欧州気質な米国系にご用心!? 北九州記念分析

 こんばんは、ヒデです。肌寒い週末を越えて熱い気温が続いた東京。はっきりとしない天気なのは、早くも秋雨前線が停滞しているからだといいます。そんなはっきりとしない天気は小倉も同様のようです。今週は週中に55.5mmの雨を観測した小倉競馬場ですが、明日は良馬場スタートも影響は残るのでしょうか?野芝のみという芝コース、今週も内を開けて走るのが基本のレースパターンか注目の北九州記念を分析します。それでは本日もよろしくお願いいたします。


< 目次 >

1.ハイペースになりやすい定めです

2.ハイペースで求められるテンの早さ

3.スピードだけでは押し切れない

4.該当馬




1.ハイペースになりやすい定めです

 北九州記念が行われる小倉競馬場の芝1200mは非常にハイペースになりやすいコースです。2コーナー奥のポケット地点からスタートして緩やかに下り続けているため、テンからスピードが早くなりやすい特徴があります。そのため、逃げ馬には不利になりやすいコースとなっており3角1番手で通過した馬の過去5年でモズスーパーフレアのみが馬券内という結果になっています。

 ただ、馬券内に食い込む可能性が高いのは先行馬で【1-3-2-16】という成績になっていることから前が不利ということではなさそうです。それに関しては『競馬王7月号』にて立川優馬さんが『ローカルの極意』内で「スパイラルカーブの3~4角で加速しながら直線に入るため、直線入り口で馬群が広がりやすく、内を泰斗に回る馬が恵まれるコース形態になっています。直線は平坦で短いので、乗ったまま直線入り口を迎えると、多少ハイペースでも前が止まりません。」と話しているように前が有利なのはスパイラルカーブが影響しているといえるのではないでしょうか。

 とはいえ今年は内を開けるシーンも先週から目立ち始めましたので、内枠~中枠で直線三分どころよりも外で伸びる馬には注意が必要でしょう。過去5年の上り3F3位以内は【4-0-3-8】、特に上り1位は【2-0-1-3】ながら単勝回収率が506%を記録するなど中団からの差しは展開次第で脅威になりかねません。今年は逃げ馬たい馬が複数いますので、自然と差しへの期待値も上がってきます。

 まとめると

①小倉芝1200mは緩やかな下り坂が続くため「ハイペースになりやすい」

②スパイラルカーブの影響で馬群が広がりやすく「先行有利」

③上り上位馬は安定感あり。特に「中団からの差しに注意」




2.ハイペースで求められるテンの早さ

 ハイペースになりやすいため、短縮はテンでおいていかれてしまう可能性が高いのかもしれません。昨年までの5年間、距離短縮で臨んだ馬は8頭いますが8着が最高です。平均着順も12.4着とまったく上位に食い込めていません。荒れやすいレースですが、距離短縮の馬はどうやらこの舞台とはミスマッチングの様です。

 一方同距離でも前走条件戦の馬は厳しく、馬券になったのは前走佐世保Sでそれまで連勝中だったダイアナヘイローのみとなっています。好成績を残しているのはCBC賞組ですがこれはコースの形状が似ているからかもしれません。中京の1200mは小倉と似て向こう正面で徐々に下っていくコースです。やはりこのコースでもテンが早くなります。直線の坂で差し損ねた馬が巻き返してくる傾向にありますので、注意が必要でしょう。差し馬×前走CBC賞に限定すると【2‐0-0-8】で単勝回収率は236%になりました。荒れやすい北九州記念らしく、CBC賞経由の差し馬に妙味があるのかもしれません。しかし、今年は開催前半に小倉競馬場で行われているため、この傾向は微妙かもしれませんね。

 ポイントは「テンの早さ」でやはり後方からは物理的に届かないようですね。少なくとも10番手位につけるのが良さそうです。



3.スピードだけでは押し切れない

 やはりというべきなのか、これだけハイペースになるとスピードだけでは押し切れるレースではなくなっています。そのため、毎年欧州の持続力と米国のスピード力を併せ持っているような産駒が活躍する傾向にあります。逆に、いつもはスピードでスプリント界を席巻しているはずのアドマイヤムーン産駒は、意外にも過去5年馬券内はなし。平均着順も約8位と完全に適性外のようになってしまっています。レッドファルクスを輩出したスウェプトオーヴァーボード産駒も3着が1回だけ(母父トニービン)とスピードが売りの米国ミスプロ系はスプリントが得意というイメージに反して凡走を繰り返す傾向にあります。

