レース×コースで激走馬をみいつけた!? 平安S分析

 こんばんは、ヒデです。5月ももう半ば。競馬の祭典日本ダービーまであと2週間を切るなど盛り上がりを見せています。この時期は3歳の熱き戦いに目が行きがちですが、ダート戦線も夏の中距離帝王決定戦、帝王賞への前哨戦的意味合いが強い平安Sが施行されます。19年の覇者チュウワウィザードは帝王賞2着、20年覇者のオメガパフュームは帝王賞勝利とJRA勢の力関係を見極める上では重要になってくる重賞です。昨年から代替開催となっている中京1900mのコースではどんな傾向が出ているのでしょうか。早速見ていきましょう。それでは本日もよろしくお願いいたします。

※過去5年の平安Sの傾向に加えて中京ダ1900m×3勝クラス以上のデータも一部使用しています。「このコース的には」などのコースについて言及する場合は「中京ダ1900m×3勝クラス以上」という条件のことを指します。


< 目次 >

1.中、中、中が有利に!?



2.G1からの巻き返しはあり、前走での激穴条件は!?



3.中途半端な距離だけに米国系&サンデー系が躍進!?



4.該当馬


1.中、中、中が有利に!?

 まずこの競走の過去5年を振り返ってみると、3枠から5枠に勝ち馬が集中していることがわかります。19年に勝利したチュウワウィザードは4枠7番であったことからもわかる通り、3~5枠という中枠近辺にアドバンテージがある競走です。それはこのコースでも変わらずで、このコース別で見ても2枠から5枠が9勝、それ以外の枠が4勝と2~5枠が中心になっています。コースが変わったから・・・と言って傾向を特段意識する必要はなく、平安ステークスの傾向を参考にして大丈夫そうです。

 ただ、脚質は少し変化があり、京都競馬場で施行されていた時には若干逃げ先行馬が優勢になっていましたが、中京競馬場のダート1900mは中団が有利になっています。これは中京ダート1900mは坂を2回上ることに加えて、初角までの距離が長いコースです。故に逃げ馬は余計に体力を消費しがち。その結果、控えられた先行馬が一番アドバンテージをエル結果になりやすいコースです。また、バテた先行馬を交わせる差し馬も有利になり、それでも後方はチャンスが薄いので、目安は7番手以内。コースの形状、ペースからも中団か前目で競馬のできる馬が有利になっているといえるでしょう。




2.G1からの巻き返しはあり、前走での激穴条件は!?

 前走別に見てみると、この競走はG1からの巻き返しが多く起こる競走です。昨年も1着になったのはこのコースを得意としているオーヴェルニュですが、この馬はフェブラリーS13着からの巻き返しでした。1800m近辺が得意な上にフェブラリーSで凡走した馬は注意が必要でしょう。それ以外のG1からはあまりケースがなく、20年にオメガパフュームが東京大賞典から連勝した程度。G1はフェブラリーSを中心に考えるのがよさそうです。

 一方穴として期待したのは2パターン。前走2000m以上のダートグレード競走で凡走した馬と前走オープン組です。実はこのコース、短縮のほうが向いているコースで、延長馬は勝率5.8%、複勝率19.4%に対して短縮馬は勝率9.9%、複勝率26.3%とどちらも上回っています。2000m以上で凡走した馬であっても「1800mでは実績を残していた馬」には注意が必要です。前走オープン馬に関しても昨年は堅実な結果に終わり活躍馬がいなかったものの、19年12人気2着のモズアトラクション(前走仁川S⦅阪神ダート2000m⦆11着)や、17年15人気3着のマイネルバイカ(前走ブリリアントカップ⦅東京ダート2100m⦆5着)など、巻き返しも多数。それ以外で見るならば昨年はマーチSからの巻き返しがありましたし、近年はアンタレスSも相性自体はよさそうです。ただ、アンタレスSも阪神ダート1800mで施行コース的に似ているため、善戦した馬が中心でしょう。



3.中途半端な距離だけに米国系&サンデー系が躍進!?

 この中京ダート1900m×良馬場で考えた場合、意外にもサンデー系が好調な結果になっています。キズナ産駒を筆頭にパワーがある産駒が中心で、所謂Dサンデー系に分類されるゴールドアリュール産駒や、ネオユニヴァース産駒、キンシャサノキセキ産駒などが活躍しています。一方で、ハーツクライ産駒は昨年この競走5着になったスワーヴアラミスが最上位、ディープインパクト産駒も出走して最下位に終わっているなど「芝が主戦場」の血統は割引が必要そうです。パワーを持っているサンデー系を狙いたいところです。

 ただ、この舞台で中心になっているのはもちろん米国系。エンパイアメーカー産駒やそのひ孫産駒にあたるAmerican Pharaoh産駒のエンパイアメーカー系に加えてヘニーヒューズ産駒、マジェスティックウォリアー産駒が躍動しています。中距離、1800mでも実績を残せる米国系であればしっかりと狙っていきたい所でしょう。なお、ヘニーヒューズ産駒やAmerican Pharaoh産駒は中団から進出していく産駒を狙うのが吉で、パワーを活かして上がっていける産駒を見かけた場合はしっかりと抑えたい所です。

 母父的にみると欧州系も案外好調ですが、ノーザンダンサー系と、Dubawi系に限られている印象ですから、米国的なパワーを持ち合わせている母父欧州系であれば狙っても大丈夫でしょう。基本は米国ノーザンダンサー系と米国ミスプロ系、米国Halo系などの米国系に限られています。



4.該当馬

 それではアンタレスSの該当馬を見ていきましょう。

3.ケイアイパープル

2枠〇 先行〇 前走アンタレスS5着〇 血統〇

 前走アンタレスSでは先行して5着ではありますが、馬券圏内からは約1/2馬身と大きく遅れたイメージはありません。また、このレースは前半3F36.8秒、後半3F37.1秒でかなり早く流れたレースで逃げたアナザートゥルースは16着に敗れていることからも度外視でいいでしょう。逆に久々の中央でよく来たと言えます。今回はやや内枠に入りましたから、そこをこなせればチャンスありです!

9.サンライズホープ

5枠〇 先行〇 前走〇 血統〇

 マジェスティックウォリアー産駒は先行して味の出るタイプで、軽い休み明けの1900mはある意味絶好条件です。この産駒は1800m以上では楽にペースに乗ることが可能になりますから、前走フェブラリーSで12着であったのも仕方がないことと言えます。今回は昨年のシリウスSに近い(シリウスS、8番枠1着)9番枠をゲットできましたので、条件は整っています。後は好走するだけで期待です。

10.スマッシングハーツ

5枠〇 差し〇 短縮◎ 血統〇

 前走はブリリアントカップ10着ではありましたが、これは少し距離が長く参考外(3勝クラスの東京2100m晩秋Sでも6着凡走)。今回は得意な1700m~1900mのバンドに戻って来たこと、得意の中枠に入ったことなどこちらも条件は整ったイメージです。現状11人気ではありますが、巻き返しは十分で期待です。

※あと一頭は競馬王チャンネル「重賞予想」で発表します。


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それでは!

ヒデ