ!?



2.前走はG2以上から!



3.圧倒的な存在感を示し続けるディープインパクト産駒。しかし!?



4.該当馬




1.一気に外差しの傾向へ!?

 先週のダービーはCコース替わりということで前残りに反して差し有利になりましたが、今週も全体的には外枠差しが有利な傾向です。土曜日の開催でも外枠の差しが多く、勝利したのは5枠以降だけでした。3枠以内は人気馬しか来ておらず、人気薄を狙うのは完全に外枠が優勢になっています。昨年も勝ったのは7枠のダノンキングリーで馬券圏内に入ったのは4枠以降でしたし、17年に7人気で勝利したサトノアラジンは7枠、8人気2着のロゴタイプも8枠と外枠の馬が穴を開けています。人気馬でなければ内枠で馬券圏内に来るのは厳しい傾向になっています。穴馬を探す場合は外枠を中心に考えましょう。

 脚質を見ると勝つのは差し馬が優勢ですが、穴として面白いのは逃げ馬。前述のロゴタイプや19年のアエロリットなど逃げて粘っています。これらの馬は共に1400m以下で好走実績がありました。

1)安田記念を逃げて着内に入った馬の芝1400m以内好走馬

・19年2着 アエロリット

→新馬戦東京芝1400m/1着

・17年2着 ロゴタイプ

→新馬戦札幌芝1200m/1着

一方差し馬も東京で実績がある馬が中心。特に東京の1400m1600mで実績のある馬は特に有利に働きやすい傾向にあります。穴馬の場合は東京1400mでの実績を注目してみるのが良いでしょう。



2.前走はG2以上から!

 さすがはマイル王者決定戦。安土城Sから連闘で出走してきたモズアスコットが勝利した以外は過去5年G2以上から出走してきた馬が馬券圏内を独占しています。特にG1から出走してきた馬は【2- 4- 2- 15】で複勝率34.8%とハイアベレージになっています。ダノンキングリーも前走は天皇賞秋であったことからも前走ハイレベルなレースに出ている方が好走確率が高いことがわかります。

 同距離は【1- 4- 2- 31/38】でマイル連戦はあまり押すことができません。なお、2着4回はいずれもヴィクトリアマイルでしたから、ヴィクトリアマイルからの出走馬は「勝ちきれない」というポイントがあります。激走のポイントは距離変更。一発の怖さは特に延長ローテであることです。これは土曜日の生放送中にも安井涼太さんと話しましたが、この競走はスプリント気質があるレース。このパターンで穴を開けたのは17年1着サトノアラジン(前走京王杯SC)、19年1着モズアスコット(前走安土城S)。短縮で結果を残した馬は1.の東京1400mもしくは1600mで実績があった馬が中心でした。

 前走はヴィクトリアMもしくは距離変更のG2以上を狙うのが良いでしょう。



3.圧倒的な存在感を示し続けるディープインパクト産駒。しかし!?

 血統的に見るとディープインパクト産駒が過去5年【3- 1- 0- 18/22】で圧倒的な成績であることがわかります。過去5年のうち半分をディープインパクト産駒が勝利しているというまさに東京マイルにディープインパクト産駒ありといった形になっています。非サンデー系だとノーザンダンサー系が多く、昨年3着のシュネルマイスター(父Kingman)や19年1着のモズアスコット(父Frankel)など欧州ノーザンダンサー系がこの競走では活躍しやすい傾向があります。父系で狙いたいのはこの2系統でしょう。意外にもキングカメハメハ系は不調傾向で、ロードカナロア産駒で平成最後の三冠馬アーモンドアイが2着、3着になっただけでそれ以外の産駒に関しては凡走を繰り返しています。米国ノーザンダンサー系はアエロリットの2着2回のみでした。

 母父系で見ると今度はストームキャット系を含む米国ノーザンダンサー系が圧倒的に有利となっています。穴を明けたディープインパクト産駒の2頭であるサトノアラジンとダノンキングリーは共に母父ストームキャット系であったことからもこの傾向の強さが伺えます。その他だと米国ナスルーラ系やサンデー系も母父としては優秀ですから、ポイントは「米国系」ということになります。今週の馬場傾向を見てもこれまでの母父欧州系優勢から母父米国系優勢に変化してきており、安田記念は母父米国系が強いことも頷けます。

 基本的に1.2.の内容を踏まえても短距離マイラーのほうが活躍しやすい条件で、父系はディープインパクト産駒を中心としたサンデー系と欧州ノーザンダンサー系、母父系は米国系と覚えておくと最後の取捨に役立ちそうです。



4.該当馬

 それでは安田記念の該当馬を見ていきましょう。

7.ファインルージュ

4枠〇 東京1400m実績〇 差し〇 前走ヴィクトリアM〇 血統〇

 人気馬の中ではかなり期待できそうなのはこの馬です。キズナ産駒は1400mは少し忙しい(=勝ち切れない)と言われていますが、それでもこの実績ならばそこまで割り引くことはないでしょう。血統的には近親に1400mで活躍したメイショウチタンがいるように牝系は短距離もこなせる産駒が多いイメージ。短距離的な適性が求められる今回は期待していいでしょう。

9.シュネルマイスター

5枠〇 東京マイル実績〇 差し〇 前走△ 血統〇

 前走は負けるべくして負けた。なんて言いましたが、これは適性が向いていなかっただけの話しです。NHKマイルカップはアエロリットや今年のダノンスコーピオンが勝利したようにスプリンター気質のほうが勝利しやすい傾向にありますので、やはりここは向くのではないでしょうか。ただ、差し脚がここまで決まるかは不安定で、もう少し前目に付けることが求められそうな注文付きです。今回も相手としては優秀な気がします。

15.セリフォス

7枠〇 東京マイル実績△ 差し〇 前走〇 血統〇

 東京での実績は前走NHKマイルC4着程度ですが、戦績や血統を見ると狙いたい条件は揃っています。新潟や阪神で33秒台の脚を出せたのはもちろんのことですが、母父がLe Havre であることが一番のポイントだと考えています。Le Havre 産駒は19年のフィリーズレビューを勝利したプールヴィルがいるなど、芝1400mが大得意で【4- 4- 1- 7/16】で複勝率56.1%で単複の回収率100%超とかなり安定しています。父ダイワメジャー産駒も短距離でもこなせますから、今回は人気でも期待したいです。

16.レシステンシア

8枠〇 東京マイル実績〇 逃げ〇 前走〇 血統〇

 これぞ激走候補と言った形で、期待大です。前走ヴィクトリアマイルは「ペースが落ち着いたから」残れたという風に見えますが、実際はソダシが勝利するなど「中距離マイラー」が活躍した傾向にありました。よって短距離マイラーであるレシステンシアが残ったのはかなり強いと考えることができます。今回は短距離マイラーが活躍しやすい競走となっている例年の傾向を考えると今年も活躍の可能性は十分です。期待です!

※noteでは『競馬王新聞』の全マーク馬をご紹介しています。こちらもぜひご覧ください!!


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ヒデ