固定概念に惑わされるな!? 日経賞分析

 こんばんは、ヒデです。今週も中山競馬場では2個の重賞が施行されます。その土曜日に施行される重賞が天皇賞春への前哨戦、日経賞です。有馬記念と同じ芝の2500mで施行される中距離レース、近年は堅実なレースが続いていますが、果たしてどのような傾向になるのでしょうか。早速見ていきましょう。それでは本日もよろしくお願いいたします。




< 目次 >

1.まだ逃げ先行が有利と言える!?



2.新春G2戦からのローテが鉄板!?



3.とにかくヘイルトゥリーズン系!?



4.該当馬


1.まだ逃げ先行が有利と言える!?



 だんだんと差しが有利になってくる時期ではあるのですが、このレースに関してはまだ先行馬が有利になっています。先行馬は過去5年【2- 2- 3- 10/17】で複勝率は41.7%に上っているなど複勝回収率も100%を超えています。一方で差し馬は人気馬が中心で人気薄の好走は18年のチェスナットコート(7人気2着)とサクラアンプルール(6人気3着)しかありません。基本的には人気の差し馬と人気薄の先行馬を中心に狙っていくのがよさそうです。

 面白いのは枠別の成績。この中山芝2500mは外回りコースの3コーナー上の地点から発走するため基本的には「内枠先行」有利になりがちなコースとなっています。しかし、過去5年このレースで一番勝ち馬を出しているのは7枠で【2- 0- 1- 7/10】、複勝率が一番高いのは6枠の【0- 3- 1- 6/10】で40%を誇っています。特に6・7枠は複勝の回収率が100%を超えているなど人気がそのまま実力に直結するわけではありません。この時期は内が痛み始めているので、結果ロスが増えていると考えるのが一番よさそうですが、外枠がかなり有利になっていると考えるのがよさそうですね。



2.新春G2戦からのローテが鉄板!?

 前走を見てみるとこちらも傾向がはっきり出ています。前走G2戦が【4- 2- 3- 23/32】で勝ち馬のほとんどがG2から出ていることがわかります。特に1月に行われるG2戦から出走してくる馬はかなり好調で、AJCCからのローテであれば【2- 1- 2- 4/9】、日経新春杯であれば【2- 1- 0- 3/6】となっています。特に日経新春杯は人気になっていなければなりませんが、AJCC組はスティッフェリオやミライヘノツバサなど、人気薄の激走が見られるため、非根幹距離を前走戦った馬には要注意かもしれません。同じく非根幹距離である1800m戦重賞、中山記念からの馬も馬券になっている馬がいることから、非根幹距離のG2から出走してくる馬に関してはかなり期待してもよいと言えそうです。巻き返しもかなりあり、19年に勝利したメイショウテッコンは日経新春杯9着から巻き返す格好で1着になっていることからも前走G29着以内であれば期待してもよさそうです。また、G1からのローテで馬券になっている馬に関しても非根幹距離で実績(馬券圏内に入った経験)がある馬が好調になると言えるでしょう。

 3勝クラスからの昇級戦の馬は、2400m以上かつ関東で勝利した馬がよさそうで、関西馬の好走は18年3人気1着となったガンコのみで人気薄の場合は関東から出走していないと厳しそうです。逆に関東馬であれば2頭出走して2着と4着と全頭が掲示板を確保しています。人気薄の激走を考えると関東で3勝クラスを突破した馬が一番でしょう。



3.とにかくヘイルトゥリーズン系!?

 この競走は父ヘイルトゥリーズン系が圧倒的。過去5年で見ると【5- 5- 2- 45/57】で連対した馬には必ず父ヘイルトゥリーズン系となっている状態です。特にディープインパクト系とT-サンデー系が活躍している傾向です。馬券になっているヘイルトゥリーズン系は上記のサンデー系とスクリーンヒーロー産駒だけになっていることからも中距離をこなせる産駒が中心になっていますね。好走しやすい母父系では欧州系で、欧州ノーザンダンサー系は【2- 1- 0- 11/14】など母父欧州系であればかなり期待できると考えていいでしょう。逆に米国系は米国ノーザンダンサー系が2着に3回入っている程度でそれ以外は低調な成績におわっていますので、中距離が得意な米国ノーザンダンサー系以外は軽視して大丈夫でしょう。

 それ以外の父系はミスプロ系が3着3回馬券になっているのみですね。内2頭はキングマンボ系ですので、馬券になるミスプロ系はキングマンボ系を中心に考えるのがよさそうです。主流血統がやはりこのコースでは強いということなのではないでしょうか。また、もう一頭馬券になったミスプロ系はステイヤーズSを連覇したアルバートが産駒にいるアドマイヤドン産駒のアドマイヤデウスだけですので、純粋な米国系のミスプロ系は軽視という傾向になりそうです。



4.該当馬

 それでは日経賞の該当馬を見ていきましょう。

2.ハヤヤッコ

追込み△ 枠△ 前走? 血統◎

 該当馬とするのは少々微妙ではありますが、今井雅宏さんの書籍『ウマゲノム版種牡馬辞典2021-2022』によると、キングカメハメハ産駒の単複100%を超える条件として「距離延長時の”ダートから芝替わり”」という条件があります。追走が楽になる分激走が多いとのことですので、この条件に当てはまるこの馬は特注馬と言えるでしょう。内目をロスなく回れば爆発する可能性が非常に高くなると言えます。なお、今井雅宏さんが付与しているオプションでは延長に強い「延」と内枠得意の「内」がついていますので本当に今回は一番のねらい目ではないでしょうか、期待です。

9.クレッシェンドラヴ

先行〇 枠〇 前走〇 血統◎

 ここ2走は該当馬に上がっている馬ですが、今回も狙ってみたい条件は揃っています。Tサンデー系に欧州系ということに加えて前走AJCCは先行して7着ですから先行が有利になるこの競走ならば巻き返すことも十分に可能でしょう。今回も一途に狙ってみたいと思います。

12.アサマノイタズラ

追込み△ 枠◎ 前走〇 血統〇

 前走AJCCは最後方に位置しながらも最後一気に追い込んで来て4着。得意の内枠で及第点以上の成績を残したと言えそうです。極端な枠が得意なヴィクトワールピサ産駒ということで、今回は位置取りをもう少し前に行けばチャンス到来と言う形ではないでしょうか。期待です。


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今年は爆穴も期待ですね。

それでは!

ヒデ