 逆に欧州色の強い馬は好調で、ダイメイプリンセスやダイアナヘイローで過去5年2勝2着1回の成績を残しているキングヘイロー産駒や自身の産駒であるバクシンテイオーや孫産駒であるラブカンプーやナリタスターワン(共にショウナンカンプ産駒)などが活躍しているサクラバクシンオー系が好成績でした。この両種牡馬は今年産駒を出走させていませんが、この活躍から「スプリント適性×スピード持続力」が求められているということです。そのためキングヘイロー産駒のような欧州的な要素の強いスプリント適性のある米国系が活躍するということの様です。中団からも持続して脚を使えることがポイントでしょう。

 一つ懸念点なのがロードカナロア産駒が活躍していないことです。過去5年で3着一回は物足りなさが残ります。血統的に合わないというわけではないと思いますが、過信は禁物ということになりそうです。

4.該当馬

 北九州記念の該当馬を見ていきましょう。

6.ファストフォース

先行〇 同距離〇 血統〇

 前走CBC賞では早い芝とは言え前半3Fを32.3秒で逃げたにも関わらず逃げ切りコースレコードで快勝。今回はモズスーパーフレアという強敵が現れ逃げるのは難しいかもしれません。ですが、母父サクラバクシンオーが入っていることからも先行して粘るという戦術もダメというわけではなさそうです。モズスーパーフレアに先行させてマイペースに追走できれば引き続き期待できるでしょう。

7.ジャンダルム

先行〇 同距離〇 血統〇

 3で記載した「欧州的な要素の強いスプリント適性のある米国系」に一番近いのがこの産駒でしょう。完全にスプリント向きというわけではありませんが、産駒は2000m以下で多く活躍していることやこの馬も前走春雷Sで先行して上り3位の脚を見せて勝利したことなど、この馬の強調材料は決して少なくありません。今回も引き続き期待できる馬です。前走春雷Sの舞台、中山競馬場も3コーナーからスタートして緩やかに下っていくため、途中までコースの形状が似ています。今回は坂がありませんので、その分より楽に追走できるかもしれません。

11.アウィルアウェイ

差し〇? 同距離〇 血統▲

 この馬はとにかくこのコースで3着が多く、どんな人気でも3着に突っ込んできます。前走も上り最速で差してきて3着。今回は前回よりもテンが流れる想定で考えると、差しの期待値がさらに高まることになりますね。ジャスタウェイ産駒がこのコースにあっているかといわれるとあっているとは言い切れませんが、それでもこの馬との相性は確実に良いようです。今回も期待できる該当馬となっているのではないでしょうか。その血統も、Pサンデー系のくくりで見ると成績は良いようなので、特段心配する必要もなさそうです。

15.メイショウキョウジ

差し〇? 同距離〇 血統〇

 ここのところ差しに回ったり先行したりとはっきりしないレースが続いていますが、Pサンデー×ロベルト系はスピードと持続のバランスも良さそうで魅力的ですね。この馬は小倉競馬場【2-3-3-1】と小倉は得意で安定感があります。ただ、唯一馬券外に沈んでいるのが昨年のこの競走であることが懸念点ですね。それも今回の鞍上斉藤新騎手がうまく乗れば問題ないかもしれません。斉藤騎手についてTAROさん著の『騎手の取扱説明書』を見てみると「なだめるのがうまい騎手」との記載がありました。外枠から上手に控えさせれば末脚爆発で復活する可能性も否めません。注目ですね。


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先日F1日本グランプリの中止が発表されました。ホンダが最終年ということで楽しみにしていたのですが、無念の中止です。毎週競馬が開催していることがまたありがたく感じてきました。まだまだ大変ではありますが、競馬を盛り上げていきましょう!!

それでは!!

ヒデ